A lot of world~全て遠き理想郷~   作:紅 幽鹿

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久しぶりの投稿です。
では、第22話をどうぞ


第22話~姉崩壊~

 

 モニターが砂嵐に変わった後、私はリンディさん達に許可を得てから、ムルムルが持ち帰ってきたプレシアがいる医務室の方に向かう。

「こ、幸夜」

「安心しろフェイト、今からプレシアの治療をする……プレシア、少々きついが我慢してくれ」

 傷口の中に手を入れ、私はアルバートに抜き取られた臓器のあった位置を確認する。

「グッ、ガッ!」

 体内を弄られているため、プレシアは苦悶の声を上げ、表情を歪める。その度にフェイトは心配そうな表情でこちらを見てくる……ふむ、この位置からして腎臓か……。

「フェイト、これから見ることは内緒にしていてくれ……」

「え、う、うん……」

 フェイトは何が何だか解らないといった表情を浮かべていたが、頷いてくれた……さて、やるか……。

 私は傷口に入れて手に付着したプレシアの血を全て綺麗に舐め採る……。

「こ、幸夜、な、何してるの?」

「プレシアの遺伝子情報を取り込んだだけだ……」

 フェイトが完全に引き攣った表情で見てくるが……気にしてはいけない。プレシアの肝臓を創るには必要な行為だ。

「創造開始(クリエイト・オン)」

 能力でプレシアの肝臓を創り、創った肝臓を傷口から体内に入れる。

「こ、これで大丈夫なの?」

「いや、まだ終わってない」

 懐に入れてあった符を数枚取り出し、符をプレシアの傷口の中と外に、符を持った手で五芒星を切り、意識を集中させる……。

「オン・アビラ・ウンケン・ソワカ……一(ひ)二(ふ)三(み)四(よ)五(い)六(む)七(な)八(や)九十(ここのたり)布瑠部(ふるべ)由良由良止(ゆらゆらと)布瑠部(ふるべ)」

 真言と布瑠の言を唱えると、置いた符が淡い光を放ち、みるみるとプレシアの傷口が塞がっていき、顔色も良くなっていく。

「これで、大丈夫だ」

「ありがとう幸夜……母さん、母さん」

 フェイトは私に感謝を述べると、涙を流しながら眠っているプレシアを抱きしめる……フェイト、私に感謝はくだらない……。が、こう言う光景が見れたなら……悪くない。

「それでは、私は先に戻るぞ」

 私はフェイトに一言告げてから、医務室を出てなのはたちがいる場所に向かった。

 

~~~~~~

 

~~~~~~

 

「では、リンディさん、先ほどの変態(サイコ)野郎の事を知っていますよね?」

「え、ええ……」

 私はプレシアの治療を終え、ここに戻ると同時にリンディさんに詰め寄り、リンディさんは顔を後ろの方に逸らしながら頷く。

「アルバート・ゴードは、数か月前、管理局から脱走した死刑囚よ」

 死刑囚と言う言葉に私と姉さん……てか、前世からの知り合い組とクロノ達、管理局組以外の人達が息を呑む。

「アルバートは数か月前、ある罪を犯して監獄に収容されていたのだけど……」

 ある罪ってあれだろ?どうせ、殺人犯した後の死姦だろ?

「脱走され、今に至ると?」

「ええ……本当にごめんなさい」

 リンディさんの言葉を繋げるように姉さんが言い、リンディさんは私たちに頭を下げながら謝罪する。

「いや、別にリンディさんの責任ではないんですから、リンディさんが謝罪する必要はないですよ」

 姉さんの言うとおりだな、謝罪するとしたら管理局の上の奴らだろう……。

「まあ、そんなことより霊夢さんよ」

「何、幸夜さん?」

「今からあの屍姦趣味野郎をボコボコにしに行こうと思うんだが?」

「そんな装備で大丈夫かしら?」

「大丈夫だ、問題ない」

 と、霊夢さんとやり取りをしてから、スキマを開き入ろうとすると、リンディさんが慌てたような表情で止めにかかってきた。

「幸夜君、向こうは次元震が起きていて危険なのよ!?」

「大丈夫、大丈夫……それじゃあ、来たい人は後からついて来るように……アリサとのび太は待機、では」

「幸夜君?!」

 リンディさんの静止の声を無視し、私はスキマの中に入った。

 

~sideout~

 

~side美鈴~

 

「モニター、映ります!」

 幸夜がスキマの中に入った後に、エイミィさんの言葉に皆さんの視線がモニターの方に向きます。

『ふむ、これまた激しい歓迎だな』

 モニターには幸夜と無数の傀儡兵が映し出され、感想を言う幸夜の声色は嬉しさが混じっています……あぁ、やっぱり。

「不味いわ!クロノ、すぐに「大丈夫ですよ、リンディさん」どういうこと?」

 私はリンディさんの言葉を遮るように発言し、リンディさんは私の発言に疑問を持ったのか首を傾げます。

「言葉の意味ですよ、それに……」

「幸夜さん、暴れ足りないらしいから最悪、巻き込まれるわよ」

 私の言葉を繋げる様に霊夢さんが発言します……むむ、流石、元夫婦だけありますね。で、ですが、私はお姉ちゃんなのです。霊夢さんも知らない癖を私は知っているのですよ!

フハハハハハハハ!

「基本ネタ発言するときは、欲求不満な時なのよね~」

 なん……だと……orz

「み、美鈴さん。大丈夫ですか?!」

「え、えぇ、ちょっとした絶望を味わっただけですから、大丈夫ですよ」

 クゥゥゥゥ、憎い、霊夢さんが憎い、若干ドヤ顔している霊夢さんが憎い!

「それに、幸夜さんが言ってくれたもの……霊夢さんは実の家族より僕のことを理解してくれてるよねって」

「ゴハッ!」

「にゃっ?!美鈴さんが血を吐いて真っ白に?!」

 とんでもない発言を聞いた瞬間、私の視界がブラックアウトした……。

 

~sideout~

 

 

~side幸夜~

 

 

 何故だろうか……今、身内がとんでもなく恥ずかしい醜態を晒しているような気がするのだが?

【たぶん気のせいですよ】

【気のせいじゃ、気のせいじゃ】

 本当に気のせいだろうか?まあ、気にしたら負けと言うやつだな……さて、殺りますか。

 私は目の前にいる傀儡共に視線を向ける……。

「初めはこれで行こうか……星符《流星群》」

 スペルカードに埋め込んでおいた星占術の術式を発動し、億の魂を百の流星として降らせ、その圧倒的魂の質量で傀儡共を粉砕していく。

「ほう、まだ傀儡共は増えるか……なら、つぎはこれだ」

 流星群によって潰された分を補うかのように増えた傀儡共を見て、私の気分が高揚する。フフフ、なら次はこれだ。

「怒りは短い狂気である     自然に従え」

Ira furor brevis est. Sequere naturam.

 

 無数の星々を掌大にまで凝縮して傀儡共に向け弾け飛ばし、宇宙規模の大熱波を発生させ、増えた傀儡共を業火によって塵にする。

【ちょ、ちょ、ちょっと幸夜、殺り過ぎじゃないですか?!】

【これはオーバーキルと言うものではないか、お前さん?!】

【こ、幸夜、これ以上は危ないよ!】

 ふはははは、何も聞こえん、聞こえんぞ!!

「このようにして星に行く 厳しい法であるが、それでも法である」

Sic itur ad astra.      Dura lex sed lex.

 

 次はグレート・アトラクター……銀河吸収面体の大激突を発生させ、この空間内にできた超重力で傀儡共を押しつぶす。

【【【もうやめて、傀儡兵たちのライフゼロよ!】】】

 次は何にしようか?グランドクロス?暗黒天体創造?素粒子間時間跳躍・因果律崩壊?と、考えていると……。

「ごめんなさい、幸夜さん。遅れたわ」

「いやいや、もう少し遅くでも大丈夫だったさ」

 霊夢さんたちが転移魔法で来ていた……それより、姉さんの表情が暗いのは何故だ?

「な、なあ、霊夢さん、何故、姉さんはあそこまで表情が暗いんだ?」

「それは……」

「幸夜!!」

「きゅ、急にどうしたんだ姉さん?」

 霊夢さんの声を遮りながら、姉さんは僕と霊夢さんの間に割り込むようにして入り、私の肩を強く握る。

「こ、幸夜は、幸夜はお姉ちゃんのことがギライナンデズガァァァァァ」

「ほ、本当にどうしたんだ?」

 いきなり号泣し、人の服に鼻水を付着させる姉さんに若干引くと……。

「やっぱり、ギライナンデズネェェェェェ……ウワァァァァァァ!!!!!!!」

 ……いやほんと、どうしてこうなった?てか、姉さん周り見て、なのはとかクロノとか霊夢さんたちが引いてるから、顔を引き攣らせてるから。

「姉さん、私は姉さんのこと嫌いじゃないから」

「ぼ、ボンドデズカ?」

「ああ、むしろ大好きだよ」

 なるべく笑顔で本心を言う……私はシスコンなんだ、姉さんのことを嫌いになるわけないじゃないか。

「幸夜、幸夜、もう一回、もう一回だけ言ってください」

「え?まあ、良いけど……姉さん、大好きだよ」

 もう一度、笑顔で言うと姉さんは顔を俯かせる……ど、どうしたんだ?

「ふ、フフフ、フフフフフフフフフフフフ」

 こ、怖っ?!え、本当にどしたんだ?

「音符《ペザンテ》」

 姉さんが顔を俯かせながらスペルカードを発動すると、複数の音符型の弾幕が傀儡兵に向かっていき、弾幕が傀儡兵を押し潰す。

 そして、髪に付けているリボンを解き、リボンを世界調和槍(ワールド・ハーモニクス・ランス)へと変える。

「フフフ、こんな傀儡ども排除して、あの変態を潰して……今回の事件を早く終わらせて幸夜をギュッとするんだァァァァ!!」

「幸夜さん……」

「お願いだ、何も、何も言わないでくれ……」

 変なことを叫びながら傀儡兵の大群に突っ込んでいた姉さんを見て、霊夢さんが私の肩に手を置き、何とも言えない表情で此方を見てくる……。何か本当にすみません……。

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