A lot of world~全て遠き理想郷~   作:紅 幽鹿

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第8話~もう一人の魔法少女~

 私の目の前には、死んだ男達の死体がある……。

 私はその死体を壊し続ける……。

 死ね……。

 死ね、死ね……。

 死ね、死ね、死ね……。

 死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね!!

 この男達は、家族の『愛情』がある『高町家』を壊そうとした……こんな人間(ゴミ)は要らない!!

 この世から醜く消えてしまえ!!!!!!!!!!!!!

 

~~~~~~

 

~~~~~~

 

「幸夜、起きなさい。幸夜」

「……姉さん?」

 私が夢から覚めると、腰に届くほどの長さの銀髪、少し幼さが残る顔に金と紅色の虹彩異色(オッドアイ)をした女性……私の姉の『八雲(やくも)美鈴(みすず)』の顔が見えた。

「おはよう姉さん」

「おはよう、幸夜」

 私は姉さんに挨拶をする。

「幸夜、今日は『月村家』に遊びに行く約束でしたよ」

 そうだった……確か私は姉さんと一緒に『月村家』のお茶会に行くんだった……。

 なのは達曰く「前回、サッカーの応援に来なかったから、絶対に来てね!」だそうだ……。

 なのは達は私と仲良くしたいのか、こう言うことに積極的に誘ってくる……。私はなのは達と仲良くなるつもりなのないのだが……。

 私は『悪(クズ)』だ……私の様な奴がなのは達と一緒にいてはいけないのだ……。だが、私がそれでもなのは達と共に行動するのは、私が『悪(クズ)』だと知らなくても……『友達』と言ってくれるからなのだろうか?

 それとお茶会に参加する理由はもう一つ……。

 私がお茶会に参加するのは、急に魔力を持ち始めたなのはの事が気になるからだ……。

 

 

~~~~~~

 

~~~~~~

 

「美鈴様、幸夜様、いらっしゃいませ」

「私達が最後ですか?」

「はい」

「そうですか」

「では、こちらにどうぞ」

 月村家に来た私達を迎えてくれたのは、月村家のメイドの一人『ノエル・K・エーアリヒカイト』さんだ。

「私は忍達の所に行きますから、幸夜はすずかちゃんの所に行ってなさい」

「わかった」

 姉さんは、ここ月村家の『当主』で、すずかの姉で恭也さんの『恋人』の『月村(つきむら)忍(しのぶ)』さんの所に向かい、私はノエルさんに案内された場所に向かう。

 そして、目的の場所に到着した私が見た光景は……。

「お待たせしました!お紅茶とクリームチーズクッキーでー……えぇぇぇぇぇ?!!」

 月村家のメイドの一人『ファリン・K・エーアリヒカイト』さんの周りを猫とフェレットがくるくる回り、ファリンさんもなぜか一緒に回るという光景に遭遇した。

 そして、ファリンさんはバランス崩して倒れそうになり……む、紅茶が。

「フン」

「危ない、危ない」

 私は地面を思いきり蹴ることで、その場から加速した状態で移動しファリンさんの体を支え、何故か『前世』と同じメイド服を着た咲夜が紅茶トレイを支えて救出した。

「こ、幸夜君!何時の間にいたの?!」

 私がいたことになのは達が驚く……まあ、地面を蹴って移動するあの動き方をしたらなのは達には『瞬間移動』したように見えるから仕方が無い……。

 ちなみに、さっきの移動では『魔力』も『氣』も『霊力』も使っていない、ただの身体技術だ。

「先程来たばっかりだ……他のみんなは?」

「霊夢は神社で巫女の仕事、妖夢は住んでいる家で庭師の仕事、魔理沙は……キノコ狩りに行っているわ」

 私の問いにアリサが返答する。

「幸夜君、それよりも座ったら?」

 私はすずかの言葉に従い椅子に座り、なのは達と一緒に紅茶を飲む……ふむ、良い匂いだ……。

「ねえ、こんな時に言うのは場違いかもしれないけど、此処にも出たらしいわよ」

「出たって何が?」

 アリサの言葉になのはが首を傾げながら聞く。ふむ、一体何が出たんだろうな?

「ほら、朝のニュースでやってたじゃない?」

「もしかして、隣町の川神市に出てた通り魔が鳴海市に出たって言うニュースのこと?」

「そう、それよ!」

「………」

「幸夜君、どうしたの?」

「いや、何でもない」

 咲夜の無言のジト目を正面から受け、少々居心地が悪くなっているのを感じていると、少し態度に出てしまったのか、なのはを心配させてしまった……。

 アリサにすずか……すまん、それは私だ。

 あの時、あまりにも怒りを感じてしまった私は、男達を一人残らず『拷問』によって殺し、その後、遺体の全てを悲惨な姿に変えた後に、男達の遺体をどこかの路地裏に放置、そのまま帰宅すると言う暴挙に出てしまったのだ。

 クソッ、あれは零崎紅識として殺人ではなく、八雲幸夜としての殺戮だったのだが、死体を残すなど……。だが、あれはあれで、『龍』とか言う奴に対しての『警告』と言う事で良しとするか……。

 そんなとき魔力を感じた。この魔力……あの宝石か?

 すると、なのはとフェレットがキョロキョロし始め、その様子を見た咲夜が溜息をつき、急にフェレットが走りだす……。

「ユーノ君!」

「なのは、転ぶわよ」

 なのはも立ち上がりフェレットを追いかけ、それに続くように咲夜がなのはを追いかける……。

 これで確定だな……。なのは達があの宝石に関与している。

 さて、私も行くか……。

「すずか達、少し悪いが姉さんの所に行ってくる」

「どうしたの?」

「何、姉さんに預けものをしていたのを思い出してな」

「そうなんだ、いってらっしゃい」

 すずかとアリサの言葉に軽く手を振りながら屋敷の方に向かう……と思わせて、裏庭の方に向かう。

 さて、これでどうするか……さすがになのは達にバレるのは不味い……もう、私の私服自体が怪しさ全開のだがな……仕方が無い、あれを使うか……。

 

「形成(イェツラー)―― 黄金聖餐杯(ハイリヒ・エオロー)」

  Yetzirah――     Heiliger Eolh

 

 次の瞬間、私の肉体は『黄金の獣』と敵味方から怖れられ、聖遺物の資格を有する素体とまでなった人物の肉体へと変わる。

 私はそのまま走り続け、なのは達に追いつくと同時に、フェレットが結界のようなものを張る。

 やはりなのは達は『魔法』に関与していたのか……。

 そんな事を考えてると魔力が膨れ上がり、光が溢れる。

 警戒を強め、光を睨む。

 そして光が収まりそこに現れたのは……巨大な猫。

「ヤバい、あの猫持ち帰りたい」

 目の前の光景につい本音が出てしまう……。たしかあの猫は、先程フェレットを追いかけていた子猫だ……。

 一体何がどうなればあんなにでかくなる?

「……とりあえずは様子を見るとするか」

 さすが今の状況では手を出そうとも思わない。

 なのはと咲夜とフェレットもこれには予想外だったのか呆けた顔をしている。

 しばらくなのは達の様子を観察していると、別の魔力反応を見つけた。

 私は魔力反応のあった場所に視線をやると……。

 電柱の上に少女が一人と森の中に狼が一匹いた……。

 なのはが服の中から赤い宝石を取り出そうとした瞬間、電柱に立っていた少女が放った黄色い閃光が猫に直撃した。

 なのは達もはじめは驚いていたが、なのははすぐに魔法少女のような格好になり、空を飛び、なのはともう一人の少女は互いに杖を向けあう。

 そして、電柱の少女の杖が鎌の形状に変化して戦いが始まった。

「……そろそろ止めるか」

 咲夜の『能力』を使われたら、電柱の少女は敗北するし、結構危険なことになるかもしれんしな……まあ、どうでも良いが。

「とても素晴らしい劇の最中ですが、少し邪魔をさせていただきますよ?」

「「なのは!」」

「フェイト!」

 私の声を聞いた瞬間、咲夜とフェイトと呼ばれた少女と森から出てきた赤色の狼はこちらを警戒する。

「貴方、誰ですか?」

「私の事は『神を運ぶ者』……『クリストフ・ローエングリーン』とお呼び下さい。その宝石に少し興味がありまして、頂きに参りました」

 私の言葉にフェイトがデバイスを構え、狼は唸り声をあげる。

「そうはいきません。バルディッシュ」

「イエッサー。サイズフォーム。セットアップ」

 フェイトの言葉と共に杖が応え、杖が再び鎌に変化する。

 フェイトが一気に踏み込み、鎌を振り下ろす。

 ……だが

「無駄ですよ」

「くっ!」

 鎌で攻撃された私の肉体は無傷で、私はフェイトを蹴る。

「このっ!!」

 赤い狼が私に飛び掛かるが……。

「だから無駄と言っているのです」

 赤い狼に攻撃されても、私の肉体は無傷だ。

「なら、これならどう?!」

 次の瞬間、私の周りをナイフが取り囲んでおり、そのナイフが私の体に降り注がれ、辺りに土煙が舞う。

「さ、咲夜ちゃん!な、何してるの?!く、クリストフさんが……」

 なのはが驚いたような表情で咲夜に聞き、私がナイフで串刺しになった所を想像したのか顔を青褪める……。

「なに甘いこと言ってるの!!こいつは危険よ!殺す気で行かなきゃ私達が殺られるわ!!」

「そこのお嬢さんの言う通りですよ」

「「「「「ッ?!」」」」」

 私は服に付いた土を払いながら話す。

「『聖餐杯は壊れない』……それと、そこのお嬢さんのようにある程度の『覚悟』が無ければ、この劇からはご退場することをオススメしますよ……では、宝石を頂きましょうか」

 私は服から、ムルムルが管理している魔導書の一冊を取り出す。

「我は気高き悪で、欲望の悪魔なり」

 私が呪文(キーワード)を言うと、本から黒い光が放たれ巨大猫の体内に浸蝕すると同時に猫の体は元の大きさに戻り、その猫の上には、黒い紐状のようなもので縛られた宝石が浮いていた。

 私が使った魔導書は『七つの大罪』と言うシリーズの一冊で名前を『マンモン』

 マンモンとは『強欲』を司る悪魔で、この本にはその悪魔が封印されており、この本の持ち主の欲を満たすのがこの本の能力だ。

 私は今回『猫の中にある宝石が欲しい』と言う欲望で、本の能力を使い、宝石を取り出したのだ。

「では私はこれにて失礼します。」

 私はなのは達に背を向け、この場から立ち去った……ように見せかけすぐ近くの木の陰に隠れ、聖遺物を解く。

 なのは達がその場から去ったのを確認し、私はフェイトの方に向かって走り出す……。

 私が走り続けると……。

「……いた。『創造開始(クリエイト・オン)』」

 私は走りながら、刃が潰れたナイフを創り、そのまま跳躍する。

 そして……。

「ガッ?!」

「フェイト?!」

「そこを動くな、犬……動けばこいつの首を刎ねる」

「くっ!」

 私はフェイトを地面に組み倒した状態でナイフを首に近づけ、犬を脅す。

 ちなみに、ナイフは刃が潰れている為、首は刎ねれない……まあ、私の力なら首を刎ねれるが、断面が綺麗にならない……やっぱり首の断面は綺麗でないと……と、話が逸れた。

「私がする質問に答えろ、そうすれば殺さない」

「……答えなければ?」

「結果は分かっているだろう?」

 私はフェイトの首にさらにナイフを近づける……。

「わ、分かりました」

「では、まず最初の質問だ……あの宝石の名称は何だ?」

「あ、あれは『ジュエルシード』と言う名前です」

「では、その宝石の能力は何だ?」

「ね、『願いを叶える』能力です」

 願いを叶える?……なるほど、だから猫やネズミが大きくなったりしていたわけだ……だが、くだらない。願いを叶える宝石?そんなもの唯の『ゴミ』でしかないだろう。『願い』とは『叶えられる』物ではない、『叶える』ものなのだ……それに『宝石』に願いを託すなど……くだらない。

「では、どうしてそれを集める」

「そ、それは言えません……」

「そうか……」

 私はフェイトの表情を見て、それ以上聞くのを止め、ナイフを退けてからフェイトを立たせる。

「では、最後の質問……否、お願いか?」

「な、何ですか?」

「私と協力関係を結んで貰いたい」

 

~sideout~

 

~sideフェイト~

 

「私と協力関係を結んで貰いたい」

 狐面を付けた人物の言葉に、私と『アルフ』の思考が停止する。

「何、ふざけたこと言ってるんだい?!」

 アルフが声を上げて、拒否しようとするが……。

「これならどうだ?」

「「なっ?!」」

 私達は、狐面を付けた人物の取り出した物に驚く……狐面を付けた人物が持っている物は……

「ジュエルシード?!」

 アルフが驚く。彼の手の中には封印状態のジュエルシードが二つあったからだ。

「これをやる。その代わり協力しないか?」

「どうして、そこまで協力したいんですか?」

 私は疑問を狐面を付けた人物にぶつける……

「なに簡単だよ……もう二度と奪われたくないだけだよ」

 狐面を付けた人物の言葉を聞いた瞬間、私とアルフは黙った……。

 そして、何故かはわからないけど。狐面を付けた人物が仮面の中で寂しそうな表情をしたように見えた……。

「アルフ……この人と協力しよう?」

「なっ?!フェイト、何言ってるんだい?!さっき、あんなことされただろう!?」

「そうだけど……アルフ、この人なら信用できると思うんだ。それに……」

 この人は、わたしが生まれる前から知っているような気がする……。

 私の言葉にアルフが諦めたような表情になる。

「私達はあなたと協力します」

「フェイトに変なことしたらガブッといくからね!!」

「ああ、これからよろしく」

 狐面を付けた人物と私は握手をする。

 あ、そうだ……肝心なことを聞いてなかった

「あの~……あなたの名前は?」

「私か?私は八雲幸夜だ」

 私達と幸夜はこうして協力関係を結んだ。

 




変更点

・お茶会での会話です

これからもよろしくお願いします!!
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