紗南とP
2人だけのゲーム

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思い切って紗南SS書きました
拙者三好紗南にまだ疎い故キャラ崩壊注意であります


禁断のゲーム

「クソっ!なぜ当たらない!?」

 

「あははっ!プロデューサーさんの攻撃はもう掴んだよ!」

 

三つ編みの少女はペロッと舌を出しにっこりと微笑む。それと同時に撃墜音が流れ「YOU LOSE」の画面が表示される。

この隣に座る三つ編みの少女は三好紗南

以前四国に出張に行った際にゲームセンターでスカウトした女の子だ。まあゲームの腕がすごいのなんのでこれまでの対戦成績は36戦10勝26敗、インクのぶっ掛け合いならまだ戦えてはいるが格闘ゲームとなると未だ勝てたことがない。撃墜ならしたことがあるがそれでも2:1交換なのでいつも負ける。

 

「かーっ!今日も俺の負けかぁ....」

 

「プロデューサーさんのパターンは読みやすいんだよね。なんて言うかすぐ飛びかかってくるし」

 

おっしゃる通り俺が使うキャラクターは近接格闘が得意なボクサー、対して紗南の「本来の」使うキャラはぴょんぴょんと飛び跳ねる忍者、普段はこちらに合わせて遠距離攻撃がないキャラで戦ってはくれているのだがこちらの反応が遅かったりコマンドミスして撃墜を逃したりなどをしてしまう

 

「それと近づかれたらすぐカウンター構えるのクセになってない?」

 

言われてみればいつもカウンターを構えて掴まれ投げ飛ばされている。まぁそれじゃあ勝てないわな

 

「そうか....今度から気をつけなきゃな....

あ、それとやりたがってたゲームの仕事持ってきたぞ」

 

「ちょっと!それ先に言ってよ!」

 

ぷくーと顔を膨らませ半目でこちらを睨んで(?)いる。まあなんとかわいらしいことかいくら睨んでも『紗南が』と付くことでかわいさがに努力値が振られてしまう。かわいいかわいいとてもかわいい

 

「んでだ、今日はその仕事の一つをやってもらいたい。と言っても対象が深夜の衛星放送だから多少なりと上の層を狙ったものだがな」

 

そう言いながら机の引き出しから四角い箱を取り出す。箱はプレゼントボックスのようにラッピングが施されてあった

 

「あけていい?」

 

もちろんと答え、紗南はラッピングを丁寧に解く

中に入っていたのはファ〇リー〇ンピュー〇と極悪極まりないゲームがあった

 

「....」

「....」

「プロデューサーさん、一つ聞いていい?」

「....なんだ?」

「これ、通常プレイ?」

「すまん、RTAだ」

 

その刹那、彼女はそのゲームソフト目掛けて飛びかかった。その手はグーに握られその目は殺意に満ちていた

 

「やめろ!壊す気か!?」

 

羽交い締めにされた彼女は空中でジタバタともがく。なんというか普通に見れば駄々っ子のようでかわいさがあるが目の前に広がる巨悪を前にしてはしょうがないかなとも思える

 

 

───────────────

 

 

 

「落ち着いたか?」

 

ソファに座りぐったりとした紗南は隣の俺に寄りかかる

 

「なんでよりによってあれなのさ....」

 

あれとはおそらくあのソフトとそのルールについてだろう

 

「実はリクエストなんだ....」

「えぇ....まさかそのテレビ番組の」

 

「いや、俺だ」

 

少し間をおいてぽかぽかという効果音が似合いそうな拳を叩きつける。頬はフグのように膨れていてめっちゃかわいい。かわいい(最重要事項)

 

「なんで!?プロデューサーさんはあたしのこと嫌いなの!?」

 

「いや、むしろ好きなんだが?」

 

「ボン」と水蒸気爆発が起きたかのように顔が紅く染まる

 

「なっななななっななにを言ってるのプロデューサー!?」

 

口をぱくぱくと魚のようにしている。何この生き物めっちゃかわいいじゃん。せっかくだから少し遊ぼうか

 

「いや、俺の担当はかわいいなぁって」

「....////」プシュー

 

真っ赤になった、のか?顔を俯かせそのまま立ちつくしている。と思ったらいきなり動き出し箱を手に取った

 

「や、やるんでしょ....?撮影」

 

「おう、今週末スタジオ押さえてるからそこで集合な」

 

カセットと本体を持ち部屋を出ていった。なんというかやっぱりゲームしている真剣な顔はカッコイイけどもこういう所は女の子なんだなと思った。かわいいと褒めれば照れるし

 

紗南が部屋から出て約30分、ブロマガに撮影のことを載せた。放送日はおそらく再来週くらいになるだろうから放送予定日も載せる。まあアイドルが出るとなると衛星放送だろうとも見ようとするファンはいるだろうしその契約加入者狙いなのだろう。

更新が終了した後に新しくブラウザを立ちあげる。そこには三好紗南ファンクラブと書かれていた。更新の確認をするためというのもあるが「スカウトした時からファンだから1号は俺だ」が信条というか、まあつまり会員No.1なのだ。確認したところ更新はスムーズに進んでいた。問題は収録なのだがどのくらいかかるか、一応念のため1日貸切にはしてあるが紗南のRTAの腕前を俺は知らない。チャートはあるだろうしあの反応からするに過去にやったことがあるのだろう。それでなければあの過剰な反応はないはずだ。

 

 

───────────────

 

 

「はぁ....」

 

あたしは寮で1人頭を抱えていた。目の前にはあの忌々しい記憶を蘇らせるものがあった。寮に引っ越して初めてやったのがこのゲーム、時間を持て余していたため気になっていたこれをプレイしていたのだが、それこそが地獄だった

 

「なんで受け取っちゃったんだろ....」

 

本音を言うと逃げ出したかった。プロデューサーさんがいつもあたしをからかう時のトーンとは違った。本気で言っているのか、それはそれで嬉しいけど....同時に恥ずかしさもある。なんというか、胸が少しドキドキしている

 

「ずるいよ....プロデューサーさん..」

 

ぷにぷにと自分の胸部に触れる。年相応だと自分で思ってはいるが周りの同い年では神崎蘭子、年下だと大沼くるみがいる。あの2人は例外だとしても背は小さいしプロデューサーさんとの年齢も離れている。プロデューサーさんにとっては年の離れた妹か娘にしか見えないのだろうか。そう考えるだけで胸の奥がキュッと締め付けられる

 

「ピコン!」

「うひゃあ!?」

 

携帯の通知音が鳴る。いつもはそこまで驚かないはずなのに今日に限っては何故だが突き刺さってくる。開いてみるとプロデューサーさんからきていた

 

『急にすまん。あの仕事を頼んでしまって本当にすまん。お詫びと言ってはなんだが今日これから食事でもどうだ?』

 

時刻を確認すると今は5時くらい、買い物がてら夕飯にするには丁度いい時間だった。慣れた手つきでパネルを操作し返信メッセージを送る。ちょっとドキッとしたけど何を着ていこうか....いや、いつも通りに行こう。その方が自然じゃないか

普段通りの私服に着替えて変装用のメガネを掛け、荷物を少しまとめる。それから少し早歩きで指定された集合場所に向かった

あれっ....?これって....デ、デート....かな?

そう考えるとまた顔が熱くなってきた

 

 

───────────────

 

 

「さて、と」

 

メッセージのやり取りを終えた後はパソコンの電源を切り自宅へと急いで帰った。忙しいイベントが昨日に終わり今日は珍しく定時で帰ることが出来たのだ。紗南の事だからおそらくいつもの私服で来るだろうしこちらも普段通りに行こう。楽な気持ちでささっと服をチョイスしシャワーを軽く浴びて着替える

 

「施設内にゲーム屋があるからそこは寄るとして....」

 

珍しくおおよそのコースを考えていた。いつもなら気分で「ここに行こう!」とふらふらしているのだが今日はお詫びの意味もある。しっかりとエスコート(?)しなければと考えていた

 

移動の時でもスケジュールチェックは欠かさない。紗南以外の担当アイドルの予定もしっかりと組まなければならないからである。まあその中で一番手がかからないが難しいのが紗南なんだが....

仕事を取ってきても「あたしとゲームに勝ったらね!」だと言い始めるからだ。まあそういう時に限って勝ててはいるのだが....なんというか気まぐれ猫ちゃんみたいに思えてくる。かわいいという面では否定しない。実際かわいいからな

しかし紗南は俺のことをどう思っているのだろうか....

今日もからかいまくったし....紗南にはクソゲーを投げることよくしてるし....

もしかして精神年齢小学生のめんどくさいおっさん(23歳)って思われている!?

事実そう思われていたらショックで寝込む自信がある。だってアイドルのファンがそのアイドルから名指しで嫌われたら生きていけないからな。でも....いつも通りやるしかないんだ

うだうだ考えるのはやめて集合場所に向かおう

目的地はすぐそこだ

 

 

───────────────

 

 

「遅いなぁ....」

 

集合時間5分前、気がつけばいつの間にかそこについていた。事務所以外で会うのはほぼ無かったので余計緊張している。まるで初めてスカウトされた時のように

自分の服装をもう一度確認する

シワになっていない、変な違和感はない、髪型も崩れていない

よし、大丈夫....だよね?

 

「早いな」

 

気がつけば目の前にプロデューサーさんがいた。しかも少しニヤニヤして

 

「なんだなんだ?おしゃれをしてきてくれたのかな?」

 

まあ人前だからね、とありきたりな返事をする。プロデューサーさんは笑顔で「そうか」と言ってくれた

これは『どっち』なんだろう

 

 

「いや〜レトロなゲームも沢山あって楽しかったな〜!」

 

ゲーム屋から出てきた紗南はえらくご機嫌だった。にっこにこしている

 

「連れてきて正解だったな。でもよかったのか?何か買ってやるって言ったんだが」

「へへっ、いいのいいの!ありがとうね!プr....あ、いや....お兄ちゃん」

 

外ではプロデューサーさんのことをお兄ちゃん呼びすると決めた時は凄く恥ずかしかったと同時に、少し悔しかった

やっぱり『妹』なのかなって、そう認めてしまう自分がいた

 

ゲーム屋の次は食事に向かった。と言ってもそんな高級店じゃなくてファミレスみたいなところ。気軽だしまぁいいかなって

 

「食いたいもん頼めよ〜?」

 

メニューとにらめっこする。今日はプロデューサーさんの奢りだから少し高めのものを頼んじゃおっかなって

コールボタンを押すと店員さんがやってきて注文をとってくれた

 

「あれ?佐野か?」

 

隣のテーブルから声がする。振り向くとその人はプロデューサーさんの方を向いていた

 

「おお!久しぶりだな!まさかここで会うとはな!」

 

たぶん昔の友人かな?すごく仲が良さそう

 

「あれ?お前妹なんかいたか?」

 

あたしの方を指さしてそう言う。しまった....昔からプロデューサーさんを知ってる人には妹作戦は通じない....

 

「いや、まあなんていうか....」

「あぁ、彼女か」

 

「「ふぇっ!?」」

 

驚きのあまり声がでる

かかかか彼女!?!?

身長差だって20cm以上あるし年齢も離れているのにか、彼女!?

で、でもそう言うってことはそう見られているってことだよね....?

 

「ばっ、お前」

「まーまーそうカッカするなって、俺には分かるぜ?彼女さんめっちゃかわいいもんな」

「あ、ありがとうございます....」

 

顔が見られない。プロデューサーさんの彼女になった(旧友談)と考えると恥ずかしくてプロデューサーさんの顔を見ることができない。というか全身が熱い。自分でも心臓がドクンドクンいってるのが分かるくらいにはドキドキしている

 

「ありゃりゃ、こりゃあお邪魔だったかな?大切にしろよ〜」

 

声の主はテーブルから遠ざかって行った。たぶん会計なんだろう。

それよりもテーブルの空気が少し重くなった

2人が無言になった時料理が運ばれた。間が悪いと言うべきか

リセットできたと考えるべきか

 

「た、食べようか」

「う、うん....」

 

 

ファミレスの件以降少し気まずい。彼女って言われて意識しないでいられる?いや、できないでしょ

でもそう見えてるってことだよね....?考える度に少し頬が緩んでしまう。うぅ....こんなのキャラじゃないのになぁ....

服屋、雑貨屋、etc....

いろんなお店を回ったけど最初ほど会話は続かなかった。プロデューサーさんも少し意識しているのかな....?

外は冷たい風が吹いていたけどそれも気にならなかった

 

 

───────────────

 

 

「んで、なんで付いてきてるんだ?」

 

紗南1人で帰らせるのは危なかったので寮に向かったはずなのだが紗南はその後もずっと後ろをついてきていた

 

「実はさ....今日泊まるって言ってあるんだよね」

「はぁ!?」

 

え、泊まりに行くの?え、誰の家?あっ、俺の家か(超速理解)

じゃねぇよなんでよりによって俺の家なんだよ!

友達の家ならともかくなんで異性の家に泊まりに行くとか言ってんだこいつは....

 

「あのな?アイドルがそう簡単に男の家に上がり込むんじゃあないよ....不純異性交友とか少しはきn」

「プロデューサーさんは....そういうことしたいんだ....」

 

いや、そういったつもりで言ったんじゃないが....てか待て俯くな顔を赤くするな!

もう家の前ついちゃったし....え、これ上げるべきなの?

 

「ダメかな?」

「....わかった、だからそんな子犬のような目で見るな....」

 

かわいすぎかよこいつ....

あれ?でも無警戒とはいえ部屋に上がらせてくれって言うことは俺のことを嫌ってない?むしろ信頼されてる可能性すらある???

ドアの鍵をあけて部屋に入る。少なくとも客人を想定したものではないので家具などは最低限のものしかない。ゲームを除いては

 

「まず何からやろっか」

 

隣にいたはずの紗南はゲームソフトがしまってある棚に引っ付いていた。こういった姿を見ているとなんというかいつもの紗南だなって少し安心する。買い物中の紗南もめっちゃかわいかったけど

1本のソフトを手に取り、見せる。紗南はニヤッとして

「覚悟はいいんだね?」と聞いてくる。「愚問だな」

 

 

「だーかーらー!!!擦り付けやめてって言ってんじゃん!」

「バーロー!これが戦略ってもんだ!」

「でも陰陽師はずるいよ!卑怯だよ!」

「ハーッハッハッハッ!勝者こそが正義だ!」

 

桃電をやるといつもこうだ。それでも俺はこの時間がとても心地いい。年の差なんて関係なく本気でゲームを楽しめるこの時間が本当に大好きなんだと実感する

と、紗南のラストターン、資産の差は2兆5000億と俺が4兆7000億

 

「紗南!お前のターンはこれで最後、資産の差は約二倍....俺の勝ちだ!」

 

にやり、紗南はそう笑った

 

「何勘違いしてるのプロデューサーさん....あたしのターンはこれからだよ!二刀流カード!」

 

二刀流カード、1ターンのうちにもう1度行動を可能にするカード

だがそれだけでは勝てないはず....

 

「行くよ!目指すは....?港!」

「ま、まさか!?」

 

 

結果は....負けた

最後の最後で希望をかけた資金2倍化を2回行うことによって紗南の持ち金は4倍となり、俺は負けた

とりあえずお願いは2人とも風呂に入ってから

そう紗南が提案してきた

 

「さっきの約束、覚えているよね?」

 

このゲームをする前に1つ、約束をした

『負けた方は勝った方の言うことを1つ叶えること(無理のない範囲で)』

 

「くっ....好きにしてくれ....」

 

ちくしょう....負けたもんは仕方がない....エア〇イドだろうが買ってやる!男に二言はねぇ!

 

 

───────────────

 

 

勝っちゃった....

「負けたくない」

その一心で2連続2倍化を狙ったけど本当に出るとは思わなかった....

 

「さっきの約束、覚えているよね?」

 

そうは言ったものの本当にあれを言うべきなのか悩ましいことではある。なによりあたしが恥ずかしいし....無理のない範囲でと最初に決められているから下手したらプロデューサーさんに拒絶されてしまうかもしれない。そうなったら....どうしよう....

 

「くつ....好きにしてくれ....」

 

ちらっと顔を見ると覚悟を決めているようにも思える。きっとあたしのことだから高いゲームソフトを買ってって言うと思ってるのかな

でも....プロデューサーさんが覚悟を決めたなら

あたしも覚悟しなきゃね....

 

「(ゴニョゴニョ)たい....」

「....え?」

「....たいの....」

「す、すまん、もう1度言ってくれるか?」

「プ....プロデューサーさんと....その....一緒に寝たい!」

 

あっ、そう思った時は既に声に出ていた

力んで閉じていた瞼を恐る恐る開けるとプロデューサーさんはびっくりしたようで絶句していた

 

「や、やっぱりダメだよね....ごめん....」

 

「いや....むしろ俺でいいのか?」

 

「プロデューサーさんじゃなきゃあたしは嫌だな....」

 

今まで思っていても出なかった言葉がすらすらと出てくる。さっき勢いで言っちゃったけど1回言ったからもう心が楽になっちゃったのかな....?

 

「そ、そうか....わかった」

「いいの!?」

「いいぞ。男に二言はない」

「う、うん....」

 

顔が熱を帯びるのを感じる。

あぁ、赤くなってるんだろうな....

胸もドキドキしている

呼吸が荒くなる

なにか言おうとしたけど考えがまとまらないや....

 

「....来いよ」

 

プロデューサーさんがソファに座り自分の膝を叩いている。たぶん座れってことなんだろう。誘われるようにプロデューサーさんの膝の上に座る。お、重くないかな....?

 

「重くないしいい匂いだぞ?」

「ひょえっ!?」

 

両腕があたしを抱きしめる。お腹と胸の中間、大体肘の辺りくらい。

背中からはプロデューサーさんの体温が感じられるし、これって後ろから抱きつかれて....

 

「....///」プシュー

 

ダメだ、あたしもうダメかもしれない。ゲームオーバーだ

『プロデューサーさんに攻略されちゃったよ』

脳内のあたしがそう囁く

首筋がくすぐったい。ぷるぷるっと体が震える

 

「ご、ごめん」

「ど、どうしたの?」

「なんていうかその....いい匂いがしたから....」

「匂いフェチ?」

「....たぶん」

 

みえた....プロデューサーさんの攻略ルート!

あんまりこういった恋愛ゲームとかやったことは無いけど多分これで大丈夫....だと思う

 

「プロデューサーさん....ベッド....行ってもいい?」

 

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"

言ってしまった

うぅ....言ってしまった

絶対変態だって思われる....

プロデューサーさんは抱きしめていた腕を離した。そりゃそうだよね....あんなこと言うあたしと一緒にいるほうが嫌だもんね....

 

「覚悟、できてるんだな?」

 

「....へ?」

 

プロデューサーさんの手が頭を撫でた。それと同時に膝の裏、太ももの辺りを持ち上げる。いわゆるお姫様抱っこだ

 

「えっ、ちょっ....」

 

「据え膳食わねば男の恥って言葉、知ってるか?」

 

あたしはその言葉を知っている。ちょっと前プロデューサーさんの机の中に入っていた小説で見たことがある。確か意味は....

思い出そうとした時ぼふんと少し乱暴に投げられる。柔らかさから察するにベッドの上なんだろう

 

「なあ知ってるか?13歳以下はアウトなんだ」

「えっと....つまり?」

「14歳は互いに同意があって真剣であればセーフってことだ」

 

そ、それって....そういうことでいいんだよね....?

 

「あたしは....えっと....」

「俺は紗南のこと好きだけどな、昼間も言ったけど」

 

唐突なカミングアウトに頭が真っ白になる。あれは冗談じゃなかったの....?そう思う間もなくプロデューサーさんは抱きしめてくる

 

「き、禁断の紗南ゲー....プレイしてく?」

 

これしか出なかった

 

しんとした空気が部屋を支配する。だが唯一プロデューサーさんはあたしを抱きしてめきた。鼻先をプロデューサーさんの匂いが漂ってくる

ぴくっと一瞬体が震えてくる

「これ以上はダメだ」

脳がそう危険信号を出してくる

離れなきゃ

脳がそう指示をしてもあたしの手はプロデューサーさんを抱きしめたまま動かない

プロデューサーさんの手が顎を撫でてくる。それと同時にもう片方の手が後頭部に回ってくる

あたしの初めて(ファーストキス)、あげちゃった

優しく触れたそれがあたしにはたまらなく愛おしいものになった

気がつけば自らプロデューサーさんを求めていた

優しかったものは次第に激しく、熱をもったものに変わっていった

少しずつ体が熱くなる。いや、もう体の感覚は口先に集中していた

少し離れるとたらぁっと透明な1本の線が垂れる

気がつけば数十回にわたって続けていた。だってこんなにも気持ちいいものだった知らなかったから

キュンとお腹が締まる感覚がする。同時に肩がぴくっと震えた

そしてプロデューサーさんはあたしを抱きしめながらこういった

 

 

「明日は寝坊だな」

 

 

 




読んでいただきありがとうございます
ます1つ
三好紗南がかわいい
キャラの下調べをしている時めっちゃ可愛いって思いましたもの
あと広がれPラブの輪


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