波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず@現在新作小説執筆中

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ハーレムパーティになったし、第二の波は俺の活躍で鎮めてやるぜ!

 しかしまあ、俺の武器はどうなったんだろうか? 

 ここ4日間の事情は全く分からなかった。

 現状、投擲具が指す波の時刻まで3時間も無い。

 メルロマルクの龍刻の砂時計に登録した記憶はないんだがなぁ……。

 

「そう言えば、俺の武器はどこにあるんだ?」

「お前の武器は国が管理している。どれも余人には使えない【魔剣化】を起こしているので、いずれは勇者様方に配る事になっていた」

「魔剣化……?」

 

 確かに、人間無骨は魔槍になっているが、親父さんに改造されて鳴りを潜めているはずだ。

 他の武器に関しては、そもそも魔改造しただけの武器に過ぎない。

 

「まるで、槍が他の武器に共鳴しているかの様だと、錬金術師が言っていたな」

 

 うーん、やはり俺の槍は呪いの魔槍だな。

 なんか納得である。

 もはやあの槍は俺でもよく分からない得体の知れないものと化していそうだ。目玉とか生えそう。

 そんな目玉が生えた気持ち悪い槍は流石に持ちたく無いけれど。

 

「……」

「なので、お前にはこの武器を使ってもらう」

 

 ライシェルはそう言うと、腰に差していた直剣を渡してきた。

 鞘から抜いて確かめる。

 これは兵士に一般的に支給されている剣だな。

 魔法鉄だろうか? 

 振ると、結構心許ない感じがする。

 

「え、これで?」

「そうだ。それがお前に許された武器だ」

「……拒否れば?」

「俺がその場で取り押さえ、お前はその命を捨てることになる。レイファと呼ばれる少女も、報いを受ける事になるだろう」

「……はぁ?」

「要するに、あの少女は人質という事だ。今回の出所も、彼女が槍の勇者様に嘆願した事により叶っているという事をゆめゆめ忘れるな」

「……チッ」

 

 これじゃあ確かに逆らえないだろう。

 レイファを失うことは、俺にとっても世界の終わりと同意義だからだ。

 クソッ! 

 リノアやレジスタンスの連中が心配だからって最後まで加担するんじゃなかった! 

 まあ、これも選択だ。俺にはレイファの期待を裏切ることは出来ないし、したくない。

 どちらにせよ、金剛寺に会ったことが運の尽きだったのだろう。

 

「もちろん、波の時以外にお前は彼女と会うことは禁じられている」

「……最悪だな」

 

 つまり、レイファは波の戦いに強制参加するということだし、戦場では会話など満足にできるはずもないので、実質国が強制的に俺とレイファを別れさせるということだろう。

 レイファが生きている限り、メルロマルクは俺という戦力を使うことができるし、仮に死んだとしても、メルロマルクは俺に嘘をついて延々と戦わせるだろう。

 ……ああ、最低だな。

 

「……君には同情するよ。だが、これが今までのツケだ。勇者様方が波からこの世界を救った暁には、君は釈放されるだろうな」

「……嫌な国だな。吐き気がする」

「……」

 

 裁判を受けていないので、これでも被疑者ではある。

 日本では、指名手配された人物が私人逮捕されたのと同意義だ。

 つまり、本来であれば保釈金を払えば裁判までの間は自由が保障されるべきだろう。

 封建社会ならではという事か。

 

「さて、モトヤス様とはここで待ち合わせだ」

 

 メルロマルク城前の門である。

 他の兵士が鎧を用意していた様である。

 

「貴様はそれに着替えると良い。そこの兵士が着替えを手伝ってくれる」

「はいよ」

 

 しかし、ライシェルさんは、あのアニメで出ていた傷の兵士の部下なのだろうか? 

 話は通じそうである。

 

「そういえば、鼻に傷のある兵士は……?」

「ん? 副団長の事か? それならば、マルティ様の護衛をしているぞ」

「……なるほどね」

 

 色々と混じってる気がする。

 書籍ルートであるのは間違いないみたいだが、アニメのみ登場の人物もいれば、web限定の人物もいる。

 まあ、今いる世界がどう言う世界なのかは分からないが、どちらにしても盾の勇者の成り上がりの世界に違いはなかった。

 

「うーん、動きにくい……」

 

 標準的な兵士の鎧は動きにくかった。

 ガシャガシャと音を立てている。

 やはり、親父さんの鎧の出来の良さを感じる。

 

「お、居るね!」

 

 と、元康とヴィッチが姿を現した。

 ヴィッチは興味なさげに()()()()()()

 そう、見ているのだ。

 

「……」

 

 正直、このナンパ野郎に任せるのは不安しかない。

 真・槍の可能性は未だに消えていないのだ。

 愛の狩人になった瞬間、レイファ達が抹殺されかねない不安がある。

 

「それじゃ、編隊だっけ、それを送るぞ」

「では、私にお願いします」

「オッケー」

 

パーティリーダーライシェル=ハウンドが北村元康のパーティと編隊を組みました。

 

 メッセージが表示される。

 

「よし、これで大丈夫だな」

「モトヤス様、他の兵士を勧誘しても大丈夫でしょうか?」

「ん? どうせ直ぐにこれるから不要じゃね?」

 

 次の波はババアの村だ。

 ここからならフィロリアルで2日、馬で1.8日、フィーロで1日ぐらいなはずだ。

 つまり、間に合うわけがない。

 だが、ここは黙っている方がいいだろう。

 沈黙は金だしな。

 

「……わかりました。モトヤス様のおっしゃる通りに」

 

 ライシェルが礼をすると、元康達は立ち去ろうとする。

 

「それじゃ、波でな」

「行きましょ、モトヤス様!」

 

 原作とは少しズレが生じるなと、俺はふと思い至った。

 1点目、第二の波にレイファ達が参加する事。

 これは明確な描写がないからなんとも言えないが、レイファを尚文が見たら、話の展開が若干変わる事になるだろう。

 2点目、もちろん、俺が勇者達と共に波に参加する事だ。

 錬、尚文が俺と会うと、それこそ一番態度が変わってしまう人物がいる。

 

 そう、錬だ。

 

 間違いなく、錬がなぜ俺が捕まっているのか、問いただすだろう。

 その場合、尚文が近くにいる以上、錬の暴走が始まってしまうだろう。

 そう、明らかに俺は物語に介入しすぎている。

 つまり、今回が一番のターニングポイントになりかねなかった。

 

「……頭がいたいな」

 

 ここを上手く乗り切らねば、極めてマズいだろう。

 俺が推察するメガヴィッチの目的を達成してしまうかもしれないからな。

 そう考えると、あのクエスト樹と共に受けざるを得なかったのはまさにメガヴィッチの策略だったのだろう。

 ここが転換点だ。

 ここを乗り切らなければいけない。

 

 俺は一人、策を練り続ける。

 錬がこの国にあまり不信を持たないようにし、書籍ルートに舵を戻せるタイミングはここなのだ。

 俺がこの先生き残り続けるためにも、是が非でも書籍ルートに辿り着かなければならない。

 例え、()()()()()()()()()()()、例え()()()()()()()()()()()()、この世界を守るため、メガヴィッチを消滅させるため、優先順位を見極めなければならなかった。




宗介のイメージ画像は次の更新で!
挿絵描いてもいいかもねー

質問の詳細
1、理不尽に負けず、理性を保って書籍の世界に行き着くようにする
2、何かの手違いが起きてweb化
3、考えを放棄して何もしない
4、カースシリーズの侵食を受け入れ、世界の破壊者になる
5、愛の狩人召喚

宗介は第二の波でどうする?(9/16 18:00〆)

  • なんとか書籍の世界に戻す
  • 手違いでwebの世界にしてしまう
  • もうどうにでもなーれ
  • だいたいわかった、この世界を破壊する
  • (俺の出番ですかな?)

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