ウタカタノ花   作:薬來ままど

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ワダツミの子。人や鬼に影響を与える声を持つ、青髪の女性。
かつては汐以外にも何人か存在し、その特殊な力故にある時は崇められ、ある時は迫害され、ある時は女故に欲望のはけ口にされ、力を悪用しようとする者たちもいたこと。
そのためワダツミの子の本能は、人の目から自信を逸らす特性を生み出し、自分が男に間違われるのはそのためだと汐は語った。

ワダツミの子の大まかを知っていた炭治郎も、その特性については初めて聞いたため、彼は悲しそうな顔で汐を見つめた。
その話が本当なら、汐の前のワダツミの子たちは今まで相当にひどい目に遭ってきたことになる。そう思うと、彼の心は酷く痛んだ。

一方、ワダツミの子という言葉自体初めて聞いた善逸と伊之助は、その突拍子もない話に呆然と汐を見つめていた。
その眼には驚きと同様が見て取れる。(伊之助は被り物をしているためわからなかったが)

「これがあたしが今知っているワダツミの子の話。信じられないだろうし気味悪いだろうけれど、嘘じゃない。あたしの声の事、あんたたちにも知ってもらいたかったの」

汐は真剣なまなざしで善逸達を見据えた。自分の秘密も、自分の今の気持ちも、すべて口にした。
微かに震える手を握りしめながら、汐は善逸達の反応を待った。

善逸は視線を泳がせ俯く。いきなりこんなことを言われて動揺するのは当然だろうと汐は唇をかみしめた。

だが――

「やっぱり、そうなんじゃないかって思ってた」
「・・・え?」

善逸の思わぬ言葉に、汐は驚いた表情で善逸を見つめた。そんな彼女に、善逸は笑みを浮かべながら口を開く。

「俺、初めて汐ちゃんの声を聞いたときに思ったんだ。この人は本当に【人】なのかって。ああ、変な意味じゃないよ!君の声を聞いていると不思議と怖い気持ちが和らいだり、勇気が出てきた気がしてたんだ。でも、今の話を聞いていて納得したよ」

善逸の言葉に、汐は呆然としながら彼を見つめた。

「確かに人や鬼に影響を及ぼす声なんて普通じゃありえないんだろうけど、俺だって耳がよすぎて気味悪がられたことが何回もあるんだ。だから俺は君の声を気味悪いなんて思わないし、君が正しくその力を使うって信じてる」

「善逸・・・」

ほほ笑む善逸に、汐は恥ずかしいのか目を伏せる。そんな二人をほほえましく見る炭治郎。

しかしそんな空気を壊すような声が、あたりに響いた。

「つまり、なんだ?どういうことなんだ?」

汐の話を理解していなかった伊之助が、善逸に言葉を投げかける。善逸は呆れたように頭を振ると、めんどくさそうに答えた。

「だから。汐ちゃんの声には俺達を元気づけたり、鬼を弱らせる力があるの。そんなことができる女の子をワダツミの子って呼ぶんだよ」
「はあ?なんでそんなことができるんだよ?」

善逸の説明で理解した伊之助が、汐に詰め寄る。そんな彼に汐は「知らないわよ!あたしだって結構後から知ったんだから」と答えた。

すると伊之助は特に驚きもせず「ふーん」とだけ言って立ち上がった。

「おい。ふーんってなんだよ。汐ちゃんが勇気を出して俺達に話してくれたんだぞ。他にいうこととかないわけ?」

善逸が咎めるように言うと、伊之助は不思議そうに首をかしげながら言った。

「他にってなんだよ?別にねぇよ。だってよくわかんねーし、それって何か悪いことなのか?」
「え?」

伊之助の問いかけに汐は思わず声を上げた。彼の言う通り、言われてみればワダツミの子であることを恥じる理由が特に思いつかないのだ。

「別にお前が何者だろうが、俺には関係ねえからな。それよりもさっさとさっきの全集中なんとかを俺は早くやりてえんだよ!」

そう言って伊之助は外に出ようとし、それを慌てて善逸が追いかける。伊之助の言葉は至極単純だったが、汐が無意識のうちに作っていた彼等との壁を壊すには十分なものだった。

「善逸、伊之助」

出て行こうとする二人に声をかけると、二人は怪訝そうな顔で汐を見る。そんな二人に汐はにっこりとほほ笑み

「ありがとう」と、告げた。

その言葉に二人の心臓が跳ね上がり、顔に一気に熱が籠る。善逸は「い、いやいや。俺には禰豆子ちゃんという心に決めた人が・・・」と呟き、伊之助は何故顔が熱くなったのか理解できないでいた。

そんな奇妙な集団を、しのぶはほほえましそうに見つめていたのだった。

こうして二人だけだった基礎訓練に、善逸と伊之助が加わりあたりは一層にぎやかになった。
四人が一生懸命に訓練をしている様子を、カナヲは遠くから不思議そうに眺めていた。

「カナヲも同期なんだから、一緒にどう?」

そんなカナヲにしのぶは微笑みながら声をかけると、カナヲは張り付けたような笑顔を見せながら一礼し、その場を去った。




それから数日後。

山で発声練習をしていた汐の元にソラノタユウが飛んできた。彼女の言葉に汐は驚いたように目を見開くと、すぐさま練習を中断し山を下りた。

 

「炭治郎!伊之助!!もうすぐ打ち直されたあたしたちの刀が届くそうよ!!」

 

扉を突き破るような勢いで、汐は訓練場に転がり込んだ。すると炭治郎と伊之助の表情が瞬時に興奮したものへと変化した。

 

その時、炭治郎の鼻が外からの匂いを探知するように動く。

 

「鋼鐵塚さんと鉄火場さんの匂いだ!」

 

三人はウキウキしながら屋敷の外に出てあたりを見回す。すると遠くの方に三つの人影があることに気づいた。

 

一人は見覚えがないが、あとの二人には見覚えがあった。江戸風鈴を傘にぶら下げた鋼鐵塚と、南部風鈴を傘にぶら下げた鉄火場。

 

「おーい、おーい!!鋼鐵塚さーん!!御無沙汰してまーす!」

 

炭治郎は大きく手を振って鋼鐵塚へ声をかける。すると炭治郎に気づいた鋼鐵塚は、荷物を隣にいたもう一人の刀匠に押し付けると、そのまま一人こちらへと走ってきた。

 

「お元気でした・・・か?」

 

走ってくる彼を見て、炭治郎の声が急速にしぼむ。それもそのはず。鋼鐵塚の手には一本の出刃包丁が握られており、そのまま殺意を込めて炭治郎に突進してきたのだ。

 

炭治郎は慌ててそれを躱し、怯えた様子で鋼鐵塚の名を呼ぶ。その殺気に当てられたのか、汐は勿論伊之助も鳥肌が立った。

 

「は・・はがねづか・・・さん?」

 

炭治郎が震える声で尋ねると、鋼鐵塚の口から地を這うような低く恐ろしい声が聞こえてきた。

 

よくも折ったな、俺の刀を。よくもよくもぉ!!

「すみません!!でも、本当にあの、俺も本当に死にそうだったし、相手も凄く強くて・・・」

 

烈火のごとく怒る鋼鐵塚に、炭治郎は必死で謝り倒すが、彼は炭治郎の話を全て否定し声を荒げた。

 

「違うな、関係あるもんか。お前が悪い!!全部お前のせい!!お前が貧弱だから刀が折れたんだ!そうじゃなきゃ俺の刀が折れるもんか!!」

 

――殺してやるーーーッ!!!

 

そのまま鋼鐵塚は包丁を振り回し、凄まじい速さで炭治郎を追い回す。

そんな二人を、汐は青ざめた表情で見ていた。

 

「あの、鉄火場さん。あれは放っておいていいの?」

 

そう尋ねると、南部風鈴の刀匠、鉄火場焔はその光景を一瞥し口を開いた。

 

「あれは流石に自分でも庇い切れませんし、ああなってしまった鋼鐵塚は放っておくのが一番です。竈門炭治郎殿には気の毒ですが」

 

彼はそう言うと、持っていた大きなものを汐に手渡した。

 

「こちらが打ち直した日輪刀です。どうぞ」

「あ、ありがとう」

 

鋼鐵塚とは異なり、鉄火場の声は落ち着いている。刀を折ってしまった罪悪感を感じていた汐は、少しだけほっとした。

 

だが刀を受け取ろうとした瞬間、鉄火場の体がぶるぶるを振るえた。

 

「折られてしまった。私の打った刀が・・・刀がぁ・・・」

「え?鉄火場さん?ちょっと?」

うわあああああん!!!あぁんまりだーーーァ!!私の刀がァー!!

 

鉄火場はそのまましゃがみ込み、まるで子供のように泣きわめいた。とてもいい年の大人がするような行動ではない。汐はどうしたらいいかわからず呆然としていた。

 

すると、

 

「ほら鉄火場。依頼主の前でそのようなことを言うものじゃない。鋼鐵塚さんもその辺にしたらどうですか?」

 

傍にいた三人目の刀匠が、二人をなだめる言葉をかける。それからゆったりした口調で屋敷に入るように促した。

 

「先ほどは申し訳ない。ですがまぁ、形はどうあれ、鋼鐵塚さんも鉄火場も人一倍刀を愛していらっしゃる。あの二人のような人は刀鍛冶の里でもなかなかいません」

「そうでしょうね」

(こんなのが何人もいたら、命がいくつあっても足りないわよ)

 

未だに怒りが収まらない鋼鐵塚と、まだ鼻を啜る音を立てる鉄火場の二人を見て、汐と炭治郎は何とも言えない表情を浮かべた。

 

その刀匠は鉄穴森(かなもり)と名乗り、伊之助の刀を打ったと告げた。

 

「戦いのお役に立てれば幸いですが・・・」

 

鉄穴森は穏やかな口調で縁側に座る伊之助の背中を見ながら言った。

伊之助の二本の刀は美しい藍鼠色へと変化し、鉄穴森をうならせた。

 

「あぁ綺麗ですね、藍鼠色が鈍く光る。渋い色だ。刀らしいいい色だ」

「よかったな。伊之助の刀は刃こぼれが酷かったから・・・」

 

未だに怒りが収まらない鋼鐵塚にボカボカと叩かれながらも、炭治郎の顔には笑みが浮かんだ。

 

「今度は大事に使わないとね。鉄穴森さんはともかく、怒らせたらやばそうなのが二人いるし」

「こら汐。滅多なことを言うもんじゃない」

 

汐の言葉を炭治郎が窘め、再び震えだす鉄火場を鉄穴森が慌ててなだめた。

 

「握り心地はどうでしょうか?実は私、二刀流の方に刀を作るのが初めてでして・・・」

 

しかし伊之助は鉄穴森の言葉には答えず、すっと立ち上がるとそのまま庭へ歩き出した。

 

「伊之助殿?」

 

怪訝そうに首をかしげる鉄穴森をしり目に、伊之助はしゃがみ込むと落ちていた石を拾っては投げるのを繰り返す。

その行動に彼だけでなく汐達も顔を見合わせ、訝しんだ。

 

やがて伊之助は、ちょうどいい大きさの石を手に取ると――

 

――あろうことかその石を、打たれたばかりの刀の刃に叩きつけた。

 

全員の口から声にならない悲鳴が上がり、あたりは一瞬で騒がしくなる。そんな喧騒をものともせず、伊之助は刃こぼれした刀を満足そうに見つめた。

 

ぶっ殺してやるこの糞餓鬼!!オイゴルァ!!何晒しとんじゃいコラァ!!

 

先ほどまでの紳士的な態度は何処へやら、鉄穴森は激高し伊之助につかみかかろうとする。それを汐と炭治郎が必死で抑えた。

しかし伊之助は構うことなく、二本目の刀にも躊躇いもなく石を穿っていく。

 

テンメェーッ!!もう生かしちゃ置けねえ!!〇×※□★くぁwせdrftgyふじこlp!!!

「すみません!すみません!!」

 

最後の方は殆ど言葉になっておらず、ひたすら伊之助を罵倒し続ける彼を、二人は必死で抑えた。

そして帰り際も「ないわー、あいつないわー!!刀を石で?ないわぁーー!!」と鉄穴森はぼやきながら鋼鐵塚と鉄火場と共に帰っていった。

 

そしてその夜。

しのぶはそっと汐のいる部屋の扉を開けて中を覗き込んだ。すると、眠っている汐の口からは、低い地鳴りのような全集中の呼吸の音が響いている。

それを見ると彼女は満足そうな顔で、そっとその場を後にした。

 

*   *   *   *   *

 

そして翌日。

訓練場では二つのあわただしい足音が響き、汐とカナヲが舞うようにして動いている。汐の口からは全集中の呼吸の音が響き、彼女の体を動かす。

 

(負けたくない、負けたくない!もう絶対に負けたくない!!!)

 

汐の細胞全てが熱を持ち、体中を活性化させ逃げるカナヲに食らいつく。そしてついに――

 

汐の左手が、カナヲの左腕をしっかりとらえた。

 

(や、やったっ!!!)

 

汐の訓練を見ていた炭治郎と三人娘は、その快挙に思わず歓声を上げた。

 

そして次は反射訓練。始まりの合図と共に、二人の両手が動き出す。

 

(うぉおおおお!!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!)

 

二人の両手が凄まじい速さで動き、互いに一歩も譲らない攻防戦だ。

 

「いい勝負です!頑張って!」

「行け―汐!頑張れ、頑張れ!!」

 

三人娘と炭治郎の応援が、汐の耳に届き、さらに身体を早く動かした。

 

(負けない!負けない!!負けない!!!これ以上、あいつの前で無様な姿は見せられない!!!)

 

その気迫が功を奏したのか、汐の左手がとった湯飲みがカナヲの防御を振り切った。そしてそのまま汐はカナヲに湯飲みを向ける。

カナヲは薬湯をかけられることを危惧し、思わず目を閉じようとした。が、汐はカナヲにかけようとした湯飲みを寸前で止めた。

 

薬湯の雫が一滴、カナヲの鼻の頭に零れ落ちる。驚いて目を見開くカナヲに、汐は息を乱しながら視線を向けていた。

 

一瞬の沈黙が辺りを支配した後。

 

「か、勝ったぁアアアア!!!」

 

汐が喜びの声を上げると、三人娘たちは抱き合って喜ぶ。炭治郎は身体を震わせると、歓声を上げながら汐の元に走り寄ってきた。

 

「汐――ッ!!」

 

そしてそのまま汐に飛びつき、固く抱きしめた。ひゅっと汐の喉から息が漏れる。

 

「すごい、すごいぞ汐!カナヲに勝つなんて、やっぱりお前はすごい奴だ!!やったな!!」

 

息が止まりそうなほど強く強く抱きしめられ、汐の血圧と体温が急激に上がる。そんな彼女に気づくことなく、炭治郎はひたすら抱きしめていた。

 

が、汐の様子に気づいたすみが、慌てて炭治郎の名を呼ぶ。

 

「た、炭治郎さん!汐さんが・・・!!」

「え?」

 

炭治郎は腕の力を緩めながら汐を見ると、汐は全身をゆでだこの如く真っ赤にさせながら目を回して気絶していた。

 

「うわぁーっ、汐大丈夫か!?しっかりしろ!!」

 

炭治郎がいくら揺さぶっても、汐はぐったりしたまま動かない。慌てる炭治郎に、きよが汐の部屋まで走り、なほとすみはしのぶを呼びに走っていった。

炭治郎はそのまま汐を横抱きに抱えると、慌てて訓練場を飛び出していった。

 

一人残されたカナヲは呆然と、皆が去った方向を見つめていた。

 

 

*   *   *   *   *

 

その夜。汐は高熱を出してしまい、部屋で寝込んでしまっていた。今までの疲れがカナヲに勝てたことで噴き出したのか。炭治郎に抱きしめられたのが原因か。将又その両方か。汐は赤い顔で額に手ぬぐいを乗せながら眠っていた。

 

そんな中、部屋の扉を軽くたたく音がした。そして音を立てないように炭治郎がそっと入ってくる。

手には水の入った桶と新しい手ぬぐいがあった。

 

「汐、大丈夫か?」

 

炭治郎が声をかけるが、眠っている汐は答えない。彼はそっと彼女の眠るベッドに近寄り、額に乗せられていた手ぬぐいをとり水につけて固く絞る。

それから再び汐の額に乗せると、もう一枚の手ぬぐいで汗を拭いた。

 

眠る汐を見て、炭治郎は昔のことを思い出していた。汐が狭霧山に来て初めての冬。雪を見たことがなかった彼女が子供の様にはしゃいで熱を出してしまったことを思い出したのだ。

 

あの時も今と同じように炭治郎が汐の看病をし、無理がたたってか炭治郎まで倒れてしまい鱗滝に迷惑をかけてしまったことがあった。

 

あの日からどれくらいが経ったのか分からない。けれど、思い出すと酷く懐かしく思える。そして今こうして汐と自分が生きていることが、本当にありがたく思えた。

 

「やったな汐。カナヲに勝つなんて、本当にすごいよ。俺も頑張らないとな」

 

炭治郎はそう呟いて汐の頬にそっと触れた。炭治郎にとっては平熱ほどの体温でも、平熱が低い汐にとっては動けない程の高熱になってしまうことがある。

少し心配そうな顔をする炭治郎。すると、汐は小さくうめくと口を開いた。

 

汐の口から歌が零れだす。おそらく熱に浮かされた寝言のようなものだろうが、炭治郎は夢の中でまで歌う汐に困ったような笑みを浮かべた。

 

(ん?あれ?この歌、いつもと何か違うような・・・)

 

汐が奏でている歌は、何度も歌っていた故郷のわらべ歌で間違いはない。だが、今まで炭治郎が聞いてきた歌詞とは異なっていた。

 

― おおなみこなみ みだれゆく

つきたてらるは さめのきば

いさりびともり うみなれば

わだつみおどり うみはたつ

ああひびけ ああとどけ

おもひつたうは しおのうた ―

 

そう言えば、と炭治郎は汐の歌を聴いて思い出したことがあった。

 

(汐がよく歌っていた歌の歌詞。よく考えてみれば汐の海の呼吸の型の名前と歌詞が似ているような・・・)

 

海の呼吸と海の女神を沈めるわらべ歌。二つが関係しているかは炭治郎にはわからないが、少なくとも無関係ではないことだけは確かだった。

 

(ワダツミの子・・・鬼舞辻無惨が恐れている力・・・。少なくともあいつは汐のことを絶対に狙ってくるだろう)

 

炭治郎は拳をグッと握りしめた。自分の大切な人をこれ以上、失うわけにはいかない。小さな決意の炎が彼の中に宿った。

 

「お休み、汐。俺、もっともっと強くなって禰豆子とお前を必ず守るから。だから――」

 

――これからも俺を見ていてくれ

 

炭治郎の言葉に汐は答えないが、心なしか汐の表情は和らいでいるように見えた。それを見届けた炭治郎は。そっと部屋を後にした。




な「か、勝ったよ!汐さんがカナヲさんに勝った!」
き「やったね!本当に良かった。汐さん毎日毎日、炭治郎さんと一緒にがんばってたもんね」
す「二人が喧嘩をしたときはどうしようと思ったけど、仲直りもできたしいいことづくめだね」
な「あとは炭治郎さんと善逸さんと伊之助さんだね。炭治郎さんはともかく、善逸さんと伊之助さんはどうだろう?」
き「大丈夫じゃないかな。みんなすごく頑張ってたし」
す「そう言えば、時々山の方から歌が聞こえるけれど、あれは汐さんが全集中の呼吸をしながら歌っているんだよね?」
な「そうだって。練習だって言ってるけれど、すごくきれいな歌声だよね」
き「あの歌を聴くと不思議と元気になれるよね。不思議」
す「炭治郎さんも汐さんの歌が大好きだって言ってたし、やっぱり二人はすごくお似合いだと思う。これからもずっと一緒にいてほしいよね」

三人「炭治郎さんと汐さんの二人の未来が、ずっと明るいものでありますように・・・」

この後の幕間は誰視点の物語がいい?(二人まででお願いします)

  • 竈門炭治郎
  • 我妻善逸
  • 嘴平伊之助
  • 宇髄天元

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