どうも、錬金術師で女の子の友達が多い転生者です   作:シュリンプ1012

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あ、やべぇタグに『不定期』って入れるの忘れてた……
後で入れとかないと。

そんなこんなで、二話ですぞ!


『ふへへ』なあの子がこの世で初めての友達(らしい)

「……んぅ」

 

 

 

暗闇から脱却したかのように、俺は意識を覚醒させる。

 

……何だろう、ものすごい夢を見ていた気がする。確か、

死んじゃったから神様の下に行って、その神様の愚痴を聞いてからなんやかんやで君転生するよ。……みたいな夢だった気がする。

 

 

 

今でも鮮明に覚えている。夢なのに。でも、夢の中の俺は確か手足の無い、人魂みたいな見た目だったはずだ。

 

 

 

よっこいしょ、と寝起きの身体を起こす。どうやら俺は樹木を背に寝ていたようだ。どんな所で寝てんだよ、俺。

 

足があることを確認し、重い身体を起こして立ち上がる。

 

ふと、二つの違和感が俺を襲う。

 

 

 

「……あれ?」

 

 

 

まず一つ。明らかに背が低いのだ。寝ぼけていて中腰の姿勢でいればまだ良いのだが、今の俺は中腰ではなく、

後ろにある立派な樹木のように背筋をピーンとさせている。

なのにだ。背筋ピーンとさせているのに本来の身長よりも確実に背が低いのだ。

 

そして二つ。周りの景色が明らかにおかしい事だ。

キャッキャウフフと追いかけっこをしている女の子。

仮面ラ○ダーだ!と決め台詞を言って参上する男の子。

そして終いには俺から見て左側にある建物だ。そこに書かれていたのは……

 

「花咲川……幼稚園?」

 

そう。その建物にはデカデカと『花咲川幼稚園』と建物の上層部に書かれていたのだ。

 

……幼稚園?

 

俺は思わず自分の服装を確認する。

 

–––上半身は袖や首にゴムの入った水色のスモック。下半身は薄茶色の半ズボン。スモックには名札であろう物が安全ピンで留めてあった。

 

安全ピンを外し、名札に書いてある文字を読む。

 

「『こうの れんじ』……?」

 

 

 

その名札には、『つぼみぐみ こうの れんじ』と全く知らない名前が平仮名で書かれていたのだ。

 

……嗚呼、さっきの夢じゃないのか……。

 

 

 

 

 

 

〜〜思考中〜〜

 

 

 

 

 

 

 

……どうやら、本当に転生してしまったらしい。

先程自分の頰を抓ってみたが、何も変わらず後に残ったのは抓った痛みと、これは夢ではないという確信だけだった。

あと自分の頬っぺたプニプニしてて気持ちよかった。やったね。

 

……って、そんな事考えてる場合じゃない。

よし、まずは今の現状を整理しよう。

 

まず、俺はこの世界ではどういった存在なのか。

分かっているのは、俺の名前が『こうの れんじ』と

いう名前で、所属している組が『つぼみぐみ』である

事だ。

 

……え、これだけ?

もう一度脳を回転させ、自分の知っている情報を

確認する。……あ、これだけだ、こん畜生。

 

つまるところ俺は、年齢不詳、親の顔知らずの幼い少年、という事になってしまう。まさか親の顔だけでなく、自分の年齢も分からないとは……。

 

……気を取り直して次だ。次は周囲の状況について

考えよう。

 

まずは、周囲を確認してみよう。どれどれ……?

 

……確認した結果、ここを中心としてみると、

東西南北の四方向(どっちが東でどっちが西なのか

知らないが)全ての壁が均等に離れている。ふむ、

つまりここはこの庭の中心部なのか。承知した。

 

「……ん?まてよ…」

 

ここである疑問が生じた。それは()()()()()()()()()()()。普通、幼稚園児というのは、一人で

いるなんて事はまずない。必ず二人以上で行動する筈だ。

 

対して俺はどうだろう。俺は()()で樹木を背に寝ていた、という先程の前提から外れた事をしている。

この事から立てられる仮説は……

 

『俺、実はぼっちだった』という説だ。

……うわぁ、幼稚園の頃からぼっちとか、ないわぁ。

 

「……やめだ、やめ。考えるのが嫌になってくるわ」

 

一旦思考を止めて散策してみよう。生憎、太陽が

真上に来ているため、今はお昼時だ。そして空腹も

満たされているから、もうお昼は食ってある事が分かる。

ので、食後の運動という意味も込めて

歩くとしよう、そうしよう。

 

 

 

〜〜俺、お散歩中〜〜

 

 

 

……散策中、誰にも声を掛けられなかったんだが。

誰か一人ぐらい話しかけてくれるかなぁ、なんて思ってたけど、現実ってそんなに甘くなかった。

 

「おい、そこどけよ!」

 

不意に男の子の怒号に似た声が後ろから聞こえた。

周囲の目線がそちらに集まる。……が、またすぐに、各々がやっていた事を再開し始めた。

 

周囲から、「またやってる〜」「せんせいこないの?」などの声が聞こえる。

 

またやってる?まさか、これが殆ど毎日起きているのだろうか。オイオイ、先生仕事してんのか?……これはちょっと言いすぎか。まあいいや。

 

俺は男の子の声のした方に恐る恐る近づく。場所は

砂場。そこには男の子が三人が、女の子一人を囲んでいるような形をしていた。

 

「ここはおれたちがつかうんだ!!『やまと』は

おとなしくあのきのしたでねてろ!あとでつかわせてやるから!」

「あ、えっと、その……」

 

男の子の気迫に、女の子が口ごもってしまう。

おいおい、男子が女子に向かって脅迫まがいなことしてんじゃないよ、まったく。……仕方ない、社会の常識ってやつを教えてやるか。

 

「おい、もうそこら辺にしとけって」

 

俺は男の子の肩に手を乗せる。だが、それが気に食わなかったのか、凄い形相でこちらを向いてきた。

 

「あぁ!?だれだおまえ!」

 

男の子がまたも怒鳴る。

やめろ、耳元で騒ぐな。頭キーンってなるだろうが。

 

すると、男の子は俺の容姿を隅々まで見てきた。

なんだ、この歳でもうそんな趣味持ってんのかこの子。なんて育て方してんだ親は。

 

「おい!おまえ『つぼみぐみ』じゃねーか!!おれたちは『さくらぐみ』だぞ!!けいごつかえや!!」

 

男の子は自分の名札を指差す。そこには『さくらぐみ

きさらぎ ゆうや」と書かれていた。

成る程、年上だったのか。これは失礼なことをした。

だけど、年上には敬語使うのは知ってるくせして、

女の子に脅迫まがいな事をしてはいけない、という事は知らないのか……(困惑)

 

「こらー!何そこで騒いでるのー!?」

 

すると、向こうから先生らしき人が走ってきた。

きっと先程の怒号が聞こえてきたのだろう。

……そうだ、ちょっと意地悪してみよう。

 

「せんせぇー、きさらぎくんがやまとさんを怒鳴り散らしてましたー」

 

はぁ!?と、きさらぎくんが驚きの声を上げる。

ふっ、してやったぜ。

 

「……きさらぎくん?またそんな事してたの?」

「え!?あ、いやべ、べつに」

「問答無用、ちょっとこっち来なさい!!」

「せんせいまって!まっ…ちくしょー!おぼえとけよー!!」

 

最後に捨て台詞を吐き捨てながら、先生に首根っこを

掴まれて園内へと、きさらぎくんは消えていった。

終始無言だった他二人の男子は、「つれてかれちゃった」

「あっちで遊んでよーぜ」と、滑り台の方に行ってしまった。残されたのは俺と『やまと』ちゃん一人だけ。

……めっちゃ気まずい……。

 

「あ、あの、れんくん!」

 

そんな気まずい雰囲気をぶち壊したのは『やまと』

ちゃんだった。

 

……ん?今()()()()って言わなかったか?

 

「すみません、すぐにいけなくて……。その、ここであそんでたら、ついついじかんが分からなくなって

しまって……」

 

申し訳なさそうな顔をしながら待ち合わせ場所に来れなかった理由を説明してくれた。

いや、ま、待ってくれ。そんな約束してたのか。

知らないぞそんなの。

 

「そ、そんな約束してたっけ……?」

「え!?わすれちゃったんですか!?」

 

『やまと』ちゃんが驚いた表情を浮かべる。

うーむ、この反応は嘘を話しているわけでは無さそうだ。元より疑ってはいないが。

 

そして、ここで確実に分かった事がある。

俺と『やまと』ちゃんはこんな約束をする仲であった事が今分かった。この事から、俺と『やまと』ちゃんは()()()()()ことが分かった。

 

……良かったぁ。幼稚園早々ボッチなのかと思ったぜぇ……。

 

「ど、どうしたんですか?なんでそんなおちついた

かおをして…?」

「え!?あ、いや別に……」

 

ふと、『やまと』ちゃんの胸元に付けてある名札に

目が向いた。そこに書かれていたのは、『さくらぐみ やまと まや』と書かれていた。

さくらぐみ……という事は先程のきさらぎくんと

同じく年上なのか。なるへそ。

 

すると突然、やまとちゃんが俺の手を掴んできた。

 

「それじゃ、あのきのしたにいきましょう!」

 

えっ、またあそこまで戻らないといけないのか。

まあ、別にいいけど。でも、あそこで何するんだろうか?

 

「ねぇやまとちゃん。あの樹の下でなにやるのさ?」

「え、なにって、いつもどおりですよ?」

「いつも通り?」

 

やまとちゃんが首を傾げる。

いや、いつも通りってなんだい。いつも何やってるの二人で?

 

「なんだか、きょうのれんくんおかしいですよ?

いつものって、()()()()()()?」

「……え」

 

–––拝啓、天界にいる神様へ。

俺は転生して数分後、やまとちゃん(小さい女の子)と一緒にお昼寝するという、高難易度に挑戦するようです。

 

 

理性保てるか不安なんだが。

 

 

 

 

 




やっと原作キャラ出せた……。
あと、オリキャラも出すことにしました。
タグは追加されるもの、はっきりわかんだね。

RASのメンバーを出したいと思っとるんだけど、誰が最初に見たい?

  • レイヤ
  • ロック
  • マスキング
  • パレオ
  • チュチュ

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