どうも、錬金術師で女の子の友達が多い転生者です   作:シュリンプ1012

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 ブルーバードがカバーされて舞い上がっております。シュリンプです。このままagainとかホログラムとかもカバーしやがれ下さい。


《第三章 ルート蓮司  お金持ちのお嬢様ってめっちゃ気品のある人だと思ってたんだけど、えぇ? 編》
金持ちのご令嬢が元気過ぎて困ってます。助けて()パート1


 

 

 

 

「ぅぁぁぁぁああああああああ!!!??!?」

 

 

––––絶叫。その小さな身体で出るとは思えない程の音量が、澄んだ空に響いて消えていく。

 

 

「あはは!楽しいわね、蓮司!!」

 

 

––––笑顔。俺が叫んでいるのとは裏腹に、隣ではこれでもかと思える程の笑みを浮かべている。

 

 

「……アイツ最近笑ってないらしいからな。これで楽しんでもらえるだろうよ」

 

 

–––––微笑。遠目から見ている父親は、俺が楽しんでいるように見えたのだろう。彼の口角は少し上がって見えた。だがしかし、俺は楽しんでなどいない。むしろ早く帰りたい、早くこの娘とバイバイイエスタデイしたい気分だ。

 

 澄み切った空から差し込む太陽が燦々と照りつけるのとは裏腹に、俺の心はどんよりとした曇り空が作り上げられており、そんな心で俺は、何故こんな事になったのかを模索していた。

 そして一つ、分かった事がある。

 

 

 

 俺って、ジェットコースターとかの絶叫系、嫌いなんだな……と。

 

 

 

 

 

 

……

………

…………

……………

…………………

………………………

 

 

 

 

「うーむ……」

 

 時間を遡る事、4時間前の朝8時。俺はベットの上で胡座をかきながら、目の前に鎮座している楽器に頭を悩ませていた。

 あの日から3、4日程経った今日この頃。何故俺がこんなにも頭を悩ませているのか気になるだろう。……といっても、些細な悩みだ。

 

 

 ––––目の前にあるベースが全然弾けない。

 あの日の夜に貰った次の日に、母さんと練習をしていたのだが……全くもって弾けないのだ。

 運指?って言うんだっけか?これが本当に難しい。途中で指がどこ押さえていいのかこんがらがって……辛い(切実)あとギターとベースの二つ比べると、ベースの方が弦硬いのよね。だから弾く時も一苦労なんだよなぁ。あ、因みにツーフィンガー奏法?とピッキング奏法?があるらしいけど、俺はピッキング奏法ね。

 

 ……コホン、とまあこんな風にどうすれば上手くなるのか悩んでいるのだ。母さんに聞いてみれば?と思う人もいるだろう。だから実際に聞いてみたのだ。したら……

 

 

『慣れれば簡単よ♪』

 

 

 と、返ってきた。おい初心者の事舐めてんのか。

 

「おーい蓮司、いるかー?」

 

 そんなこんなで俺が悪態をついていると、扉の向こうから父親の声が聞こえてきた。

 

「いるけどー?」

「そんじゃ、失礼するよ」

 

 特に追い払う理由も無かった為、俺は彼を部屋に入れる事に。俺の返事を聞いた彼は、扉を開けてよっこいしょ、と頭をぶつけないように気をつけて入って来た。

 ……いいなぁ身長あって。俺も欲しい、まだ小五だが。そういえば、原作のハガレンでは主人公は身長低いって設定だったけど……俺、将来デカくなれるよね?あっちは弟の為になんやかんやで身長伸びなかったって書いてあったから大丈夫……だよね?

 

閑話休題(どうでもいいやん)

 

「それで何か用?」

「いや、ちょっと聞きたい事があってな。今日暇か?」

「今日?」

 

 今日は確か母さんとベースを弾く事以外、何も無い筈。その事を伝えると、彼は納得した表情を作る。

 

「そうか……じゃあ大丈夫か」

「ん?」

 

 ……何だろう。物凄く嫌な予感がする。俺の第六感がこの人の事見て危険信号を発してる。早く逃げなきゃいけない気がする。静まれ、俺の第六感。

 

「それじゃあ黒服さん達、お願いします」

「は?」

 

 俺が誰の事なのか疑問に思っていた矢先、扉の向こうからぞろぞろと黒い塊が……。

 

 

 ……ん?違う、よく見たら人だ。速すぎて全然分かったらなかったけど、バリバリ人だったわ。良かった、Gじゃなくて。……全然良くないけど。

 

「では、失礼します蓮司様」

「え?あ、は –––– え?」

 

 ……あ、ありのまま、今起こった事を話すぜ!

 突然黒服さん達が周りに集まったと思ったら、いつの間にか担がれて部屋を出ていた!!な、何を言っているのか分からないと思うが、俺も何をされたのか全く分からなかった。

 スピードとかパワーだとか、そんなチャチなもんじゃない。もっと恐ろしい物の片鱗を味わったぜ……。

 

「あら、黒服さん達!行ってらっしゃーい!」

「おはようございます、桜様。それでは」

「え?え?え?」

 

 階段を降りてすぐのキッチンで、母さんが朝食の準備をしているのが見えた。……だがしかし、それはたったの一人分だ。

 いやいや、何故母さんは俺を助けない?何故そんなに仲良いの貴方達。てか、朝食の準備一人分って……俺が連れ去られるの知ってるなあの人。共犯かよ。

 

 ……ん?待てよ。この人達、よく見たら女の人?俺、女の人に担がれてるの?

 

 

……いやぁん。恥ずかしい。

 

 

「失礼します蓮司様」

「あ、はい…」

 

 そそくさと俺を高級車に乗せる黒服さん達。俺の部屋からこの車までにかかった時間、体感的に数秒程度だった気がする。おいおい、この人達怪物か何かなのか?

 

「おう蓮司、どうだった?」

「いや、どうって言われて……ん"ん"!?」

 

 俺が前を向くと、そこには俺の部屋に居た筈の父親が、優雅に座席に座っていた。

 いやなんでだよ。アンタ二階からどうやってここ来たし。

 

「ん?その顔はどうやって来たって顔だな?」

「そりゃあ誰でもそう思うでしょ」

「そうか?まぁいいか」

「いや良くねぇよ?どうやってここ来たのマジで?」

 

 何優雅に紅茶飲もうとしてんだよ。誤魔化せるとでも思ったかこの野郎。

 

「普通に窓から」

「普通に窓からかよ。ったく最初っからそう言……え?」

「いやだから、普通に窓から飛び降りて来た」

 

 そう言うと、彼は家の二階にある俺の部屋の窓を指した。確かに部屋の窓は全開で開けられている。

 

 ……さっきの人達よりこの人の方が怪物だったわ。(再確認)

 

 

 

…………………

………………

……………

…………

………

……

 

 

 

 車に強制的に入れられて数分後、車はちゃんと速度制限を守りながら車道を走っていた。俺の事強制的に連れ込んで、道路交通法は守るのか。

 

 そんな事を思う俺はもうこの状況に慣れてしまい、退屈そうに外の風景を眺めていた。ここで何処に向かっているのだこの野郎と思う人もいるだろう。実際、俺も気になったので車に連れ込まれた後に、目の前にいる父親に何処に行くのかと尋ねてみたのだが、『秘密だ』の一点張りだ。しかも優雅に紅茶飲みながら。

 

 はっ倒すぞこのデカ男。できないけど。

 

 

「む?」

 

 ふと、ある建物が目に入った。その建物はまるで中世の時代に作られた立派な城のようだ。しかもこの車内から見ても、庭の面積が物凄く大きく見える。学校の校庭ぐらいあるのではないだろうか。

 

「ん?あぁ、もう着いてたのか」

「え、アレが目的地なの?」

「そうだが?」

 

 そうだが?って……俺は何も知らされてないんだよ?家でベース弾こうか悩んでたところを、誘拐紛いな事されて来てるんやぞ?ホント叩いてやろうか?ん?

 

「おいおい、そんな顔するなって。悪かったよ、言わなくて」

 

 どうやら、俺の不満が顔に出ていたらしい。このポーカーフェイスの達人と呼ばれたこの俺としたことが……不覚。(言われてないけど)

 

「あ、多分なんだがな?」

「ん?」

 

「もう数分ぐらい前から敷地に入ってたかもしれないわ」

「……うぇ?」

 

 敷地入ってるって……いや広すぎん!?あの建物まで後数分かかりそうな距離ですけど!?東京ドーム一個分ぐらいあるんじゃないのこの広さ?……え、なんかもう引き返したくなったんですけど……。

 

 

 

 

 

 色々あり過ぎて、もうこの時からオデノカラダハボドホドダ!

 ……だがしかし、この後に待ち受ける笑顔を具現化したような天災によって、これ以上にオデノカラダハボドホドになる事を、俺はまだ知る余地も無かった。……はっきりいってこの時に引き返せば良かったと後悔してるよ、うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 はい、という訳であの笑顔キラッキラな少女は次回出てきます。こらそこの君。期間空いたくせしてバンドリキャラ出してないとか言うんじゃあない。黒服さん達が出たではないか。それでよしとしよう、ね?

 

RASのメンバーを出したいと思っとるんだけど、誰が最初に見たい?

  • レイヤ
  • ロック
  • マスキング
  • パレオ
  • チュチュ

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