どうも、錬金術師で女の子の友達が多い転生者です   作:シュリンプ1012

23 / 36


 お久しぶり&今回めっちゃ長くし過ぎた。めっちゃ反省。


遊園地って久しぶりに行くとはしゃぎたくなる

「お待ちしておりました、錬夜様、蓮司様」

「出迎え、すまないね」

「……なんだよこの数」

 

 

 あれから数分後。俺達は黒服さんに促され、屋敷の中に案内された。

 ……道中思った事があるんだが、黒服さん達多過ぎやしないか?ざっと数えて五十……いや八十はいたんじゃないか?いやもっといるかも。

 しかもよく見るとみんな同じ顔に見えたんですけど。貴女達全員姉妹か何かですか。俺の目が腐ってるとか、そんなんじゃないよね?ね?

 

「タマコはいるのか?」

「いえ、今は我らが所有する遊園地に出向いております」

「……遊園地?なんでアイツがそんな処に」

「実は……」

 

 俺がそんな疑問を持っているとは露知らず、いつの間にやら黒服さんとホーエンハイムがコソコソと話し始めていた。そして何故かは分からないが、時折あの人の顔が強張った表情をする。どうやら真剣な話のようなので、俺は屋敷内を見渡す事にした。

 

 目の前には二階へと続く大きな階段。床には様々な模様が描かれた絨毯。そんでもって天井には大きなシャンデリアが……しかも壁に絵画が飾られてるし……うーん、絵に描いたような豪華な屋敷だね。

 

 

「……ん?」

 

 

 俺が見渡していると、何かが動いたように見えた。動いた場所を目を凝らしてみると、俺と身長が同じぐらいの子供が映った。といっても、その子供は二階からヒョコッと顔を出しているだけなので、身長が同じかはあまり詳しくは分からない。何となく身長が同じくらいだと思ったのだ。

 その子の特徴は瞳と髪の色が、あの人–––ホーエンハイムみたいに黄金色であった。そんな子供が俺のことをじーっと見ている。

 

「……あ、引っ込めた」

 

 と思ったら顔を引っ込め、そのまま階段を降りてこの一階まで走ってきた。遠目からでは分からなかったが、髪が後ろで纏められて、服装も白のワンピースを着ている事から、女の子である事が分かる。

 女子かぁ……なんか俺、女子の知り合い多い気がするんだけど気の所為かな?

 

「あなた、レンヤのお知り合いなのかしら!」

「……はい?」

 

 突然、彼女は笑顔で俺に聞いてきた。

 出たよ、最初に挨拶しない子。なんか最近挨拶しない子供が多い気がするなぁ。出会ったら最初は挨拶、これ重要だからね、覚えておこうね。

 

「知り合いっていうか……息子なんですけど」

「あら、あなたとレンヤは家族だったの!全然似てなかったからわからなかったわ!!」

「似てないって……まぁ否定はしないけど」

 

 そう、否定はしない。というのも、ここ数日間あの人と一緒の生活をしているうちに、あの人と俺には大きく分けて二つ、違いがある事が分かったのだ。

 一つは髪の色。あの人の髪色は言わずもがな、純粋なる金色だ。対する俺は、炬燵に入りながら食べると美味い蜜柑の色……つまりは()()だったのだ。この二つの色は似ているようで全然似ていない。そもそも色が似ているというのは『暖色』か『寒色』かに分類される所から始まるので、金属の色を示す金色はその分類には当てはまらなくなるので……おっと、長く語りそうになってしまった。

 二つ目は髪型。あの人は長髪のストレートなのに対し、俺は短髪のボサボサヘアーなのだ。これに関しては俺も長髪ストレートにしたい。てかさせて下さい。

 

 ……ちょっと話逸れるんだけど、一つ言っていいかな?今こうやって髪型について語ってたけどさ。

 

 

 

 この世界、髪の色に特徴あり過ぎやしないか?

 

 ここで一つ、よく遊んでいる幼馴染み5人組を例としよう。羽沢や美竹みたいに茶髪とか黒髪なら分かる、まだ常識圏内。けどさ、薄桃色とか銀色とか赤色とか、もう常識外れもいいとこだぜ。凄いね、幼馴染み5人中3人が髪染めてんの。ただの不良集団じゃないか、羽沢と美竹が可哀想だよ。まぁ彼女たち全然不良じゃないけど。全然健全なんだけど。

 

 

 

 ごめん、めっちゃ話逸れた。

 

 

「おお、こころか。久しぶりだなぁ、元気にしてたのか?」

「レンヤ!えぇ、毎日が楽しくて仕方がないわ!!」

「そうか、それは何よりだよ」

 

 

 どうやら話は終わったようで、ホーエンハイムがこちらに歩いて来た。そしてそのまま、俺の隣にいる女子に話しかける。どうやら、先程の彼女の台詞でも察せるように、この二人は知り合いのようだ。

 

「蓮司とはもう話したのかい?」

「ええ!でも、彼とあなたは全然似てないわ。どうしてなの?」

「おいおいこころ、親子だからって似ているとは限らないんだぞ?それにこれから成長していったらもっと違いがあらわれるかもしれない」

「あら、そうなの?」

「そうだとも。そうだなぁ……例えば、俺の身長は高いだろう?」

 

 何やら、ホーエンハイム先生による親子についての授業が始まったようだ。少女もどんな話が始まるのか、目をキラキラ輝かせて楽しそうに聴いている。

 

 ……ん?身長?

 

「だけど蓮司を見てみろ。全然小さいだろう?」

「そうね、私と同じぐらいね!!」

「グフっ!?」

 

 二人の『身長小さい』に類する言葉を聞いて、何故か俺は心に大きな傷がついたような感覚に陥った。

 

「このまま大人になっていくと、それに比例して身長も大きくなるが……多分アイツは160ぐらいで止まるな、うん」

「はぁ!?」

 

 待て待て、なんでそんな事平然と言えるんだよ。おかしいだろ。しかも160位って、あの人よりも低い可能性あるぞ!?いやだ、あれ以上のミジンコドチビにはなりたくない……!

 

「おい蓮司。お前それ以上考えていたらアイツに殺されるぞ?」

「!?!?」

 

 な、何だと…?こ、この人、錬金術だけじゃなくて人の心を読む力もあるのか?しかも殺されるって……まさかあの人もこの世界にいるのか…?

 

「……冗談だよ、アイツはこの世界にはいない。寧ろ、いたら会いたい位だ」

「な、なんだ。冗談か……」

 

 彼の言葉に俺は溜息をついてしまう。

 ……ちょっとだけ、あの人いるのかと期待してしまった。本当にいるのなら俺だって会いたい。寧ろアリンコサイズって貶して殴られてみたい。……あ、俺はMじゃないです。

 

「……あぁそうだ、忘れる所だった。二人とも、今から遊園地に行かないか?」

「「遊園地?」」

 

 彼からの突然の提案。そんな提案に俺と彼女は首を傾げる。

 

「なんで急に?」

「いやな?そこでちょっと()()()()()がいるんだよ。だからついでにお前達も連れて行こうかなと…」

「会いたい人……?」

 

 なんだなんだ、不倫か?かのホーエンハイムが二股掛けるというのか?……いやだとしたら俺を連れては行かないか。むしろ子供なんぞ邪魔になるだけだし……。

 

「いいわね遊園地!!私行ってみたいわ!!」

「おぉそうか、こころ行きたいのか。じゃあ蓮司はどうする?」

 

 どうやら彼女は行く気満々らしい。まぁそれもそうか。会ってまだ数分ではあるけど、この子の性格は多少読み取れた。この子は外で遊ぶのが楽しいとか思っているアウトドア系だろう。だってめっちゃはしゃぐもん。そうに決まってるよ。

 

「……一応俺も行くわ」

「一応ってなんだよ。……まぁいいか」

 

 俺の適当じみた台詞に、彼は苦笑するしながら俺の頭を掻き回してきた。やめてくれ、ボサボサの髪が益々大変な事に……。

 

 

 

 –––この時、俺は錬夜……もといホーエンハイムの言っていた()()()()()という台詞が気になり、ついて行くことを決めた。ここで俺が行かないと宣言すれば、この後に起こる悲劇に遭わなかっただろう。

 

 そう、真に注目すべきは(ホーエンハイム)では無かった。注目すべきなのは、

 

 

 

 

–––隣にいる彼女の、恐ろしい程の傍若無人である事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………

…………………

……………

………

……

 

 

 

 

 

「おrrrrrrrr……」

「さあ、次は何処に行こうかしら!」

 

 

 

 とまぁこんな感じで振り返ってはみたが……引き返せる場面何個かあったよなぁとつくづく思うね。

 

「蓮司!今度はここに行きましょう?」

「はぇ?次って何処……って此処さっき行った所じゃねぇか!?」

 

 意気揚々と彼女がガイドマップに指差す所を見ると、そこは遊園地によくあるコーヒーカップの回転系アトラクションであった。

 

 ここに着いてから何時間か経過しているのだが、その間ずっと俺はここにいるお嬢様と一緒にアトラクション系に乗っていた。だがしかし、アトラクションに乗ろうと言い出したのは、隣にいる彼女だ。

 

 俺も最初は楽しんではいた。難易度低めのジェットコースターから始まって、一回目のコーヒーカップに乗ろうと彼女が言い出した時は、俺はまだまだ元気だった。けど……

 

 

 

『楽しいわー!!蓮司ーー!!!』

『ブラァァァァ!?!?止め、止めてお願…おrrrrrrrr』

 

 

このコーヒーカップで彼女が暴走した。そう、回しに回しまくったのだ。そのせいで俺の脳味噌はフル回転(物理)と化し、泡を吹きながら気絶しかけていた。気絶してないだけまだマシだと思って()

 そんでもって次は今乗っていたジェットコースター。もう無理死にそう。誰か助けて、この子に……弦巻こころさんに殺されるー!

 

 ……あ、言っておくけどこの間、ホーエンハイムはずっと遠くで微笑んでいただけだからね。助け舟をよこさないでずっと傍観者でした。畜生。

 

「確かにさっきも行ったわ!でも、さっきよりも楽しいかもしれないじゃない!!」

「それは意味不だよ……」

 

 彼女、時々こうやってトンデモ理論を打ちかまして来るから怖い。しかも笑顔で言うから尚更怖い。……あれ?おかしいな、何だか彼女が鬼に見えて……。

 

 

キャーーーー!!!

「……!?」

 

 

 突然、園内に悲鳴が迸った。そのお陰でか、園内にいた来園客達も悲鳴を聞いて立ち止まる。声色的に女の子の声……しかもこの声は……。

 

「どうしたのかしら蓮司?」

「どうしたって、今悲鳴が……」

「あら?でも貴方もさっきまで()()()()()じゃない!」

「えっ?」

 

 叫んでいた……ってもしかしてアトラクションに乗っていた時の事なのか?……まさか…!

 俺は周囲の人達の様子を見る。すると俺の予想通り、人々は何も無かったかのように各々の行きたい場所に移動し始めた。

 

 俺の予想。それはさっきの悲鳴が()()()()()()()()()()()()()()()()だと思われている事だ。先程、こころが言っていたようにここの遊園地には絶叫が絶えない。それ故に遠くにいた人達には、例え大声で叫んでも、アトラクションに乗って悲鳴を上げているんだなぁと思う位なのだ。

 

「……っ!」

「あら、駆けっこかしら!負けないわ!!」

 

 だけど今のは違う。今のはアトラクションによる悲鳴では無い。かと言って何によって悲鳴が起きたのかは知らない。俺だって()()()()()()()()()()()()いても、直ぐには向かわない。

 

 では何故向かうか。答えは単純だ。俺が()()()()()()()()()()()

 

 

「……山吹」

 

「……れ、蓮司…?」

 

 

 俺が息を切らして向かうと、そこには目に涙を浮かべて崩れている山吹がいた。しかもそれだけでは無い。彼女の横には胸を抑えて苦しそうにする山吹のお母さんと、そのまた横で泣いている小さな女の子がいた。

 

「一体何があったんだよ、山吹」

「……純が…」

 

 純–––山吹の弟だ。確かにさっき見たときには妹である紗南とお母さんの千紘さんしか見かけておらず、純の姿はどこにも見当たらなかった。

 

 

「おいおい、なんかあったのか?」

「急に女の人が倒れたぞ?救急車呼んだ方が良くね?」

「やだぁ、怖ーい……」

 

 

「……周りに人が集まり始めたか…」

 

 俺は心の中で舌打ちをする。何故なら、こうやって人だかりが出来てしまうと、山吹が益々混乱して何があったのか上手く話せなくなってしまう恐れがあるからだ。こうなってくると俺にはどうしようも……。

 

 

 

「はーい皆さんすいませーん、通りますよーっと」

 

 

 俺が何か案を絞り出そうとしていると、突然後ろから気の抜けた声が聞こえてきた。最近耳にする声だったので、俺は後ろに振り返ってみる。

 

 

「ホーエ……錬夜…」

「おいおい。アイツじゃ無いんだから、父さんって呼んでくれても良いじゃないか?」

 

 

 振り返ってみると、そこには大量の黒服さん達を引き連れたホーエンハイムがいた。彼が黒服さん達に何かの指示をすると、彼女達は直ぐに散らばって行動を開始した。どうやら周囲の人達を追い払っているようだ。

 

「これで邪魔する奴らはいなくなったな……さて、お嬢さん」

 

 彼は山吹の目の前まで歩くと、そのままお互い同じ目線になるように片膝をついた。

 

「は、はい…」

「落ち着いて…自分のペースでいいから、何が起こったのか話してくれるかい?」

 

 彼はそのガタイの良さとは裏腹に、優しく、相手を落ち着かせるような声で彼女に話しかける。表情も優しい笑顔だ。

 

「……純が」

 

 彼女は落ち着きを取り戻し、ゆっくりと口を開く。

 

 

 

「純が、拐われたんです……!」

 

 

 

 

 

…………………

……………

………

 

 

 

 

 

 

山吹は泣きそうになりながらも、全てを話してくれた。

 

 山吹達はお父さん以外の四人でこの遊園地に遊びに来ていたようで、みんな楽しくここで遊んでいたそうだ。

 だがしかし、こうして遊んでいる時に、突然何者かが後ろから紗南を拐おうとしたのだ。それにいち早く気付いた純は、紗南を庇うために彼女を無理やり押し退け、連れ去られたのだ。

 後を追いかけようとした千紘さんも、持病が悪化したのか胸を抑えて倒れてしまい、押し退けられた紗南もその反動で怪我をしてしまい、痛みで泣いてしまう始末。もうどうすればいいのか分からなくなってしまった山吹が泣き崩れそうになった所を、俺が見つけた……という訳だ。

 

 

「……警察に通報した方が良いですよね…?」

 

 山吹が弱々しく尋ねる。

 確かに誘拐ならば警察を呼ぶのが妥当だ。俺もそう思う。前回に似たような事があり、その時俺は感情的になり過ぎて俺が捕まえる事になったが……今回ばかりはホーエンハイムもいる。警察も出動しつつ、いざとなったら彼が動けば何とか……。

 

「いや、()()()()()()()

 

 ……は?

 

「な、なんでだよ!?警察呼んだ方が…」

「すまないが、警察を呼んでしまったら()()()()()()()()()()()

「は、はぁ!?」

 

 なんだそれ。こっちが大変って……えぇ?

 

「すまないな、こっちにも事情があるんだ。……という事で蓮司、お前行ってこい」

「は!?俺!?なんで!?」

 

 待て待て待て。なんで俺を指名するの?そこは自分が行くんじゃないの?

 

「……犯人がわからない以上、純って子の顔を頼りに探すしかないんだよ。そこで、その子の顔を知っていて助け出せる奴は一人しかいないだろう?」

「え、えぇ?」

 

 助け出すって言っても、俺今日メモ帳(錬成陣)持ってきて無いんだけど……。

 

「……蓮司」

「ん?」

 

 突然、山吹が手を握ってきた。

 

「私ね?純が連れて行かれた時に、頭の中で何にも考えられなかったの。それでお母さんも倒れて、紗南も泣いて……」

 

 彼女は声を震わせて、俺の手を段々と強く握っていく。

 

「それでね?連れてかれちゃった純はどうしてるのかなって思ったの。……もしかしたら泣いてるのかもしれないって。助けてって思ってるかもしれない……って」

 

 

 ––––だから––!

 

 

「あの子を助けて上げて……!本当は私が行くべきなのに……!ごめん……!」

 

 

 そう言い終わると、彼女は身体を震わせながらまたも泣き崩れてしまった。

 

 

 –––何考えてんだ、俺。

 

 

「大丈夫だよ、()()

「……っ!」

 

 自然と、俺の口からは山吹という苗字ではなく、沙綾、と名前で呼んでいた。

 

「あの子は俺が絶対見つけ出す。だから泣くな。あの子が戻ってくる時に姉が泣いてたらやだろ?」

「!!……うんっ…!」

「よし、笑って待ってろよ?」

 

 俺は沙綾の頭に手を乗せて立ち上がる。

 

「蓮司、これを」

「おっと……これって」

 

 立ち上がった俺に、ホーエンハイムは何かを投げてきた。俺は何とかそれを受け取る。

 一つは()()()()()()()()()()()()()()()()()。もう一つは()()()()()()()()()()だ。

 

「お前の部屋から持ってきたものだ」

「いや、知ってるしそんな事。てかなんで……」

 

 俺の完成品を持ち出しているんだ……と言いそうになるのを堪える。

 今問いただしても仕方がない。今すべきなのは……。

 

「……なんでもない。行ってくる」

「あぁ、気をつけて行ってこいよ」

 

 

 

 

 

 

 ––ー純の救出、ただそれだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 てな訳で次回戦闘入ります。あ、一応いっておきますけど指パッチンはしませんよ?

RASのメンバーを出したいと思っとるんだけど、誰が最初に見たい?

  • レイヤ
  • ロック
  • マスキング
  • パレオ
  • チュチュ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。