どうも、錬金術師で女の子の友達が多い転生者です 作:シュリンプ1012
誕生日だ!!大和麻弥の誕生日だ!!ワッショイ!!!
「おい蓮司」
「なんだいきーやん?」
秋の風が吹き始めた十一月三日。ハロウィンといった大型イベントも終わり、TVではクリスマスのCMが流れ始める季節だ。
そんな肌寒くなり始めた日に俺達野郎二人は、外の公園で今日という日の主役を待っていた。
「いいか?アイツには感づかれねーようにしろよ!」
「分かってるって、それ何回も聞いてるから」
隣でガミガミと聴こえてくる声が届かないように、俺は耳を塞ぐ。その行動を見たきーやんは益々怒ったようで、先程よりも主張が激しくなってきた。……その訴えは残念ながら俺の耳には届く事はないが。
「おーい、みなさーん!」
「お、来た来た」
「あ、っておい!」
モコモコのフードを上下に揺らしながらこちらに向かって来る主役が目に見えたので、俺は滑り台からスルスルと滑ってその場を後にする。後から彼女の事に気付いたきーやんは、俺の跡を追い掛けるように滑り台から降りてこちらに向かって来た。
「すみません、遅れました……!」
「いやいや、全然。なんてったって今日は大和t「とおりゃあ!!」ゴフッ!?」
「えぇ!?」
俺が挨拶を交わそうとした瞬間、後ろからきーやんが飛び蹴りをかましてきた。
痛い、物凄く痛い。
「テメェ、分かったって言ったよなぁ…?」
「アハハ、今日もきーやんは絶好調のようだね」
「当ったり前だ!今日の昼飯はラーメンだったからな!!」
「そっか、だからこんなに口臭「うるっせぇぇ!!」」
まぁそんな臭くはないけど。一種のジョークってやつですよ、うん。
「ふ、二人とも!?喧嘩はやめて下さいよ!?」
「大丈夫だよ大和ちゃん。俺達はいつまでも仲良しだから」
「あ、あぁ!?そ、そんな事はね、ねぇぞぉ!?」
俺の仲良し発言に、きーやんの胸ぐらを掴む力が弱まったのが分かる。奴の顔を見れば、少し照れた表情をしていた。
はい、きーやんのデレ頂きました。今日のノルマ達成だね、ヤッタァ。
「……えっと二人とも?その、言いづらいんですけど……今日は…」
「「!!」」
おっと、今度は大和ちゃんがモジモジし始めた。モジモジする姿も可愛い(ど直球)。けど、その先のセリフを言わせるわけにはいかないぞ。
「自分の「おい蓮司ィ!なんか腹減ったよなぁ!!」…え?」
大和ちゃんの会話を遮り、きーやんは腹が減ったと俺に申し出てきた。そんな彼の姿に、彼女はキョトンとした表情をする。だがしかし、遮った理由がさっきの発言と矛盾しているような気がする。……気にしない方面でいこう。
「そうだなぁ。じゃあ俺の家でお菓子食おーぜー」
「よっしゃ!そうと決まりゃあ蓮司の家に行くぞお前ら!!」
「えっ、えっ?」
行くぞ、と言った瞬間にきーやんは俺の家に向かって走り出した。
こうと決めたらすぐに行動を開始するきーやん、流石です。だけど俺達を忘れて行かないで欲しかった。見てよ、大和ちゃんがどうすれば良いのか慌ててるじゃな……慌てる姿も可愛いやん、サイコー。
「……じゃあお先に、大和ちゃん」
「えっ、ちょっ!?」
だがしかし、そうも言ってられない。大和ちゃんには悪いが先に行かせてもらおう。何せ、この行動も全て
まぁなんたって今日は––––大和ちゃんの誕生日だからね。
〜〜蓮司御一行、移動中〜〜
「ハァ…ハァ……俺の方が早かったな…」
「つ、疲れました〜……」
膝に手を置きながらも何とか腕を上げてサムズアップするきーやん。その後ろでは俺に支えられながら荒く呼吸する大和ちゃんが。
早く着いたは良いけど……流石に早過ぎるわ。見ろや、大和ちゃんがこんなにも息が上がっているではないか。知ってるかい?女子よりも先に走っていくとモテなくなるって事を……。
「……うし、入るぞっ!!」
息を整えたきーやんは家の扉を開けて、入って行ってしまった。
知ってたかい?女子より(ry
「……あの蓮司k「よーし、俺達も入るかー」あっ……」
何か大和ちゃんが言いそうになってた所を今度は俺が遮ってすぐそこの家に向かう。無論、その後に続く言葉も分かっている。
けどごめんね、これも作戦だから。もう一回謝っておこう。ごめんちゃい。
「そう…ですね……」
後ろでそう聞こえたと思ったら、すでに俺を追い越して家に入ろうとしていた。……その時に見えた彼女の表情は……
「……」
少し、悲しそうであった。
……………………
………………
…………
………
……
…
「……あれ、もうこんな時間かよ」
「……そうですね」
ふと、きーやんが時計見ると針は午後4時ぐらいを指していた。あれから数時間。何とかして彼女の口から『私の誕生日』という単語を出さない為に色々と誤魔化そう……としていたのだが、家に入って以降、誕生日に関する話題が出る事はなく、いつも通りお菓子を食べて、ゲームをしたりして。そうしていたらあっという間に時間は過ぎていった。
「……じゃあ、自分はこれで…」
何か用事があるのか……否、もうこの場には居たくないのだろう、彼女はスッと立ち上がり帰りの支度を準備しようとし始めた。
まぁ、させないけど。
「ちょい待ち大和ちゃん」
「……へ?」
俺は彼女の肩を掴み、こちらを振り向かせる。そうやって振り向かせた瞬間に……
「とうっ」
「きゃ!?」
相手の目を覆うように、懐に隠し持っていた目隠しを素早く付ける。そしてそのまま大和ちゃんを優しく背中に背負う。それにより背中で困惑した声が聞こえてきた。はい可愛い。
「それじゃ、レッツラゴー!」
「えっえっえっ!?」
駆け足でリビングを後にし、そのまま階段を駆け上がって二階に。先に着いていたきーやんに、俺の部屋の扉を開けさせて、そのまま部屋へと入る。
「よっこいしょ」
「あわっあわわ…?」
そっと彼女を椅子に座らせて、目隠しを外す準備を始める。先程よりも大和ちゃんは落ち着いてはいるものの、未だ何が起こっているのか分かっていない様子だ。
分かるよその気持ち。俺だって急にやられたら慌てるもん。慌てなかったらどうしようって思うよ。
まぁ、驚くのはこれからだけど。
「度肝抜かさないでね、大和ちゃん」
スルスルと、目隠しが取れていく。
「ど、度肝って……えっ…!」
彼女の目が、俺の部屋の変わりように見開くのが俺には見てとれた。
「こ、これって……!」
「ふふ〜ん」
「どうだよ、大和」
そしてそのまま、驚きを隠すように彼女は口元に手を添える。しかし、手では隠しきれていない目元には、うっすらと涙が浮かべられていた。
俺の部屋には、彩みどりの装飾が施されており、俺達三人の先には、手作りだと分かるぐらい形が又々で、それでいて今日のMVPである彼女に伝わるように大きい……
「コホン、では俺が改めて言いましょう」
–––友達に『ありがとう』と伝わるように–––
「大和ちゃん、誕生日おめでとう」
「–––!!」
「んじゃあ俺からも」
–––そして、彼女がいる事を祝うように–––
「大和、誕生日おめでとうよ」
「……あ、あぁ…!!」
–––祝おう、彼女を––––
「ありがとう……ございます……!!」
涙ながらに出てきたのは、感謝の言葉。
俺達の目の前には
歪ながらもでっかく
そして色鮮やかに……
『大和麻弥ちゃん 誕生日おめでとう』と描かれた文字が飾られていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
……懐かしい夢を見た。親友と一緒に彼女を祝って上げた時の事を。あれからもう何年経ったか。確かあの時は俺が小四の時だった気がする。あの後に、俺と親友で買った緑色の宝石が入ったペンダントをあげたんだっけ。それで、母さんに買ってきてもらったケーキ食べて、そのまま三人で一緒に寝て……今思えば、男二人と女一人で寝るとか考えられない。……でも、思い返しただけでも楽しくなる。
……だけれど、もうそんな楽しい日々は戻らないかもしれない。だって、俺は
あの時、俺が
いや、あれはどうにも出来ない事だったんだ。誰にも妨げることの出来ない事。あれは、この『憤怒』の力を覚醒させる為……この世界に転生した時から決まっていた事なんだ。だから、今更悔やんでも意味がない。
『……大丈夫か?』
ふと、俺の中に居座る『憤怒』が語りかけてくる。
この人の事だ。俺の心配ではなくこの肉体の心配をしているのだろう。
「大丈夫だよ……うん、大丈夫」
『……そうか』
–––そうか、今日は十一月の三日か。だからあの夢を見たのか。
確か、彼女は今高1だったっけ。ちゃんと友達作れてるかな。ドラムばっかに気を取られてないかな。……まぁ心配しても無駄か。
でもせめて、これだけは言わせて。
十六歳の誕生日おめでとう。そして––––
–––ごめんね、麻弥ちゃん。
最後なんか意味深な事になってますけど安心して下さい。本編が続けば分かります、ウホホイ。
改めて、大和麻弥さん誕生日おめでとうございます。フヘヘは正義。良いね?
RASのメンバーを出したいと思っとるんだけど、誰が最初に見たい?
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