どうも、錬金術師で女の子の友達が多い転生者です   作:シュリンプ1012

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 Twitterの方でも叫んだけどこちらでも騒がせて頂こう。


 メリッサがカバー!おっしゃぁぁぁぁぁあああ!!


明確なる殺意

 

 

 

 ある災禍の地にて、二つの影があった。

 

 

 一つは巨大で獰猛なる獣の影。赤い鮮血で鋭い牙を染め、足下に幾多もある瓦礫を踏み崩し、この世のものとは思えない程に低く、そして地面を震えさせるような唸りを上げた。頭角を一本折られ、片目を失った姿となり果てても、その畏怖感は消える事はない。

 

 相対するは小さい背中とその立ち姿に見合う大槍を手に持った少年。しかし獣とは違って、鋭い牙も瓦礫を踏み潰す腕力も、ましてや低い唸り声も持ち合わせていない。

 

 側から見てしまえば、異形の怪物が勝利を収めると確信するだろう。獣がその腕で肉を裂いて骨を断ち、その鋭牙で息の根を止めると想像するだろう。少年が無残な死を遂げると皆は悲しみ出すだろう。

 

 

 だが当の本人は–––哀れみの視線を送られるであろう少年は、そんな事など思っていない。

 如何なる悲しみも、これと言った憎悪も、何一つ持ち合わせていない。そして、自分が死ぬなどと考えてはいない。

 では何を思っているのだろうか。自分とはまるっきり形が違う、より巨大な獣を前にして何を思うのか。転生を果たした少年は、ある程度の力を手に入れ、個性に長けた友人を持つ少年は、何を考えているのか。その笑みの下には何があるというのか。

 

 

 ……否、少年は何も想像していなかった。少年の頭に残っていたのは、『覚悟を決めた』という結果だけ。それ以外は何もなかった。

 故に、少年は模索していたのだ。目の前に聳える巨大な壁をどうすれば良いのだろうか、と考えていた。

 

 

 

ガラァァァァアアア!!

 

 

 

 痺れを切らしたのか、獣は低い唸り声と豪腕で地を鳴らしながら殺気を立てて駆け走った。

 それでも少年は笑みを消さない。少年は未だに目標を達成するにほどうすればいいかを模索していた。

 

 

 距離20。まだだ。まだ分からない。

 

 

 距離15。駄目だ。やっぱり分からない。

 

 

 距離10。ここまで来てもさっぱりだ。

 

 

 距離5。

 獣の豪腕が頂点に達した、その時だった。

 

 彼の脳内にある文が形成されてしまった。それは

 

 

 

 

 ()()()()()()()()()。その一文だった。

 

 その発想が現れた途端、少年の顔から笑顔が徐々に消え去っていく。そしてその代わりに–––

 

 

「……殺す、か」

 

 

 –––今までに聞いたことのない、とても殺気の篭る声と、冷酷で鋭い、危険な眼差しが現れた。

 

 

 

 

 

 

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 

 

 

 

 二つの影が衝突する少し前のことである。

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 積まれた瓦礫の上で静かに佇む者がいた。

 

 

 

「……」

 

 

 

 惨劇の中でそよぐ風を一身に受けて尚、その身体は動くことは無い。その様は如何なる事があっても動じる事がない石像のようだ。

 

 

 

「……!」

 

 

 

 しかしながらその者は石で出来てはいない。手足を動かし、息をする歴然とした生物だ。当然、何かがあれば反応する。

 

 

 

「……()()()()()か」

 

 

 

 その者は一人、無感情でいながらも一言呟いた。

 その者は今、一人の人間の心臓を貫く()()()()()()()()()。全く無害な、一個の魂を。

 だが、その者は手足などは動かしてはいなかった。先程同様に、息を吸い、風を受けて、平然と佇んでいただけだった。それに、人を殺した筈なのに感情を表に出す事もしていない。

 

 

 

「……」

 

 

 

 その者の足下で何かが蠢いた。

 

 

 

「……」

 

 

 

 その者の目の前に突如黒い何かが現れた。

 

 それは『影』だった。遮蔽物と光によって作り出される『黒い光』。平坦に出来る筈のその『光』は、おかしな事に高さを得て、その者の前に出現した。

 おかしな点はそれだけでは無い。なんと『影』はその者を中心に四方八方に伸び散らばっていたのだ。更に『影』は上手いことに瓦礫の下を潜っており、他者から見ても一見何も通っていないように見える。

 

 

 

「……残念だが、私の血肉とさせてもらうよ」

 

 

 

 『影』は器用に先端に付着していた鮮血を振り払い、また元の位置に戻るようにスルスルと音を立てて伸びていった。

 

 

 

「……」

 

 

 

 襲いかかる静寂。その者もまた、石像のようにピタリと動作を止めてしまった。

 先程からこれの繰り返しである。感触があれば『影』を戻し、血を振り払ったら元に戻す。その単純作業のローテーションだった。

 

 

 

「……」

 

 

 

 異様な静けさになった今でも、その者はじっと只々我慢していた。何かが起きるのを待つように。()()()()()()()()()()()()()()()()()。その時をじっと待ち望んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 不意に、一つの風が吹いた。

 

 

「!!」

 

 

 その瞬間、その者は目を見開いた。それと同時に、『影』もまた、獰猛な紅い眼を開眼させた。

 綺麗で、それでいて面妖な紅い眼玉。そんな獲物を見つけたと言わんばかりの眼を持った『影』は、役目を果たしたかのようにその者の下へと戻っていく。

 

 

 

「とうとう来たか……!」

 

 

 

 その者はそう呟くと、瓦礫の山から跳躍して地面に降り立った。

 

 

 

「……ん?」

 

 

 

 歩き出そうとしたが、その者の進行方向から二つの小さな影が走ってきた。

 

 

 

 戸山 明日香。そしてその姉、戸山 香澄である。

 

 

 

「お姉ちゃん早く!」

「ま、待ってあっちゃ〜ん。急に動いたから足があんまり……」

 

 

 

 動かし辛い、と言いかけた彼女は傍らに何かこの場には不似合いなものを見つけた。

 

 

「あっ、猫ちゃんだ!」

「ね、猫!?」

 

 

 

 なんと道の傍らに小さな猫がいたのだ。輝く黄金色の毛並みを持った美しいと思わせる猫。そんな猫が瓦礫の横で座りながら彼女達を見つめていた。

 

 

 

「……って、そんなの構って無くていいから!!」

「えぇ!?猫ちゃん可哀想だよ〜〜!!」

 

 

 

 明日香達は必死な表情で走り去ってしまった。路上で見つけた可愛らしい猫をも置いてけぼりにして。

 

 

 

 

「……はてさて」

 

 

 

 

 そんな可愛らしい猫が突如、()()()()()()。そして紅い閃光を迸らせて段々と姿を変えていく。

 

 

 

「まさか、こんな所で見かけるとは……世界は狭いものだな」

 

 

 

 綺麗な毛並みを持っていた猫が一変、顔の整った美しき青年へと姿を変えた。

 

 

 

「フフッ、今からでも接触したかったが、それは後回しだ。先に……」

 

 

 

 

  しかしながら、その美しき顔を持った男は今から起こす世紀の大実験を想像する。

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()…な」

 

 

 

 その顔を、酷く醜い、妖しい表情へと変えて。

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 少年は––––蓮司は、疑問に思う事があった。

 

 

 

「グルルゥア!!」

「ふっ…!」

 

「ガラァァ!!」

「ほっ…!」

 

 

 

 何故こんなにも、自分が冷静でいられているのか。

 

 

「ほらよっ……!」

「ゴゥッ!?」

 

 

 

 何故こんなにも適切な判断を下せているのか。

 

 

 

「グッ…ウウゥ……!」

「……」

 

 

 

 槍に付着した血液を振り払いながら、蓮司はそんな事を考えていた。

 

 

 

「……ガルゥア!!」

 

 

 怪物が一気に距離を詰め、そのまま豪腕を振り上げる。そしてそのまま隕石の如く勢いをつけて振り上げた。

 

 

「よっ」

 

 

 しかし蓮司は一歩後退して着弾点をズラす。それにより豪腕は地面へと衝突。

 

 

 

「カァァッ!!」

 

 

 

 隙を見せぬように怪物は別の腕で追撃を行う。だがまたも蓮司は後退して衝突を避けた。

 

 

 怪物の顔が段々と歪む。

 

 

 

「!!」

 

 

 

 腕による攻撃が効かないと悟ったのか、今度は身体を回転させて下半身から伸びる巨大な尾で地面を巻き込んでなぎ払う。

 

 

「はっ…!」

 

 

 

 この攻撃は当たるかに見えたが、蓮司はこれを見据えていたかのように、槍を支柱に空中へと身を乗り出して回避した。

 

 

「グッオォ……!」

 

 

 回転に勢い余ったのか、怪物の身体が一瞬だけよろめいてしまう。

 

 その油断を、彼は見逃さなかった。

 

 

 

「ふっ!」

 

 

 

 空中からの着地を決めた瞬間、蓮司は怪物との距離を一気に詰めて懐へと回り込む。そして怪物の腹部に一閃、横へとなぎ払った。

 

 

「グルゥゥ……!?」

 

 

 傷口から流れ出る鮮血を身体に浴びながら、蓮司は怪物の身体に一蹴り入れて距離を離した。

 

 

「どうした?かかってこいよ。俺はまだまだピンピンしてるぜ?」

 

 

 怪物に挑発をかました蓮司ではあるが、自分の内では何か、自分が変である事を感じていた。

 先程、己が殺すと決心した、その瞬間からだった。突然身体が軽く感じて、相手の何処を見るべきなのかを判断出来たのは。

 

 相手の連撃を、その軽くなった身体で上手く躱し、相手はどうなっているのか観察した。

 

 そして気付いた時には相手の動きは読み取れ、更に相手の弱点をも暴いていた。

 相手の攻撃は単純。ただ腕を振り回して、当たらないと思った時に角、又は先程のように尻尾による攻撃を加えた。

 弱点は顔面と腹部。それ以外は硬い甲殻で覆われていて、最悪槍が折れてしまう。

 

 

 そんな情報を彼は物の数分で暴き出した。暴き出した上で、彼は一つの作戦を考案し、そしてその作戦を既に()()()()()()()

 

 

 

「……ゥゥゥルウアアアア!!」

 

 

 

 挑発を受けてなのか、怪物は翼を展開させ一気に距離を詰めようとする。その姿は今まで以上に殺意が篭っていた。

 

 

「……っても、もう終わりだがな」

 

 

 だがしかし、その強大なる殺意は今の蓮司にとっては子犬が可愛らしく威嚇しているとしか思っていない。

 

 

「ふっ!!」

 

 

 鋭い眼差しを標的に向けながら、蓮司は持っていた大槍を勢いをつけて前方に投擲する。槍の進行方向には当然、迫り来ていた怪物が。

 

 

「!グゥ!!」

 

 

 だが勢いをつけていた割に速度はさほど高くなかった為、怪物は右に急旋回してその攻撃を回避した。そして着地した怪物はすぐに蓮司へと駆け出そうとする。

 

 

 その時、怪物は背筋を震わせた。

 

 

 

「阿呆だな、今のは陽動に決まっているだろう」

 

 

 

 とても低く、そして冷たい『整音』。

 

 視認されただけで刺し貫かれた感覚に陥る程の『眼光』。

 

 そして何より異質なのは

 

 彼から発せられた恐ろしく凶暴な『殺気』。

 

 

 

「本命は、()()()()

 

 

 その一言を呟くと、彼は地面に設置した陣に足を踏み入れる。

 

 

 

 次の瞬間、怪物の周囲が青く光り輝いた。

 

 

「!?」

 

 

 これが彼の考えた作戦。戦闘の最中、相手からの攻撃を躱しつつ陣を作成する為のクナイを要所要所に設置していた。

 そして設置が完了した所で彼は怪物との距離を離すと同時に、自分は陣の範囲内から離脱、怪物を陣の中に残したのだ。最後の槍投げは怪物を円の中心に誘い込む為、謂わば最終調整の為であった。

 

 

「グッ……ゥォォオオ!!」

 

 

 この時に怪物は悟った。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と悟ったのだ。

 

 ならば奴の取る行動はたった一つ。それは逃亡であった。目の前にいる敵が何かをする前に上空へと逃げて仕舞えばいい。

 

 翼を展開させて空へと羽ばたいた怪物は『これで生き残る』と本能的に感じ取った。

 

 

 

 

「最後まで俺の()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 怪物はまたも背筋を凍らす。

 それはあり得ない事だった。上空に飛び去ったのならもう聞こえない筈の声。その声が聞こえた気がしたのだ。

 

 

 

 不穏な風が、怪物の身体を撫でる。

 その風は明らかに妙だった。何故ならそれは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()それがまるで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 怪物は一度静止して、下を見下ろす。何もない事を確かめる為に。迫りくる『絶望』はない事を証明するために。

 

 

 だが、その行動が致命的となった。

 

 

 

「……!?」

 

 

 

 その光景に、怪物は『絶望』した。

 

 

 目の前に現れたのは、怪物以上の巨大な()()()()であった。その竜が、鋭い牙を立てて此方に迫っていたのだ。

 

 

「ガァ!?」

 

 

 回避しようとするも時既に遅く、竜の牙は怪物の腹部へと減り込んでそのまま空へと駆け抜けていく。

 

 予想だにしない程の速度と、それによって生じる圧が怪物を襲う。

 

 怪物はもう、唸り声を上げる事はなかった。

 

 

「……」

 

 

 突然として竜の進行は収まった。だが、怪物に掛かった速度は止まる事はなく、そのまま放り投げられる形で宙を舞う。その間、身体はピクリとも動かない。

 

 

「……」

 

 

 落下途中、怪物は奇遇にも蓮司の姿を目に映った。

 

 

 その殺意は未だに消える事なく、寧ろその殺意は益々膨れ上がっていた。

 

 

 

 今の姿を例えるなら、正に『悪鬼』そのもの。

 

 

 

 

 その殺意に刈り取られるように、怪物は意識を失い、そして地面へと衝突した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 気分がフルスロットルすぎて文が大変な事になってるかも。
 でもそれ以上にメリッサがカバーされるのが嬉しみなんだよぉ!

RASのメンバーを出したいと思っとるんだけど、誰が最初に見たい?

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