どうも、錬金術師で女の子の友達が多い転生者です   作:シュリンプ1012

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気がついたら、お気に入りが百人超えていた……!
ぬふおおおおおおおおおおおお!?!!!?



ふう……




朝はパン♪昼もパン♪夜もパン♪……は胃がもたれるからなるべく避けたい

 

––––––貴様は、何になりたい?

 

 

ふと、誰かが俺に語りかける。老人のような声だ。だが何故だろう、その老人の声には、威厳のある人だ、と想像する事が出来た。そう思ってしまう程に、この声には()()の感情が感じられた。

 

 

––––––貴様は、新たな命を持って何をしたい?

 

 

老人の声が俺に問いかける。

何をしたいか?それは……何を…したいか……

 

 

–––––目的も無く力を振るえば、いずれは貴様自身が

壊れていく–––––

 

 

眼前に何かが現れた。だが、現れた()()

説明するには少し難しい。ただ、一言で表すのならば…

 

 

 

––––例えるならば…

 

 

それは、何処からか出てきたのか、腕のような所からサーベルを出して、それを掴む。

 

 

––––このように、な

 

 

サーベルを持つ手がピクッと動いた気がした。

だが、そんな考えをも切り刻むように、俺の視界が

パラパラと崩れていく。

 

 

 

 

–––––()()を一言で表すなら、それは–––

 

 

 

 

––––()()––––その物だった。

 

 

 

……

…………

………………

……………………

 

 

 

 

「……んぁ?」

 

気がつくと、俺は夢から抜け出していた。

……何だろう、さっきの夢は何か大切な事を言われていたような気がする……。

俺は眠気眼のままベットから降りる。そのまま壁に

設置された時計を見る。時計は九時ちょうどを指していた。

 

……あ、やべぇ学校遅刻じゃね?

 

 

「……って、今日土曜だった」

 

 

時計の下にあったカレンダーを見て思い出す。

そう、今日は土曜日。金曜日に入学式あるのってうちだけな気がする。……え?普通だぞって?いやいやそんなまさか……。

 

 

「とりま、着替えて下降りるかぁ」

 

 

取り敢えず、こんな所でグダグダしていても仕方ないので、俺は私服に着替えて、茶の間に行く事にしたのだった。

 

 

 

〜〜俺、移動中〜〜

 

 

 

 

下に降りて茶の間に着くと、テーブルにラップの掛かったパン二個と、置き手紙があった。手紙には、

 

「お母さん、仕事いってくるね〜!

お昼は棚にあるお金使って何か買って食べて!

 

あと、早起きはちゃんとするんだぞ〜!」

 

と書かれていた。

お母さん、余計なお世話じゃ。こっちだって睡眠時間は多く取っておきたいんじゃ。

 

 

「……っと、お金お金〜っと」

 

 

棚の中を拝見する。棚の中はごちゃついているように見えて、実は綺麗に整理されている。だから、財布を見つけるのも楽ちんだ。……あ、財布発見。

 

「中身はどれくらいかなぁ……」

 

財布の中身を確認する。

財布の中にお金入ってなかったら、お昼抜きになっちゃうんでね。今のうちに確認しておいて損はないだろう。

 

「……ふむ、五百円か」

 

財布の中身には、五百円玉が一枚。

これぐらいなら、パンの一個二個は買えるだろう。丁度、山吹さんの店にも行って見たかったし。

 

「確か、山吹さんのパン屋って商店街にあるとか言ってたなぁ……」

 

俺は昨日の事を思い返す。

山吹さんは商店街にお家があると言っていた。

……だが、この世界に生まれてこの方、商店街に行った事が一、二回程しかない。しかも、それはお母さんが俺と幼稚園から一緒に帰る時だったため、あまり覚えていないのだ。もしかしたら、その時にパン屋に行っているかもしれない。

 

「……そんじゃ、今日の予定は商店街の探索でもするかな」

 

なんか小学生が考えそうな事だと思いつつも、今俺って小学生じゃん、と自分で自己解決していた。

 

……ん?これ自己解決してなくないか?

 

 

 

…………………

…………

………

……

 

 

 

 

朝食を食べ終えた俺は、ショルダーバッグを背負い、一人商店街に向かっていた。春とは言えまだ少し肌寒いだろうと思って長袖長ズボンで出たものの、外は雲一つ無い快晴だったので、気温はそこまでではなかった。

 

幼稚園では親がいないと外出許可は下りなかったが、昨日から晴れて小学生になったため、一人で出歩く事が出来るようになっている。商店街までの道のりは、そこら辺を歩いている老人さん達に聞いて行く事にした。

正直、人に話しかけるの嫌なのだが。まぁ、そこは何とか耐えた。偉いなぁ、俺()

 

「あ、着いた」

 

気がつくと、目的地に着いた。と言ってもパン屋に

着いた訳では無いので、今度は商店街を散策する事になる。

うーん、足が痛くなりそう(小並感)

 

 

 

 

〜〜散策中〜〜

 

 

 

 

散策して十分程経過。パン屋を発見した。俺はお店の看板を見る。

 

「山吹ベーカリー……ここか」

 

名前に『山吹』と書かれているので間違い無いのだろう。

よし、入るか。

そう思った俺は少し高い位置にあるお店のドアノブに手を掛ける。

はー、ホンット小学生の身体って不便……

 

 

 

––––その時だった。

 

 

「お母さん!?しっかりして、お母さん!!」

 

店内から、何やら悲鳴が聞こえた。この声は先日聞いた声。つまりは……

 

「……山吹さん!?」

 

俺は勢いよく扉を開ける。店内には女の人が倒れており、側には山吹さんが倒れた人を揺すっていた。

 

「お母さん!お母さん!!」

「山吹さん!どうしたの!?」

 

俺の呼びかけに山吹さんがはっと気づく。どうやら、

俺が店内に入って来た事に気付いていなかったようだ。

「お母さんが……急に倒れちゃったの……!」

 

山吹さんが涙ながらに話す。

お母さん……あれ、山吹さんのお父さんは何処にいるのだろうか。

 

「山吹さん、お父さんは?」

「お父さんは……さっき小麦粉を買いに行ってくるって言って……出て行っちゃった」

「……むぅ」

 

俺は思わず唸った。

うーむ、お父さんは今買い出し中か……。

 

「お父さんが出て行った時間って分かる?」

「えっと、確かあの時計が十五分って所を指してた……」

 

山吹さんが時計を指さして教えてくれた。

今の時間はちょうど十時。そろそろ帰って来てもいいはず。なら、俺のすべき事はいくつかある。まずは…

 

「山吹さん」

「グスッ……何?」

 

俺の呼びかけに山吹さんがこちらに顔を向ける。

その顔は涙で濡れていた。

 

「取り敢えず、山吹さんは落ち着いて?そうしないと

お母さんが起きた時にびっくりしちゃうよ?」

「……!うん!」

 

山吹さんが涙を拭う。まず一つ目は山吹さんを落ち着かせる事だ。あのままでいれば正常な判断が出来ない。なので山吹さんを落ち着かせるようにしたのだ。

俺のびっくりしちゃうという発言で泣き止んでくれた辺り、どうやら山吹さんはお母さんの事が本当に大事なようだ。

 

よし、次。

 

俺は山吹さんのお母さんに目を向ける。お母さんは目を瞑り、ハァハァ、と苦しそうに息をしていた。額には汗を流しているのが分かる。

 

「ハァハァ……さあ……や…?」

「!お母さん!!」

 

すると、お母さんが目を覚ました。お母さんが目を覚ました事により山吹さんが駆け寄る。

 

「沙綾……?ダメじゃない、そんなに泣いていちゃ。

せっかくの可愛いお顔が台無しよ……?」

「お母さん……!!」

「それと……そこの…君……?」

「あ、はい?」

 

お母さんが突然俺を呼びかけた。その顔色はまだ悪そうだ。

 

「ごめんない……お客さんよね?すぐに…ゲホッ!」

「!!ちょっと!」

 

無理に立ち上がろうとしたお母さんだったが、体勢が崩れ、倒れそうになる。それを俺が何とか阻止しようと、お母さんの身体を支える。

 

あ、意外に軽い。

 

「……ってそうじゃない、そうじゃない。山吹さんのお母さん?あんまり無茶しない方が……」

「私は……大丈夫…よ?……ゲホッゲホッ!」

「ほら、言わんこっちゃないですよ!」

 

俺と山吹さんを安心させようとするが、直ぐに咳き込むお母さん。

取り敢えず休ませないと……お店の奥で休ませた方が良いか?

 

「山吹さん」

「な、何?」

「お母さんを取り敢えずお店の奥に運ぶけど、大丈夫かな?」

「う、うん!…あ、なら私も」

「ごめん、助かるよ」

 

流石にお母さんが軽いとは言えど、相手は大人だ。

こんなひ弱な身体では奥まで運びきれない。なので

俺は山吹さんの申し出を受け入れた。

……男なら一人で運べよとか思った奴、あとで表出ろ。俺のゴットブロー(ダメージ10)を食らわせてやるぞ?

 

 

 

 

〜〜お母さんお運び中〜〜

 

 

 

 

お母さんの足を引きずりながらも、何とか運び終えた二人。運び終えた後はお店の中にあった椅子に腰掛けていた。

 

「お母さん……」

 

山吹さんはまだ少しだけだが泣いていた。

……確か、バッグにハンカチが入っているはず……あ、あった。

 

「はい、山吹さん。これで涙拭いて」

「あっ…ありがとう」

 

ハンカチを受け取ると、山吹さんは頰に薄っすらと浮かぶ涙を拭う……と思ったら、なんと鼻をかみ始めた。

 

「グスッ……ありがとう…」

「えっ……」

 

そして、かんだハンカチをこちらに差し出してきた。

……うん、確かに変態な人達にとってはご褒美以外何物でもないんだろうけども。俺変態じゃないから、これはちょっと……。

 

「いや、良いよ。それあげる…」

「え、良いの?」

「ウン、ベツニイイヨ」

「え、でも「ただいまー!」あっ」

 

店内にチャリンッと鳴り響いた。どうやら山吹さんの

お父さんが帰ってきたようだ。

 

「いや〜、すまないすまない。小麦粉を選ぶのに時間が掛かってしまった!……あれ?沙綾、お母さんは?」

「お父さん!!お母さんなら「私ならここにいますよ」お母さん!!」

 

おうおう、色々な事が起こり過ぎてワケワカメだよ。

お父さんが帰ってきたと思ったら?お母さんが奥から登場……ってお母さん回復早ァ!?

 

 

 

…………………

…………

……

 

 

 

事情を山吹さんのお父さんに話した所、お礼に!というわけで、メロンパンを一つ貰った。

うん、美味しい。あ、後山吹さんってここでお手伝いをしているそうな。昨日直ぐに帰ったのはその為だったんだなぁ。

あ、それと山吹さんのお母さんが、

 

「今度お手伝いを頼むかもしれないわ!」

 

みたいな事を、山吹さんの頭を撫でながら言っていたから、またお世話になるかもしれない。

ヤッタァ٩( ᐛ )وマタメロンパンモラエル〜。

 

……撫でられてる山吹さんの顔めっちゃ紅かったけど、大丈夫だったのか…?

 





ぬーん……更新遅くなるとか言っておきながら、まあまあ早いとは……は!?これはまさか、更新遅い遅い詐欺!?
……なんて思われそうなので、取り敢えずそういう事は言わないでおく事にします。
いつ更新されるか分からなくてドキドキするでしょう?(全く要らない要素)

RASのメンバーを出したいと思っとるんだけど、誰が最初に見たい?

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  • マスキング
  • パレオ
  • チュチュ

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