ゆずサイダー1リットルとか余裕だわ
「のび郎、お手紙が来てるわよ」
机で宿題をちょうど終えたところにママから声がかけられた。
「はい、今行きます」
手紙、はて?誰からだろうか?
そんな疑問に頭をひねりながら手紙を受け取りに下に降りた。
「のび郎ちゃん、モテモテねぇ」
笑いながらママが手紙を渡してくる。
差出人を見ると見知った名前が書かれていた。
伊藤つばさ、丸井マリ、神成ミズエ。
見知ったどころか付き合いの長い友人である。
誰がなんと言おうと友人である。
友人以外の選択肢はない、多分、きっと、Maybe。
すぐに中身に目を通す。
内容は割と単純でまとめると上から。
伊藤つばさ。
『誕生パーティーに来てください』
丸井マリ。
『ライブに来てください。チケット送ります』
神成ミズエ。
『近々会いに行きます』
との事。
「…………(白目)」
ここはあれだ、お約束を叫ぼう。
「ドラえもーん!!」
★
初めまして、無良竹かぐや11歳です。
私は元々未来デパートの商品であるかぐやロボットでしたが、今私が住んでいる家のび家の長男・野比のび郎さんにこの身を買われ(重要)、のび郎さんのお嫁さん候補として花嫁修業を行っております。
本来ならば、満月の夜に記憶をリセットされ繰り返し次のお客さんのところへ向かうのですが。
のび郎さんは、それをよしとせず私を哀れに思い、私に自由を与えてくれました。
私自身、前までの記憶がない状態でしたので何が起こるか分かりませんでした。
ですが、メモリにフィードバックがあったせいか次の満月の夜に私はここを去らねばならないんだということはわかりました。
私はそれが嫌でした。
でも、私はロボット。プログラム通りにしか動けません。
心が嫌だと思っていても頭は刻まれた通りのプログラムでしか動かせません。
ですがのび郎さんを始めお友達やパパさん、ママさんは抗ってくれました。
私はそれがとても嬉しかったのです。
最後の満月の夜。のび郎さんは、私を籠の中から外へと自由にしてくれました。
嬉しかった。
もう、お別れをしなくてもいいんだと思うととても嬉しかったです。
ですが、のび郎さんがくれた言葉はあまりにも非情でした。
「これで自由だな、どこにでもいけるぞ」と。
乙女に対してとてもひどいと思い誠に憤慨です。
個人的には、俺の物だとか、もう離れないとかそういうセリフが聞きたかったです。
後から源静香さんに話すと苦笑しながら確かにと同意を貰えました。
私は間違ってなかったのです!
それからは少女漫画なるもので恋愛なるものを勉強しております。
それからというもの毎日のようにのび郎さんにアタックしていますが、なかなかいいお返事かいただけません。
この身を自由にしたのはのび郎さんなんですからね!
なんせ、私はかぐや姫。
惚れられたことはありましたが。
惚れることはありませんでした。
あなたはかぐや姫を恋に落としたんです。
きちんと責任とってもらいます。
陰キャに大食いとか無理やったんやOrz
この作品ではかぐやちゃんは割とメルヘンというか脳内スイーツです。
惚れたからね仕方ないね!