日記帳。   作:⚫︎物干竿⚫︎

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さて、最近更新する度に次の更新までの時間が空いている気が……


勇者。

 

↓月!日

 

 

 

エリユ様が白い翼の生えた女の子を拾って来て数日が過ぎました。

集会で女の子は引き続き、エリユ様のところに置くことになりました。それにしてもエリユ様が慌てているのを見るのは少し新鮮です。

 

まぁ、女の子の扱いは大変ですからあれやこれと苦労するのも仕方がありませんか。と言うか、私もどうしたら良いのか良く分かりません………

 

 

それは置いておいて、今日はとんでもない来客がありました。魔王の側近達が一同にやって来たのです。ついにこの村を侵略しに来たのかとも思いましたが、そうではなくただこの道具屋に用があっただけのようです。

 

……勇者としてこの発言はあまり良くないのかもしれませんが、全く勝てる気がしませんでした。それどころか体がすくんで動けませんでした。あの側近たちの中で一番弱いであろうミノタウロスですら、勝ちが見えません。特に魔王のように人間と酷似した姿の魔族。あれは特に危険です。おそらく他の側近三人を束ねても一蹴出来そうなくらいの力を感じました。

 

とりあえず、エリユ様はエリユ様でした。側近達に全く怯えることも無く普通に話をしていましたし、それどころか商談まで……エリユ様どこまで商売命なんですか。

 

 

 

↓月ー日

 

翼を持った女の子が一緒に道具屋で働くことになりました。エリユ様が言うには、「あまり広いわけでも無い家の部屋を貸してるんだから、少しくらい役立ってくれ」だそうです。

 

……あんな小さい女の子に仕事で負けるなんて……

私や魔王がまごつくようなこともあっさりとこなしていました。なんて言うか、泣きたいです。

 

そもそもエリユ様もエリユ様です。私や魔王の時はあんな丁寧に教えてなかったじゃないですか。年齢? ……どうせ年増ですよ……

 

 

 

↓月/日

 

 

今日は女の子の名前を教えてもらいました。ティエルちゃんと言うそうです。

そして、エリユ様がユゥナ様に叱られていました。普段怒らないユゥナ様が完全に怒っていました。ちょっと口悪く言うと、完全にブチキレていました。なんでも、私や魔王の名前を聞いていないことについてだそうです。

 

そう言えば、自己紹介してませんでしたね……ここで働き始めてそれなりに月日が経っているのに、いや勇者様とか魔王様と呼ばれるので、それはそれで通じていましたし、こちらもそれで特に困っていませんでしたし……うん。でもやっぱり名前は知っていて欲しいですね。

 

 

恥ずかしそうに私と魔王の名を呼ぶエリユ様が可愛かったです。

それはそうと、魔王はユーリアと言う名前なんですね。まぁ、名乗られたわけですし、これからはちゃんと名前で呼びましょう。

 

 

 

↓月¥日

 

 

今日は村全体がお休みです。そして、ここだけじゃなくて国のあちこちが休日でしょう。今日は王国の建国記念日。きっと都ではお祭りでもしていることでしょう。まぁ、リーツ村には関係ありませんけどね。

 

 

それにしても、これだけ平和で魔王もすぐそばに居る。とても、魔物と人間が争っているとは思えません。

ユーリアが侵攻を推し進めていた者たちを完全に抑え込んでいる様で、事実上の休戦状態なんですけどね。

 

本当にユーリアと一緒に居ると、私の中での魔物像がたたき壊されていきます。率先して平和を守ろうとする魔物の王だなんて、考えたこともありませんでした。

 

それでもきっと、私達は互いに相入れることはなくて……剣を向け合うのでしょうね。

 

 

珍しくエリユ様が泥酔して帰って来ました。

 

 

↓月@日

 

 

ここ数日エリユ様の調子があまり良くありません。どうやらこの前の泥酔がまだ尾を引いている様です。

帳簿の計算を間違ったり、いつものエリユ様なら絶対にしないミスをたくさんしていました。生来エリユ様はきっとあまりお酒に強くないのでしょう。

 

とか思っていたらエリユ様が倒れました。皆で慌てて介抱して、夕方頃に目を覚まされましたけど、自分が倒れたことに気付いていなかったようです。どれだけ体調不良だったんですか!?

 

……まぁ、元気になられたみたいですし良かったです。

 

 

最近、店の陳列棚に魔界のものが増えました。薬が凄いです。人間が使っているものより質も良くて何より安い。ルカが「負けた……」と両手両膝をついて落ち込んでいました。ああ、シドウ様の道場の門下生達の無茶が更に酷くなる様が目に浮かびます……

 

 

 

↓月£日

 

 

リーツ村に王国の軍隊が攻めて来ました。流石にユーリアの存在がバレたみたいです。

かなりの規模でした。まるで城を攻め落とそうとしているのではないかと思うような軍勢。それを前にユーリアはただ1人で立ち向かって行きました。

 

 

……結果として言えば、ユーリアの圧勝です。

雨霰と降り注ぐ魔法や矢を、自身に向かってくるものはもちろんのこと、狙いが逸れて村に向かってきたものまで全てを打ち払い、その上無傷で軍勢を崩壊させました。それも1人の四人も出すことなく、

 

つまり、あれだけのことをやった上で更に手加減をしている……これが魔物の王たるユーリアの本当の実力のほんの一端……

 

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