日記帳。   作:⚫︎物干竿⚫︎

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幼馴染。

 

 

↓月!日

 

 

羽のついた女の子はユー君のところで預かることになって、少し賑やかになった。で、ユー君は何をしたら良いのか分からなくてあたふたとしてる。それでも仕事は完璧にこなすあたりは流石だね。

 

嫁さんでも居たらって、私の前でなんで言うかな? それって、誘ってるの? 嫁に来いって。まぁ、ユー君のことだしそれは無いんだけどね……そうじゃなかったらとっくに……うぅ〜、日記に何書いてんだろ。

 

 

それはそうと、今日はお店に凄く濃い面子のお客さんが来たっけ。魔王さんの側近で、四天王とか呼ばれてるらしい四人なんだけど、牛と人が合体したような珍妙な魔物のミノタウロスの人は見た目の割に紳士的な態度で、驚いたっけ。暗黒騎士さんは名前通りの感じで、あんまり関わり合いたくはないかな。吸血鬼さんは……うん。ユー君には絶対近付けさせない。最後に男の人が居るんだけど、なんて言うか普通すぎて、特に印象に無いんだよね。

 

まぁ、全員が全員存在感が圧倒的過ぎて、膝がガクガク言わなかったのは奇跡的だったね。

ユー君はうん、いつも通りだったね。普通に側近の人達とお話しして、しれっと仕入れルートの開拓までしてるし……なんて言うか、遠い未来にユー君の名前が残ってそう……

 

 

 

↓月ー日

 

 

羽のついた女の子が一緒に働くことになった。まぁ、見たところは14歳くらいだろうし、働かせても問題は無いんだけどさ、「暇そうだったし」って理由はどうなのかぁ……まぁ、本人も納得してるみたいだし気にし過ぎてもダメだよね。

 

女の子の仕事ぶりは良くも悪くも普通ってところかな。まぁ、私が働き始めたばかりの時の魔王さんや勇者様に比べれば要領は良いんじゃないかな? まぁ、そんなことはどうでも良いんだけど、お店に来るおじさん達の女の子を見る目がなんて言うか犯罪的だね。

 

流石にユー君もちょっと失敗したかって悩んでた。

 

 

 

↓月/日

 

 

今日はちょっと本気でユー君に怒った。だって、あれだけ一緒に居て魔王さんや勇者様の名前を聞いてないなんて2人に失礼だよ。だから、今日の私はちょっとばいおれんす? ってやつだよ。

 

ことの発端は朝のちょっとしたお話しの時だったんだけど、女の子が名乗った時にユー君が魔王さんと勇者様を見て、「そう言えば2人の名前も聞いてなかったっけか」とか言ってて、思わずね。

 

2人のユー君への気持ちは私もわかる。だからこそ、ちょっとユー君が許せなかった。

 

 

「あの、ユゥナさん? ちょっと脚が痺れたを通り越して感覚が……」

 

「まだ話は終わってないよ? だから、その姿勢崩しちゃダメだよ」

 

 

お説教とかを経て、ユー君は魔王さんと勇者様のことを名前で呼ぶことになった。

魔王さんがユーリアで勇者様がアリス。ちなみに女の子の名前はティエル。

 

 

 

↓月¥日

 

 

今日はお休みで、みんなでゆっくりとしてる。でも、ユーリアは側近さんに引っ張られて行って、村には居ない。たぶん今頃は魔王としてのお仕事に忙殺されてるんじゃないかな。

 

この前から2人をさん付けして呼ぶのをやめて、呼び捨てにするようにした。だって、みんな同じライバルなんだもん。魔王とか勇者とか村娘とか関係ない。

 

 

ユー君は村の男の子達とお酒を飲みに出かけてて居ない。別に良いとは思うけど大丈夫かなぁ?

私はアリスやティエルちゃんと一緒に村の女の子達とのお茶を楽しんだ。

 

とりあえず、夜に帰って来たユー君はべろべろに出来上がっていたのは言うまでもない。

 

 

↓月@日

 

 

最近、ユー君の調子があまり良くない。この前のお休みの時のお酒がまだ尾を引いてるみたい。

珍しく帳簿の計算をミスしたりと細かいミスが多い。と言っても、そのミスは全部きちっと自分で修正してるから私達にそこまで負担は増えてない。

 

ユーリアがユー君の様子を見て、心配してたからこの前のことを話すと、「珍しいこともあるのだな」とそう言って、いつも通りの仕事に戻っていった。

 

……何事もないと思ってたら、ユー君が倒れた。なんの前触れもなくいきなりバタンって糸が切れた人形みたいに。当然慌ててみんなでユー君の介抱をした。

 

先生が言うには、一晩でも寝れば元通り元気いっぱいのユー君に戻るそうだけどやっぱりちょっと心配。

 

 

お店に魔界の品々が並ぶようになっていよいよ本格的に地方の田舎村の道具屋じゃなくなってきた。

薬関係が飛ぶように売れる。傷薬一つを取っても、これまで仕入れていたものやルカちゃんが作って納品してくれている物よりもこうかがたかくて、何より安い。ルカちゃん曰く「薬師廃業モノ」らしい。

 

はぁ。これでまたシドウさんのとこの道場の門下生の男の子達の怪我が一段と増えるね……

 

 

 

↓月£日

 

 

今日は私の人生と言うかリーツ村の歴史でも、ユーリアの来訪に並ぶ事件が起きた。

ユーリアの存在を知った王国が、リーツ村に軍隊を差し向けてきた。それも人口が千人もいない居ない小さな村に向かって千人規模の大軍勢。

 

まぁ、ユーリアの1人リアル無双で全てにカタがついたのは言うまでもなかった。

最近、忘れがちだけどユーリアは魔王なんだよね。力だけで全ての魔物を抑える魔の王。そんなユーリアの前じゃ軍隊も意味がないんだね……

 

 

リーツ村を訪れる旅人が居なくなった。いや、居るには居る。人間じゃなくて魔物だけどね。

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