◼︎月♻︎日
店は知り合いの大工に修理を頼み、仮設店舗で営業は再開している。
ちなみに店をぶっ壊してくれた張本人の魔王様と勇者様には店員として強制労働してもらってる。て言うか、魔王様が言い出した。
俺としては店の修理代と慰謝料と迷惑料に駄目になった在庫の分の金を用意してくれれば良かったんだが、金の話になった途端に勇者様も魔王様と同じように働いて返すと言い出した。
美人店員が同時に2人も出来たと内心喜んだけども、魔王と勇者。こんな2人が店員で大丈夫か?
とりあえず、今日はそこそこ客が来た。
◼︎月℃日
我が道具屋の美人店員こと魔王様と勇者様だけども、ことある度に喧嘩を始める。喧嘩すんのは結構だけども、働いてる最中にするな。剣を出すな。魔法ぶっ放すな。
勇者様の仲間だと言う連中がやって来た。勇者様仲間居たのな。
両手剣を担いだ戦士の男に、使い古した灰色のローブに同じく使い古しくたびれたとんがり帽子を被った女性。最後に教会の司祭が着てるようなのを動きやすく改造したのを着た賢者の女性の3人だ。
とりあえず、魔王様見てガチバトルを始めようとするな。商人の鉄拳制裁で黙らせて、村唯一の宿屋に押し込んだ。
で、色々と話をするために今日は夕方の日暮れどきくらいに店を閉めて、宿屋に向かった。
はい。勇者様の仲間方、俺は大変怒ったぞこの野郎ども。今日の俺はちょっとバイオレンスですよ?
勇者様の仲間のおかげで今日は満足行く商売が出来なかった。
◼︎月➰日
互いに悪口を言い合いながらも、魔王様と勇者様は仕事が出来るようになって来た。いい事だ。
勇者様の仲間の魔法使いさんが、薬草とか色々と買いに来た。なんでも、秘伝の薬を作るんだと。まぁ、頑張れ。
ちなみに勇者様の仲間の連中だけども、各々、自由にこの村で生活してる。戦士は自慢の腕力をと体力を活かして、畑仕事を手伝ってるらしく、賢者さんは豊富な知識を活かして、村の子供達に勉強を教えてる。で、魔法使いさんはあんな感じに薬を作っては売ってる。
あ、ちなみに勇者様は常駐でここで働いて貰ってるけども、魔王様は魔王としての仕事もあるそうなので時折抜けてる。まぁ、あの人がやってる事を考えれば止める必要は無い。
人間と魔物が戦わずに済むようになれば俺もいいと思う。俺達商人からすれば、あわよくば魔物達との商売も出来ればいいと思う。
勇者様達は魔王様に対して半信半疑だ。
空ビンが少し余ってる。
◼︎月†日
今日は店は休みだ。流石に連日休みなく働き詰めはキツイ。それに勇者様をあんまこき使うなと仲間の連中もうるさいし。
で、どう言うわけか勇者様と手合わせをすることになった。
結果から言って、俺が勝った。おいおい一介の商人に負けるようで、本当に世界を救えんのか? ま、この勇者様が頑張らなくても、魔王様の努力次第で世界は平和になるさ。
それにしても、泣きじゃくる女性の介抱はどうしたらいいものやら……
とりあえず戦士。お前が勇者様に気があるのはよーく分かった。だからって、両手剣振り回すな。で、この戦士に賢者さんは気があると……うわぁ。
魔法使いさんに薬を貰った。どんな薬かは教えてくれなかった。
◼︎月∴日
今日は凄い大雨で、全然客が来ない。で、負かして以来、勇者様が妙に馴れ馴れしいと言うかなんと言うかよく分からん。今日は朝から魔王様は居ない。
今日最初の客は、村長とこの娘で俺の幼馴染だった。村長の爺さんが熱出したみたいで、解熱剤を買いに来たらしい。
ちなみに魔法使いさんのおかげで俺の店の薬類の品揃えは豊富になった。
なんか執拗に勇者様と魔王様の事を訊かれた。2人はただの店員でそれ以上でもそれ以下でもないぞ?
渋々納得って感じで薬を買って、幼馴染は帰って行った。なんだったんだ?
今日は結局、幼馴染の後に客が来ることはなかった。
◼︎月☑︎日
今日は村に珍しい客がやって来た。なんと王子様と姫様の兄妹がお忍びで村に来た。まぁ、俺としては誰が来ようとどうでもいいんだけども。
なんか、妹の姫様はともかく、兄の王子様がウチの店にケチを付けやがった。菓子が少ない? 当たり前だろ。ウチの店は道具屋だ。菓子が食いたいなら、菓子屋にでも行ってろ。
勇者様は姫様を猫可愛がりしてて、店員として役立ってない。だから、暇そうにしてた戦士を引っ張って来た。金の事を話せばすんなりと諒解してくれた。ん? それは強請りだって? 気にするな。
引っ張って来たは良いんだが、この戦士マジ脳筋で役に立たない。だから、代わりに賢者さんを使うことにした。こっちは問題なかった。てか、勇者様より使える。
ここ最近、最高の売り上げだ。まぁ、魔王様と勇者様に受けた損害にはまだまだ届かんけどな。
◼︎月◆日
久しぶりに魔王様が店にやって来た。よーし、キリキリ働いてくれよ魔王様。
勇者様? ちょっとおつかいを頼んでて店には居ない。
魔法使いさんの作った薬を棚に並べる。いつの間にか、魔法使いさんはウチの店専属の薬師になっていた。
ところでいつになったらウチの店(真)は修理が終わるんだ? え? 森に住み着いた魔物のせいで材木が取れなくて修理が出来ない?
こんな時こそ勇者様とその仲間の出番だろ。勇者様に頼むと、笑顔で二つ返事してくれた。よし、行って来い。
勇者様達の活躍で魔物が森から去り、ウチの店の修理が再開された。さっさと直れ、俺の城。