日記帳。   作:⚫︎物干竿⚫︎

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道具屋。

 

 

▶︎月★日

 

 

ついに……ついにっ!!! 俺の城が元に戻ったぞー!!!

 

とまぁ、そんな感じで店が直った訳だから、仮設店舗からそっちに戻って、仕事開始。

魔王様も勇者様も喧嘩はしないし、物凄く気分がいい。

 

と、なんでか分からんが、幼馴染のユゥナがいきなり働かせて欲しいと言ってきた。

 

急にどうしたものかと思うが、とりあえず働いてもらうことにした。で、この判断は正解だった。

 

ユゥナの指導で魔王様と勇者様の作業効率がアップした。まぁ、ユゥナは俺と一緒に親父が商売してんの見て来たからなー、これくらいは出来るか。

 

 

 

とりあえず、店舗も新しくなって、気分一新。

 

 

 

『いらっしゃいませ!』

 

 

 

▶︎月∀日

 

 

今日も仕事は順調だ。魔王様と勇者様が喧嘩しそうになっても、ユゥナがそれを上手く宥めてくれてる。いやはや、これならもっと早くユゥナを雇っとくんだった。

 

戦士がいつの間にか、立派な鉱夫兼ファーマーになっててちょっとびっくりした。

なんか、最近は相棒の剣を担いでるより、ツルハシとか鍬の方がしっくり来るって言ってた。おい、それでいいんか?

 

 

村を訪れた流れの行商人にあんまり穏やかじゃない話を聞いた。王国の教会が、国のあちこちで異端狩りをしてるらしい。一応、気をつけとくか。

 

 

 

▶︎月〓日

 

 

朝、開店準備をしてたら、店の前に行き倒れを発見した。この辺じゃ見かけない格好をした異国の男だった。

 

とりあえず、飯とかを出してやると、よっぽど腹が減ってたのか、礼儀も何もあったもんじゃないくらい乱雑に無言で食ってた。

 

で、なんであんなとこで倒れてたのかを聞いてみたところ、東の国から出稼ぎにやって来たらしいんだが、道中で全財産を入れた財布をスられて文無しになって、なんとかこの村には辿り着いたがそこで力尽きて、今に至るそうだ。

 

まぁ、出稼ぎでやって来る傭兵は少なくない。

 

で、男が身につけているのは、東の国の民族衣装らしいものの上にこれまた東の国伝統の甲冑、腰に差した見慣れない細身のやや反った剣。甲冑の傷の具合などから見て、この男は直接剣で相手と戦う純粋な剣士みたいだ。それも、死線も何度も潜り抜けてる本物の剣士。

 

 

まぁ、何はともあれ、今日も店は盛況だった。久しぶりに魔王様と勇者様が喧嘩してた。まぁ、今日は店の外でやりあってた。ていうか、村の連中よ「もっとやれ」とか「負けんなよ魔王さん! あんたに賭けてんだからな」とか言ってんじゃねぇ。つか、賭けすんな。てか、 賭けんなら俺を通せ。

 

今日も賑やかな一日だった……賑やかな事と楽しい事は別問題だ。

 

 

 

▶︎月☑︎日

 

 

この日。村長の爺さんをはじめとした、村の中心人物達を集めて、会議と言うか次の村長をどうするかの話し合いが持たれた。

 

店はユゥナに店主代理を任せて、魔王様と勇者様にはいつも通り働いてもらってる。

 

 

で、なぜこんな話がされるかと言えば、村長の爺さんもいつポックリと行っちまうか分からないからだ。俺? 村長にはならねぇよ。ていうか、俺はウチの道具屋を守らにゃならん。村長なんてやってられない。

 

……なのに、なぜか満場一致で推挙された。

 

どういうことだってばよ。

 

とにかく、俺は村長になるつもりはない。

 

 

 

▶︎月➗日

 

 

参ったもんだ。なぜに俺が次の村長に選出されたのか、数日頭ひねって考えたけども分からん。

 

それはそうと、最近傷薬の類がバカ売れで、魔法使いさんが薬を作るのよりも売れてくやつの方が多い。理由は村の外れに出来た剣術道場の稽古もせいだ。

 

村の若いのが、こぞってこの道場に入門してる。なにやら、村を守るために剣術を覚えたいんだそうだが、道場の稽古は実戦的らしく日々、門下生達の傷が絶えない。そりゃあ、薬も減ってくってもんだ。

 

ちなみにこの道場の主は、この前の行き倒れ剣士のシドウ。

 

理由は分からんが、この村に腰を据えることにしたらしい。まぁ、村の住人が増えるのは悪いことじゃない。

 

ただ、出稼ぎについてはどうする気か考えてるらしい。

 

 

 

▶︎月⇔日

 

村に教会の一団がやって来た。

 

魔王様が居なくて良かった。もし、魔王様とこいつらが出くわしていたらと考えると恐ろしい。

 

この村にも一応、教会の寺院があるけども、司祭も居なければ修道女も居ない完全な形だけの教会だ。まぁ、ウチの村の連中は神様への信仰心は決して低くないから、自然と維持管理はされてて、お祈りを捧げたり、結婚式を行ってたりもする。

 

ついでに言うと、神様への信仰心はあるが、だからと言って司祭やらなんやらの言うことをそのまま鵜呑みにするようなのは居ない。こうやって、辺境とまで呼ばれるとこに住んでるからこそ分かるけども、魔物=悪って言うのはおかしい。

 

てか、教会って下には質素倹約を心がけさせるくせして、上の連中は贅沢してんのか?

 

 

 

▶︎月≦日

 

 

魔王様によると、魔物側にも宗教みたいなのがあって、人間と同じように神様を信仰してるらしい。信仰に人種は関係ないと言うけども、種族までの垣根まで越えるか。

 

ただ、人間とは違って、魔物側は教会みたいな組織はないらしい。個人個人で勝手に信仰して、自分なりの神様へのイメージを持ってるらしく、むしろ神様はこう言う存在だと決めつけることがおかしいって言う認識らしい。

 

魔王様曰く、「人間は神と言うものを固定化してしまっている。直接見たことがあるわけでもない相手をどうして固定出来ようか」とのことだ。

 

 

確かに人間て、見たことがあるわけじゃないのに、空想だけでこうだと決めつけるとこあるよな。

 

 

 

……羽を生やした女の子が空から降って来たんだが……これって空の落し物ってやつか?

 

 






なんか途中で切れてたんで、加筆修正
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