さて、助けられた側はどう思うでしょうか?
ビビ王女の誘拐未遂事件から数日後の事である。
「ゴリラさん!サー・クロコダイルの事を教えて!」
ある日は王宮にて朝食を摂っている途中に
「ゴリラさん!サー・クロコダイルって砂漠では最強なのかしら?」
またある日はアルバーナで市街の見廻り中に
「ゴリラさん、サー・クロコダイルはこの国の何が気に入ったと思う?」
これまたある日はベアトリス号にて近海の見廻り中に突如荷物の中から、という風に水色の頭がひょこひょことクリーク近辺に出没するようになった。
ネフェルタリ・ビビ5歳。
彼女は誘拐事件の後はなんだか落ち込んでいたようであったが暫くすればいつもの調子を取り戻し何があったのかえらくクロコダイルを気に入った様子でこちらに質問をしてくるようになった。
突如として現れたり撒いたかと思えば別のルートから追ってきたり挙げ句の果てには軍艦に忍び込み隠れ潜む程の事をやってのけて見せた。
勿論直ぐにアラバスタ王宮に連絡し船はとんぼ返り、護衛隊長であるイガラムに怒鳴られていたが。
何が気に入ったのかと聞けば
「え?それはサー・クロコダイルの能力がこの国にピッタリだからよ!
それに私を助けてくれたしね!あ、勿論ゴリラさんにも感謝してるわよ?」
との事だったので流石にこれは不味いと思い滔々とまだ幼いビビ王女に話して聞かせる。
子供だから、と適当な説明ではなくきちんと順を追って説明を始める。
それにこの子はこの年にしては賢いから大丈夫だろう。
丁度王宮に滞在しているので勉強会としてイガラム殿やコブラ王に話をつけ週に数回1時間くらいのペースでビビ王女に時間を作ってもらう。
という事でまず王下七武海という制度の事から順にサー・クロコダイルの経歴や能力の詳細。
そして海賊というものの悪辣さやずる賢さやも合わせていくらサー・クロコダイルが七武海であり政府側の人間であっても簡単に国の味方とは考え無い方がいいと教え込む。
更にその上で彼が裏で何か企んでいると仮定した場合、何を企んでいるか仮説を立ててみたりとして最終的には
"サー・クロコダイルは自身の能力が最も最大に使えるこの国で何かデカい事をやるつもりだ"
という結論になった。
そのデカい事がなんなのか、というのは結論が出なかったが出た意見としては"砂漠を拠点化"、"建国"、"大規模な海賊団の設立"などの意見が出た。
勿論こちらが原作知識を活かしてそれとなく思考を誘導したからであるが。
「…成る程、じゃあサー・クロコダイルを王家の一員に加えたら一挙に解決じゃ無いかしら?」
…とんでもない爆弾を落としおったぞこの幼女。
「いやビビちゃん、王家に加えるったってどうやって…」
「簡単よゴリラさん、彼が私と一緒になって婿養子として王家に入ればいいんだわ!」
思わず頭を抱えたくなる、これも全て自分とクロコダイルで助けに入ったのが原因だろうか?ひょっとしてビビ王女にはクロコダイルが白馬の王子様に見えたのだろうか?
「いやそうは言ってもビビちゃん、年齢の問題は一先ず置いておくけどこの前の勉強会の時に言ったようにクロコダイルは何か企んでいる可能性が高いんだよ?」
「だからこそよゴリラさん。
彼が何か企んでいるとするならそれこそ好機だわ、前言ってたじゃない"徹底的に心を折らなければ"って。
彼が何か企んでるなら綿密に計画を立てて長い時間をかけて行動する筈だわ、ゴリラさんもそう思ってるんでしょ?」
「まぁ確かに奴が何かやるとしたらそうするだろうが…」
「長年の準備をかけて慎重に計画していた事が、もし計画直前で、それも私みたいな歳の離れた子に計画を潰されたらどう思うかしら?」
あれ、何かビビの方向性がおかしくなってないか?
と考えるもとりあえずビビ王女にクロコダイルの危険性を警告する事は出来たのでまぁ良しとしてビビ王女の考えにはコクコクと頷いておく。
おや、なんかビビがヤバげな方向になってきたぞ?
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)