「え!何かあるのか!?」
忠告が遅く七星剣の柄を握ったものの二人の警告に慌てて手を離すクリーク
「お主…何とも無いのか?」
「おじさん、からだだいじょうぶ?」
と言うイザヤとマヤに何かあるのかこれ…と思いつつ
「聞くが握ったらヤバいとかその系統か?」
とそう尋ねれば
「この七星剣は呪われておる、これを手にした者は破壊と殺戮を繰り返すと伝わっておるが…」
「手にした者は、ねぇ…」
そう言ってガントレットで包まれた指をガシャガシャと鳴らすクリーク
よし、と気合を入れてもう一度七星剣の柄を握るもやはり特に異常は無い。
自分が特別だとは考え難いためその呪いとやらが発動しないと言う事は何かあるのだろう、そう考えて右手のガントレットをおもむろに外すとその下から現れたのは黒い革手袋に包まれた手。
何をするのかとイザヤとマヤが固唾を飲んで見守る中クリークはその状態で七星剣の柄を掴む。
が、これも特に異常は無い
ならば、と今度は黒い革手袋を外し完全に素手になると指先で慎重に柄に触れる。
すると
「…っ!!」
弾かれたように直ぐに指先を離す。
「…肌と接触した場合に何らかの手段で思念を送ってくるようだな」
「お主、問題ないのか?」
「俺が判断したところ素手でなければ問題無いようだ、最初ガントレットを通して掴んだ時とその次革手袋をはめていた時は先程のようなイメージは浮かばなかった。
が、素手で触れた時こちらに斬れ、壊せ、などの負のイメージが流れ込んできた。」
「やはり呪われていたのか…じゃが直接触れなければ触れるというのは大きな発見じゃ」
「…少し試したい事があるので村長殿、マヤちゃん、少し離れて頂きたい」
そう言ってクリークはイザヤとマヤが直ぐに逃げられるよう出口付近に促しまずはカメラ機能を持つ電伝虫にて何方向からか七星剣の写真を撮影。
そしておもむろにガントレット、革手袋を外した状態の素手で七星剣の柄を握る
途端に脳裏に流れ込んでくるのは
"不安、焦燥 、緊張、恐怖、殺意、嫉妬、殺意、恨み、怨み、苦しみ、悲しみ、絶望、憎悪"
と、そう言った数々の負の感情。
だがクリークは瞬時にその影響を払うために
「そぉい!!!」
七星剣を分厚い石棺に叩きつけた。
「お主!!七星剣に何ということを!!」
それを見てイザヤが思わず声を上げるが
「ほんとうにおれてない…」
マヤのその言葉により七星剣を注視する。
クリークの常人の十数倍の膂力で力任せに叩きつけられた剣、普通なら簡単に折れていただろうが、流石に破壊不能と伝えられているだけありなんと七星剣にダメージは見られなかったのだ。
「ちっ、マジで頑丈だなぁっ!だがこれでどうだっ!!」
が、脳裏に流れ込んでくるイメージは少し弱まった為、長い修練の果てにようやく身を結んだ技能で七星剣に対して武装色の覇気を流す
「古今東西、こういう持ち主を侵食する系の武器は剣を屈服させるって相場は決まってるよなぁっ!!」
変化は徐々に現れた。
クリークが持つ七星剣は純白の柄から黄金の鍔、そして紋様が入った刀身へとクリークの手から徐々に黒金色に染まり始めたのだ。
七星剣はそれを嫌がるように自身で息を持っているかの如く刀身を震えさせるも
「大人しくしてろっ!剣は人が使ってこそだ!!剣に使われるなんぞ真っ平御免だからな!」
クリークはそう言って剣先を地面に向けて打ち込み更に右手は柄に、左手は柄頭に乗せ七星剣を押さえつける。
そうしてどれくらい時間が経っただろうか。
いつの間にか七星剣の震えは止まり豪奢なその色は完全な黒金色に染まっていた。
クリークはそのまま地面から七星剣を引き抜くと何度か振るう。
が、先ほどと違い負のイメージが全く流れ込んでこず一先ず成功か、と安堵するのであった。
邪険は屈服させるのが一番ですね、次話でアスカ島は終わりです(かたい決意)
原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います
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麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
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クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
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二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)