起きたらゴリラ顔だった   作:mi-ta

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クリーク編ならやっぱこの人出てこなきゃですよねー。

現在一日一話で改訂作業中です、しおりは最新話より一つ前にお願いします。


最強の剣士

バラティエ内ではコック達と海兵達による緊迫した空気が漂っていた。

 

一方ルフィ達は窓からそれを見ながら、状況を把握しようとしていた時の事である。

 

「少将!奴が…"鷹の目"が追って来ました!」

 

若い海兵が息を切らせながらユキムラに対してその報告を行った。

 

「まだ諦めてなかったのかあの男は!!東の海までは追って来ないだろうと思ってたがしつこいな!?

 

各自警戒態勢!赫脚については後回しだ!!」

 

その言葉と共に海兵達は外へ、そして自身が探していた"鷹の目"という言葉を聞いたゾロもナミの制止も聞かずそちらへと駆け出した。

 

そしてそこにいたのはまるで十字架のような帆柱に棺桶のような形の小さな船。

 

そしてそこに腰掛けていたのは一人の男。

 

「アイツが…アイツが鷹の目…」

 

黒の帽子に黒のロングコート、そして背中には巨大な剣と"まるで鷹であるかの様に"鋭い目つきの男。

そして警戒態勢をとる海兵達と

 

「いつまで追って来るつもりだ!前も言ったが我々海軍と七武海が争う理由は無い筈だ!!いい加減諦めたらどうなんだ!!」

 

その先頭に出てきたユキムラは大音声で叫ぶ。

 

ユキムラとしてはミホークとやり合うつもりは無い。

 

自身が剣術に優れた腕前を持つという自負はあるが、相手が相手だしわざわざ本部少将と七武海がやり合っても喜ぶのは違法海賊だけであるからだ。

 

というか新世界から出て来たのをなんで知ってるんだ…と思いつつもこれは一戦交えねば仕方ないか?と思いつつ腰の刀に手をかける。

 

 

 

 

そんなユキムラの考えを他所に

 

「ぶあっくしょい!!えぇい、またか!!」

 

「ボス、ホントに風邪じゃないんですか?一回医者にみてもらいます?」

 

と遠くから望遠鏡でバラティエを見守るフード姿の二人組がいたがこれは一旦置いておく。

 

 

「…笑止、おれはやりたいようやるだけだ。

 

"千人斬り"の噂は聞いている、貴様がいるのが新世界だった故に今迄は戦う気はなかったが…

 

貴様がこっちに出て来たとなれば話は別、是非その名高き剣技を見せてもらおう」

 

そう言ってミホークは立ち上がり、ユキムラへと相対しようとした時の事だった。

 

「おい鷹の目、その前にこっちの相手をしてくれよ…」

 

そう言って一人の青年が前に進み出ると刀を取り出してその内の一本を口に咥える。

 

「三刀流…まさかお前は"海賊狩り"か!!」

 

それを見てこの海での情報を頭に入れていたのかユキムラがそう叫び

 

「哀れなり、弱き者よ…お主も剣士なら剣を交えぬともおれとおまえの力の差くらい見えるだろう。何故おれに刃をつきつける?」

 

ミホークはその鋭い目をユキムラから前に出てきた男、海賊狩りのゾロに目を向けた。

 

「おのれの野望故、そして親友との約束の為だ」

 

「野望か、はたまた蛮勇か。お主は何を目指す?」

 

「最強…しかしまさかこんなに早く会えるたぁ正直思わなかったぜ?」

 

「…無益」

 

そしてその言葉と共にミホークは首に下げた小さな剣を構える。

 

「…テメェ、なんのつもりだ?」

 

明らかに手を抜いたミホークにゾロは激昂しそうになるも

 

「おれはウサギを倒すのに全力を出す馬鹿なケモノとは違う…、多少名を上げた剣士がいた所でここは最もアベレージバウンティの低い最弱の海。

 

生憎これ以下の刃物は持ち合わせていないのでな」

 

世界最強の剣士という自負故か本気でやるつもりは無い、と言外に宣言するミホーク。

 

「っ…死んで後悔すんじゃねぇぞっ!!」

 

その言葉と共にゾロはミホークに向かって猛然と進み

 

「井の中の吠えし蛙よ…せめて世の広さを知るが良い」

 

そして繰り出されたゾロの三刀をミホークは小剣の一突きで受け止めたのだった。

 

「なっ!?いくら最強の剣士とて刀三本によるあの猛威を一点で受け止めるか!!

 

っ…いや、流石に相手が悪いか…」

 

その光景を見ていたユキムラは驚いたように叫ぶも直ぐに考え直す。

 

相手が最弱の海の剣士とは言え"海賊狩り"の名は優れた剣士であるユキムラの耳にも届いている。

 

見たところ先程の技は三刀の衝撃を一点に集中させ相手を吹き飛ばす技だろう。

 

しかし相手は世界最強の剣士、その名は海軍にも大きく轟いている。

 

そして三刀を軽く受け止められたゾロは、それを認めたく無いかの如く叫びながら三刀を操り猛然と立ち向かうも

 

「あのゾロの攻撃を簡単にあしらうなんて…ルフィ!ゾロを助けないと!!」

 

いつの間に来ていたのだろうか?横には見慣れぬ男女姿

 

「っ…駄目だ!アレはゾロの闘いだから手を出しちゃいけねえっ!!」

 

今にも動き出そうとする自身の身体を抑え歯を食いしばる少年のその姿に

 

「…ルフィ」

 

と少女は言葉を無くし、その言葉にユキムラは察する。

 

おそらく海賊狩りの仲間なのだろう少年は今にも動き出そうとする体を必死で抑え、少女もそれを察したのだろう。

 

「成る程、君たちは海賊狩りの仲間か」

 

「少将の人!何なのあの剣士!ずっとゾロが探してた鷹の目の男ってのは知ってるけどゾロの攻撃をああも簡単に捌くなんて…」

 

少女のその言葉にユキムラは

 

「…あの男の名は"ジュラキュール・ミホーク"、王下七武海の一角にして"鷹の目"の異名を持つ最強の剣士だ。

 

海賊狩りの名はわたしの耳にも届いているが…流石に相手が悪い。」

 

と答えれば少女はその言葉に

 

「最強の剣士…だからゾロはあんなに必死に…」

 

猛然と刀を振るうゾロを見ながら少女が口からもらせばその視線の先でゾロがミホークの小剣に胸を突き刺された。

 

その衝撃的な光景に少年少女は海賊狩りの名前を叫ぶもゾロはそこから下がろうとせず

 

「…何故退かぬ、このまま心臓を貫かれたいのか?」

 

とミホークはそのままの態勢でゾロに問う。

 

「…さぁな、ここで下がっちまえば今までの誓いとか約束とか…そんな大事なモンがへし折れて、そして二度とこの場所に帰ってこれねぇって気がすんだよ」

 

と小剣を胸に刺されたまま返すゾロ。

 

「そう、それが敗北だ」

 

とミホークは鋭い目でゾロと目を合わせそう告げる。

 

「…じゃあ尚更ひけねぇな」

 

「例え命を落とそうともか?」

 

「へっ…死んだ方がマシさ」

 

そんなゾロのその言葉と目つきにミホークは感心しつつ

 

「…小僧名乗ってみよ」

 

そのまま深く刺せば決着がついたであろう小剣を引き抜きつつ問う。

 

「ロロノア・ゾロ」

 

「覚えておこう、久しく見ぬ強き者よ。

 

そして剣士たる礼儀を持って世界最強たるこの黒刀によって沈めてやろう」

 

と背中に背負った巨大な刀を引き抜くき、それに対してゾロも傷を堪えつつ三刀をゆっくりと構える。

 

そして息を大きく吸い込むと

 

「三刀流奥義…三・千・世・界!!」

 

両手の刀を回転させその遠心力から今までとは比べ物にならない破壊力を伴う斬撃を繰り出すも

 

「っ!!」

 

「ゾロおっ!!」

 

ミホークの一閃により両の刀は砕かれ、そしてミホークに背を向けたゾロは残った一本を鞘に納めるとクルリと向き直る。

 

「何を…」

 

自ら弱点を晒すその姿にミホークは思わず疑問を漏らすも

 

「背中の傷は剣士の恥だ」

 

そう言ってニヤリと笑ったその姿に

 

「見事!!」

 

とだけ応えて"夜"を振り下ろした。

 

両者の戦いを見ていたサンジは理解できない者をみる様子で

 

「っ…何でだ!簡単だろ!野望を捨てるくらい!!!」

 

とまるで自身に言うかの如く拳を握りしめ

 

「ゾロおぉぉぉっ!!うわあぁぁぉぁぁぁっ!!」

 

ルフィはその腕を大きく伸ばしてミホークの元に。

 

そしてショックを受けたかのように両手で口元を抑えるナミを他所に

 

「成る程、あの少年は能力者か…各員!倒れた海賊狩りを救出せよ!!

 

そして海兵であるなら先程の戦いをしかと目に焼き付けておけ!!」

 

その横で見ていたユキムラが指示を出し数人の海兵が海に飛び込む。

 

そして自身の元に飛んできたルフィにミホークは

 

「若き剣士の仲間か…貴様もよく見届けた」

 

軽くその突進を避けるとルフィが衝突した側まで移動すると

 

「安心しろ、あの男はまだ生かしてある」

 

と告げる。

 

その言葉と共にルフィがミホークの指差す方向を見れば

 

「君っ!!しっかりしなさい!!」

 

「早く安静な場所に運べ!!それから医療班を手配しろ!!」

 

そんな海兵達の言葉と共に大きく咳き込むゾロの姿。

 

そしてそんなゾロにミホークは息を吸うと

 

「我が名はジュラキュール・ミホーク!!

 

貴様が死ぬにはまだ早い、己を知り!世界を知り!そして強くなれ!ロロノア!!

 

おれは先、幾年月でもこの最強の座にて貴様を待つ!

 

猛る己が心力を挿してこの剣を越えてみよ!!

 

このおれを越えてみよロロノア!!!」

 

そう大音声にて叫ぶのだった。

 




キリがいいとこまで書いたら長くなってしまいました。

でもここはやっぱ途中では切りたくありませんでしたので

原作突入後の描写について、現在原作が始まった事により麦わら一味の描写が多くなっていますがそれについてのアンケートを行います

  • 麦わらメイン(原作のに近く変化がわかる)
  • クリークメイン(傍観者、クリーク主人公)
  • 二つの視点(麦わら視点とクリーク視点)

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