Fate/Diend Order   作:クロウド、

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邂逅

side:海東大樹

 

 さて、まずは状況を確認するとしようか。

 いつも世界を移動するときに潜る灰色のカーテンを通ったときにその世界についてある程度の知識は頭に入ってくる。だが、今回に限ってはここが西暦1431年のフランスだと言うこと、くらいか。

 僕が持っている原作知識は特異点が七つあることと、それがどの時代かくらいしか知らないんだよな。それと照らし合わせればここは間違いなく第一特異点ということだ。そして、あの空の光の輪。あれは間違いなくこの時代が異常であることの証明だ。

 次にこれからの行動だ。まずは、カルデアのマスターとサーヴァントと合流するのが先か。いや、まずは出来うる限りこの特異点に起こっていることを調べるのが先か。しかし、1431年フランス。百年戦争の休戦時代。この時代を聞くとどうしても思い出す人物がいる。

 人々の不死を奪った優しい竜がいた世界。その世界でかの竜と必ず合うと誓いあった女性。

 彼女が死んだのもこの時代。

 ……いけないな、あまり感傷的になるものじゃない。今はやるべきことをやるのみだ。

 

 とりあえず近くの街に来たが、外壁はなんとか持っているが中が酷い。人も傷だらけでこの世の絶望のように顔を下げている。休戦中の筈なのに何故ここまで。

 とにかく、街の人間に話を聞くとしようか。勿論、しっかり、この時代の人間に見えるように変装してだ。服はどこから出したかって? 僕は怪盗だよ? どんな状況でも潜り込めるよう準備はしているさ。

 手始めに近くにいたフランス兵に話しかける。

 

「すまない、少しいいかな?」

「なっ、なんだお前は?」

「警戒しないでほしい、僕は旅のものだ。この街の惨状について話が聞きたいんだ」

「敵では……ないのか……?」

「ああ」

 

 僕が敵対の意思がないのを見ると、兵は警戒を解いてくれる。見たところ、相当疲弊しているな。次、攻め込まれたら間違いなく持たないだろう。

 

 彼の話を聞くと、シャルル7世は魔女という存在によって殺され、イングランドは撤退したらしい。そして、今フランスは魔女の手下、動く骸骨や、死体、更には竜によって脅かされているという。

 そして、その竜を従えている魔女の名はーーー、

 

「ーーーーー()()()()()()()()?」

「ああ、あの方は悪魔と取引して蘇ったんだ。この国に復讐するために」

「ありえない」

「俺達も最初はそう思ったさ。だが、あの方は確かに蘇って、王をーーー」

「彼女に限ってそんなことをするはずがない……。」

 

 フランス兵と別れた僕は街の中を散策しながら彼女のことを、ジャンヌ・ダルクのことを考えていた。

 

『ジャンヌ・ダルクは竜の魔女として蘇りこの国に災いをもたらそうとしている』

 

 あの彼女が? 自らの死さえも"罰と救済"であると語った彼女が? あの戦いで誰よりも高潔な魂を、そして、全てを慈しむ美しい心を持っていた彼女が故郷であるフランスに復讐するなんてことーーーー

 

「ないない」

 

 そう呟いた瞬間、僕が先程までいた門の方向から張り上げるような悲痛な叫び声が響いてきた。

 

「ドラゴンだ! ドラゴンが来たぞぉ!!」

 

 空を見上げると巨大な影が群れをなしてこの街に迫ってくるのが見えてきた。あれは確か竜族の亜種のワイバーンという種だったはず。本物の竜ではないが普通の人間に太刀打ちできる相手じゃない。

 こちらを目指してきたワイバーンの一体が巨大な火炎弾を放つ。人々は悲鳴を挙げながら逃げようとするがもはや間に合わない。

 

 ーーーーー僕がいなければ。

 

「情報を貰った恩くらいは返そうか」

 

 火炎弾の時を停止させ。僕の愛銃、ディエンドライバーで打ち抜き霧散させる。

 

「早く逃げたまえ」

 

 その光景を唖然とした様子で見つめていた街の住人にそう短く伝えた僕は空から迫ってくるワイバーンの頭を打ち抜きながら、もっとも激戦とかしているであろう、門に走りだした。

 

side:藤丸立花

 

 私とデミ・サーヴァントとであるマシュは人理を修復し、世界を救うため特異点である1431年、百年戦争の休戦時期のフランスにレイシフトした。

 道中、フランス兵に話を聞こうとして敵と間違われ追いかけ回されるなどというハプニングに遭遇したけど、何とか近くの街の人にこのフランスで何が起きているかを聞くことができた。

 その突如、ワイバーン達が飛来し私はマシュと突然現れて味方してくれた旗を掲げるサーヴァントとともに街を守るためにワイバーンを迎撃していた。しかし、敵の数はあまりにも多く、このままだと押し切られてしまう。

 しかし、マシュへの支持に夢中で自分の周りへの注意が厳かになっていた。そのすきをついてワイバーンの一体が私に迫ってきていた。

 

「先輩っ!?」

 

 痛みを覚悟して目を閉じるが、次の瞬間聞こえたのは私の肉が避ける音ではなく炸裂音のようななにかだった。目を開くと、そこには体中を撃ち抜かれたワイバーンが地に付していた。

 この傷は明らかにマシュやさっきあったサーヴァントのものじゃない。

 一体、誰が……。

 

「いやぁ、危なかったね。怪我はないかい?」

 

 振り向くと、そこには青い無骨な形の銃を持った茶髪の青年が立っていた。私を助けてくれたのはこの人みたい。

 この時代のフランスに銃を使う人間なんているはずがない。いや、それ以上にただの片手銃でワイバーンの頭を貫通できるわけがない。

 ということは、

 

「ドクター、もしかして彼も」

『いや、違う。彼からはサーヴァントの反応がない。間違いなく人間だ。でも、だとしたら彼は一体……』

 

 青い銃をガンフリップして肩に担ぐと、青年は人懐っこい笑みでこちらに近づいてきた。

 その間にマシュが立ちはだかる。

 

「貴方は何者ですか?」

 

 未知の存在にマシュは私を守ろうと警戒心を顕にして盾を構えている。

 

「安心したまえ、僕は君達に危害を加えるつもりはないよ。ただ、この街にちょっとした恩があって、アレから街を守ろうと思ってね。どうだい? 君達も同じ目的なら協力しないかい?」

「信じられる要素がありません」

 

 マシュの言葉に青年はフッと笑うと、

 

「まあ、その通りだね。だけど、僕のことなんかより、まずはあのワイバーンをどうにかするのが先決なんじゃないのかな? こうしてる間にもこの街の住人が傷つくことになるよ?」

 

 私は横目で今も懸命に戦っているフランス兵の人達を見る。

 

「……わかりました、力を貸してください」

「いい判断だ」

 

 再び銃を指に引っ掛けガンフリップし、横薙に数発弾丸を打ち放つ。その全てがワイバーンに直撃し、数体が地に落ちる。

 

「すごい……」

「まだまだ、こんなことで驚かれちゃ困るな」

 

 青年は青い仮面の戦士が描かれたカードを構える。

 

『KAMEN RIDE………』

 

 銃にカードを装填し、規則的な音を鳴らす銃を空に掲げる。

 

「変身!」

 

『DI・END!!』

 

 トリガーを引いた瞬間、空にバーコードのような紋章、彼の周りに三つの影が現れ、紋章が十三枚のプレートに変わり、三つの影が彼と重なり彼の姿がモノクロの鎧姿になり、頭上のプレートがささるとモノクロな鎧に青い色が彩飾された。

 その姿はさっき彼が持っていたカードに記された戦士の姿そのものだった。

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