Fate/Diend Order   作:クロウド、

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はい、頑張ってみました。
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黒いジャンヌ・ダルク

Side:藤丸立花

 

「さて、それじゃ行くとしようか」

 

 街から離れ森の中で一晩を過ごした私達は今後のことについての確認していた。 

 

「まずは近場の街、ラ・シャリテでもう一人のジャンヌについての情報を集めるんだよね」

「それが最善だ、向こうの戦力がどんなものかわからない以上、慎重に行こう」

「もし、そこで情報が手に入らなければ更にオルレアンに近づかなければならなくなりますが、それは出来るだけ避けたいですね」

 

 オルレアンは敵の本拠地。そこに近づけば近づくほど敵に見つかる可能性も高くなっていくから。

 

『ーーむ? ちょっと待ってくれ、サーヴァント反応だ』

「! 何処からですか?」

『座標は()()()()()()、君達の目的地だ!』

 

 ラ・シャリテにサーヴァント反応。恐らく、敵のサーヴァントか、それともジャンヌのように召喚された逸れサーヴァント……。

 だけど、なんだろう。物凄く、胸騒ぎがする。

 

「急ごう、嫌な予感がする」

 

 言葉を発した大樹さんだけでなく、マシュやジャンヌも私と同じ感覚を感じたのだろう。厳しい表情でラ・シャリテの方向へと視線を向ける。

 

 

 

 

 

「非道いな、これは……。」

「ドクター、生体反応をーーー」

『ダメだ、その街に命と呼べるものは残っていない』

 

 街についた私達を待っていたのは既に街と呼べなくなっている瓦礫の山だった。おまけに物凄い死臭だ。人の肉が焼けた匂いがする。

 

「うっ……!」

 

 その匂いに吐き気を覚え、私の身体は膝から崩れかけた。

 だが、私の身体は地につくことはなく誰かに受け止められた。

 

「しっかりしたまえ、君はマシュのマスターなんだろう? マスターの精神状態はサーヴァントにも影響する。気をしっかりもつんだ」

「……はい」

 

 そう言ってい大樹さんは私の肩を支えて立つ手伝いをしてくれた。

 

「……これをやったのは恐らく私なのでしょうね」

 

 ジャンヌがとても苦しそうな声で言う。

 

「そう決まったわけではーーーー」

「いいえ、わかります。その確信が私にはあります。

 ーーーわからないことはひとつだけ。どれほど人を憎めばこれ程の所業が行えるのでしょう。

 私にはそれだけがわからない」

 

「どうやら、それは本人に聞いたほうが良さそうだ」

 

 大樹さんが鋭い視線で空を見上げる。

 

「どういうこと?」

『大変だ! 先程去ったサーヴァント達が反転した。まずいな、君達の存在を察位したらしい!』

「数は!?」

『おい、冗談だろ……! 数は5騎!』

「5騎……」

 

 今の私達の戦力はマシュとジャンヌと大樹さんの3人だけ、明らかに数の利は向こうにある。

 

『速度が速い……これはライダーか何かか!? と、ともかく逃げろ! 数で勝てない以上、逃げるしかない!』

「ですがーーー!」

『数が同じだったら勝負を挑んでいい!! だが、戦力的に倍近くある相手と戦わせるわけにはいかないだろう!?』

「ジャンヌさん! サーヴァントがやってきます、すぐにーー」

「……逃げません。せめて、真意を問いただすさなければ」

「ですがーーーー!」

 

 ジャンヌは何があっても退くつもりはないらしい。正直、私ももう一人のジャンヌがなんでこんなことをしたのかを聞き出したい。

 だけど、ここで戦ってもこちらに勝ち目がないこともわかってる。だから、ロマンが言うことも理解してる。

 

『海東君! 君からもなにか言ってやってくれ!』

「諦め給え、ロマン。ジャンヌ・ダルクはこう言ったら、他人の意思なんて聞きはしないよ。それが彼女だ。それに見たところーーー」

 

 大樹さんは私を見て口元にニヒルな笑みを浮かべる。

 

「立花も同じ手合だ。僕は彼女に付き合うと決めたしね。彼女の意思を尊重するよ」

『クッ! ダメだ、もう間に合わない! マシュ、とにかく逃げることを考えるんだいいね!?』

 

 ロマンのその言葉は恐らく既に難しい。なぜなら私達は既に五人のサーヴァントに囲まれているのだから。そして、私達の正面に立つのは私達の隣に立っているジャンヌと瓜二つの黒い旗を掲げたサーヴァントだった。

 

Side:海東大樹

 

 青白い顔の貴族服の、巨大なアイアンメイデンを抱いた仮面の女、つばの大きな羽帽子を被ったレイピアを持つ剣士、十字の杖を持つ修道服の女性。見知った顔が一つ、いや、二つか。

 そして、漆黒の鎧をまとう黒い旗を掲げるもう一人のジャンヌ・ダルク。

 

「ーーーなんてこと、まさかこんなことがあるなんて」

 

 彼女はまず、こちらのジャンヌを見ると慄いたような表情を浮かべると、今度は実に楽しげに笑い出す。

 

「ねぇ。誰か、私の頭に水をかけてちょうだい。まずいの。やばいの。本気でおかしくなりそうなの。だってそれぐらしないと滑稽で笑い死んでしまいそう! 何あれ羽虫? ネズミ? ミミズ? どうあれ同じことねちっぽけすぎて同情すら浮かばない。ああ、本当ーーーこんな、小娘にすがるしかなかった国とかネズミの国にも劣っていたのね! ねぇ、ジル、貴方もそうーーーって、そっか、ジルは連れてきてなかったわ」

 

 彼女はひとしきり叫ぶと今度は冷え切った氷のような目でこちらを見つめる。

 

「貴方は……貴方は誰ですか!?」

「それはこちらの質問ですが……そうですね、上に立つものとして教えてあげましょう。私はジャンヌ・ダルク。蘇った救国の聖女ですよ、もう一人の私」

「……馬鹿げたことを。貴方は聖女などではない。私がそうではないように。いえ、それはもう過ぎたこと、語ることではない。それよりーーーこの街を襲ったのは何故ですか?」

「……何故、かって? 同じジャンヌ・ダルクなら当然理解しているものと思っていましたが。属性が変転していると、ここまで鈍いものなんでしょうか? この街を襲った理由? 馬鹿馬鹿しい問いかけですね。そんなの明白じゃないですか。単にフランスを滅ぼすためです。私、サーヴァントですもの。政治的にとか、経済的にとか、回りくどいわ。物理的に全部潰すほうが確実で簡潔でしょう?」

「バカなことを……!!」

()()()()()?」

 

 こちらのジャンヌの一言で向こうのジャンヌから、さらに黒い魔力が溢れる。

 ……あまり信じたくはないな、変転しているとはいえ、彼女がこれ程の憎悪を顕にしているとは……。

 

「愚かなのは私達でしょう、ジャンヌ・ダルク。何故、こんな国を救おうと思ったのです? 何故、こんな愚者達を救おうと思ったのです? 裏切り、唾を吐いた人間だと知りながら!」

「それはーーー」

「私はもう騙されない。もう裏切りを許さない。そもそも、主の声も聞こえない。主の声が聞こえない、ということは、主はこの国に愛想をつかした、ということです。だから滅ぼします、主の嘆きを私が代行します、全ての悪しき種を根本から刈り取ります。人類種が存続する限り、この憎悪は収まらない。このフランスを沈黙する死者の国へと作り変える。それが私、死を迎えて成長し、新しい私になったジャンヌ・ダルクの救国方法です。まぁ、貴女には理解できないでしょうね。いつまでも聖人気取り。憎しみも喜びも見ないふりをして、人間的成長を全くしなかった聖処女様には!」

「な……」

『いや、サーヴァントに人間的成長ってどうなんだ? それを言うなら……』

「少し黙っててくれないか?」

『あっ、はい……』

 

 余計なことを言いそうだったロマンを黙らせる。

 

「……貴方は、本当に"私"なのですか?」

「……呆れた。ここまでわかりやすく演じてあげたのに、まだそんな疑問を持つなんて。なんて醜い正義なんでしょう。この憤怒を理解できないのではなく、理解する気さえない。ですが、私は理解しました。今の貴方の姿で、私という英霊の全てを思い知った。貴方はルーラーでなければ、ジャンヌ・ダルクでもない。私が捨てたたただの残りかすにすぎません」

「ーーー流石にその言葉を認めるわけにはいかないな」

「誰ですか、貴方は? 見たところただの人間のようですが」

 

 前に出た僕に黒いジャンヌはその金色の瞳を向ける。だが、僕は彼女の質問には答えない。

 代わりに答えるのは、

 

「彼女が、ジャンヌ・ダルクじゃない? 冗談はよしてくれないか? ーーー復讐に身を落とした俗物が彼女を語ってくれるなよ」

 

 彼女の存在の言葉の否定だ。

 

「なるほど、騎士(ナイト)気取りの愚か者というわけですか。やはり、聖女様の周りにはそういった類が集まるのでしょうか? バーサーク・ランサー、バーサーク・アサシン。彼ら始末しなさい。」

 

 魔女の合図で二人のサーヴァント。青白い顔の男と仮面の女はこちらを見据える。

 

「雑魚ばかりでそろそろ飽きた頃でしょう? 喜びなさい彼らは、強者です。私が召喚したサーヴァントの中でも貴方達は一切血に飢えた怪物です。勇者を平らげることこそ貴方達の存在意義存分。に貪りなさい。」

「ーーーよろしい、では、私は血をいただこう」

「いけませんわ、()()。私は彼女の血と肉、そして、腸をいただきたいもの」

「強欲だな。では魂は? 魂はどちらが戴く?」

「魂なんて何の益にもなりません。名誉や誇りで、この美貌が保てると思っていて?」

「よろしい、では魂を私が戴こう! 皮肉なものだ。血を啜る悪魔に成り果てた今になって彼女の美しさを理解できるようになったとは」

「ええ、だからこそ感動を抑えられない。私より美しいものは許さない。いいえ、それよりーーーー私より美しいものの血はどれほど私を美しくしてくれるのかしら? ああ、新鮮な果実を潰すのは楽しいわ。果肉は捨てて汁だけを嗜むーーーこれこそ夜の貴族の特権。私の宝具で一滴残らず……!?」

 

 二体のサーヴァントが前に出ようとした瞬間、彼らの足元に火花が散る。勿論、発生源は僕のディエンドライバーだ。

 

「ごたくはいいから早く来たまえ」

「変わった武器を持ってますね。ですが、そんなものでどうにかできるとでも?」

「やれやれ、無知とは悲しいものだね」

「……まぁ、いいでしょう。どのみち、ここで死ぬことに変わりはないのだから。やりなさい、ランサー、アサシン」

「よかろう。まずは貴様の魂を戴くとしよう」

「私、男には興味ないのだけど。仕方ないわ、早く消えてもらいましょう」

 

 変転しているおかげか随分簡単に挑発に乗ってくれた。

 

「大樹さんっ!?」

「立花、後ろの二人は任せたよ。前の三人はーーー僕が相手をしよう」

 

『KAMEN RIDE………』

 

 ディエンドライバーをガンフリップして構え、ディエンドカードを装填し、手首のスナップで銃をスライドする。

 

「変身」

 

 銃口を空に向け、トリガーを引く。

 

『DI・END!』

 

 三つの影が重なり十三枚のライドプレートが頭に刺さり、仮面ライダーディエンドへと変身する。

 

「ほう、奇怪な鎧だ。それで?」

 

 変身した瞬間、バーサーク・ランサーは一気に接近し、自慢の槍で攻撃を仕掛けてきた。だが、それを躱し僕は腰のカードケースから2枚のカードを取り出す。

 

「歴史に名高い『串刺し公』と『鮮血魔嬢』にはコイツラなんか丁度いいかな?」

「っ!……貴様」

「何故、私達の真名を……」

「さぁ、君達の知らない君達にあっているのかも、しれないね」

 

 彼らの質問を軽く流し、カードをディエンドライバーに装填していく。

 

『KAMEN RIDE IXA!』

『KAMEN RIDE BARON!』

 

「行ってらっしゃい」

 

 僕が放った弾丸はいくつもの影となってそれが重なると、そこに二人のライダーが召喚された。

 

「吸血鬼、その命、神に返しなさい!」

「貴様の強さ、見せてみろ!」

 

 胸に太陽の紋章を刻む仮面ライダーイクサと、バナナのような鎧を纏った仮面ライダーバロン。二人はそれぞれイクサがアサシンへ、バロンがランサーへと攻撃を仕掛けた。

 

「くっ!」

「いきなり現れて、何者!?」

 

 二人のライダーはランサーとアサシンを竜の魔女から引き剥がし、分断する。

 

「さて、これで一対一だ。『竜の魔女』」

「……貴方は一体何者ですか? サーヴァントをこんなに簡単に召喚し、完璧に使役するなんてルーラーの力を持ってしても不可能です」

「アレ? 僕のことなんか興味なかったんじゃなかったのかい? まぁ、いいさ。君ほど大した二つ名があるわけじゃないが、一応名乗っておこうか。僕はーーー」

 

 ディエンドライバーをもう一人のジャンヌに向け。

 

「『通りすがりの仮面ライダー』。ーーーお宝を探し求めて世界を渡る怪盗さ。覚えておきたまえ……!」

 

 その言葉とともに銃の引き金を引いた。




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