「はぁぁぁぁぁ!!!」
ディエンドライバーから弾丸を放ちながら、ディエンドとなった僕は黒いジャンヌ・ダルクに接近する。彼女は旗を使って弾丸を弾く。
「くっ! 舐めるなっ!」
旗の攻撃を腕で押し止め、銃口を彼女の腹に押し当てる。しかし、弾丸を放つ前に鞘から抜き放たれた彼女の鎧のように黒く染まった剣が迫り、距離を取る。
「喰らえっ!!」
彼女は手から黒い炎を発生させ、僕を焼き尽くそうとする。……これが彼女の、恩讐の具現か。
『ウィザード!』
僕は取り出した、シルバーのカバーのライドウォッチ『ウィザードライドウォッチ』を取り出しカバーをウィザードの顔に合わせて回転させ起動させると、青い魔法陣が現れそこから放たれた吹雪が炎を相殺する。
再び弾丸を放ちながら接近し、剣を撃ち落としディエンドライバーで殴る。ディエンドライバーと彼女の旗が交差し膠着状態となる。
互いに至近距離で睨み合い先に僕が口を開く。
「ーーー僕が知っている君より随分弱い気がするな」
「何を言っているの? 今の私はあの残りカスより強い、ステータスから見ても明らかでしょう」
「生憎、僕が言っているジャンヌは彼女じゃない。だけど、あの彼女も君より強いさ。だが、君は彼女と戦うことはない、ここで僕に倒されるからね」
「減らず口をっ……!?」
言葉の途中で彼女の表情に驚愕が浮かび、それがすぐに薄い笑みに変わる。
「私にばかり気を取られてていいのかしら? お仲間が大変よ?」
「……なに?」
「くっ……!」
「うっ……!」
その言葉の直後、僕の背後に息が切れたマシュとジャンヌが飛んできた。マシュの後ろには彼女ごと吹き飛ばされた立花がいた。どうやら、マシュが自身を盾に守ったおかげで怪我はないようだが、明らかに劣勢だった。
「マシュ! ジャンヌ! 立花!」
「ーーーよそ見をしていいのかしら?」
「! しまっ……!」
3人に気を取られ、一瞬気が緩んだ瞬間彼女の旗が僕の腕を押し返した。そして、ガードがなくなった僕に彼女は手をかざす。
「喰らいなさい!」
「ぐっ……!」
至近距離の黒炎に吹き飛ばされ、立花達と同じ場所まで弾き飛ばされる。
「大樹さん!」
「無事ですか!?」
「いつつ……ああ、なんとかね」
「チッ……思ったより頑丈な鎧ですね」
「そうだろ? 僕のとっておきのお宝だからね」
……本音は滅茶苦茶痛いけど。
今の単独最強は恐らく僕だ。その僕が弱気なことを言ったら指揮に関わる。
しかし、まさかここまで一方的に二人がやられるとは。英霊として弱体化しているジャンヌとサーヴァントになりたてのマシュ……それぞれなら確かに圧倒されて終わりだろうが、守りに特価した二人がこうも簡単ーーーそうか、彼女は自分のサーヴァントをバーサークと読んでいた。
つまり、
「『狂化』によるステータス上昇か」
「ええ、彼女達は思考を失う代わりにそのステータスが大きく強化されています。その二人がいかに守りに適していても長くは持たないでしょう」
「失った? 奪ったの間違いだろう」
見たところ、吸血鬼の二人組以外はバーサーカーになる逸話などない、正規の英雄。つまり、狂化は召喚した後に与えられたものということだ。
「そうですね。おかげで優秀な手駒になってくれましたよ」
「ふざけるな。君がしたことは英霊という世界に認められた宝を汚す行為だ。お宝を汚すことは何があっても許さない」
「では、どうすると? 貴方にどれほどの力があるか知りませんが、足手まといを三人を背負って戦えますか?」
僕達を囲んだ三人のサーヴァントがジリジリとにじりよってくる。
イクサとバロンは、離れたところでランサーとアサシンと戦闘している。向こうはまだ戦えそうだな。
撤退を考えるか。ここで倒すとか多見えきった以上あまり使いたくなかったが、カードケースからATTACK RIDE INVISIBLEのカードを取り出す。これを使って……、カードを装填しようとした時、僕達とバーサーク・サーヴァント達の間に割り込むように何かが走ってきた。
「ガラスの馬に馬車?」
立花が突如現れたそれを見て呟く。そこに、この廃墟のような場所に似つかわしくない凛とした声が響き渡る。
「ーーー優雅ではありません。この街の有り方も。その戦い方も。その思想も主義もよろしくないわ。貴方はそんなに美しいのに血と憎悪でその身を縛ろうとしている。善であれ、悪であれ、人間ってもっと軽やかなものじゃないかしら?」
「……サーヴァント、ですか」
『竜の魔女』の言葉に答えるように馬車の扉が開き、中から大きな帽子を被った女性が現れた。
「ええ、そう。嬉しいわ、これが正義の味方として名乗りを上げるというものなのね! 貴方が誰かは知っています。貴方の強さ、恐ろしさも知っています。正直に告白してしまうと、今までで一番怖いと震えています。
ーーーそれでも、貴方がこの国を侵すのなら、私はドレスを破ってでも貴女に戦いを挑みます
なぜなら、それは」
「貴女、は……!?」
彼女の姿を見て最も動揺したのはレイピアの騎士、恐らくバーサーク・セイバーだった。
「まあ、私の真名をご存知なのね。知り合いかしら、素敵な女騎士さん?」
「セイバー。彼女は何者?」
「…………。」
セイバーは答えようとはしない。つまり、彼女にとってあの女性はそれだけ大切な相手ということか。しかし、マスターである『竜の魔女』の指示を断れるはずもない。
「ーーー答えなさい」
「この殺戮の熱に浮かされる精神でもわかる。彼女の美しさは、私の目に焼き付いていますからね
ヴェルサイユの華と呼ばれた少女。彼女はーーーマリー・アントワネット」
「マリー・アントワネット王妃!?」
「これはまた……すごい大物が飛び出してきたね」
「はい! ありがとう、私の名前を呼んでくれて! 本当はもっと話がしたいのだけど、今日はここでお開きよ! アマデウス、機械みたいにウィーンってやっちゃって!」
「任せたまえ、宝具『
もう一人いたのか。というか、アマデウスってまさか……。
彼が流す音楽がバーサーク・サーヴァントと竜の魔女の動きを鈍らせる。状態異常系の宝具か。
ならば、せめてもの意趣返しをさせてもらおうか。
「サービスだ、受け取り給え!」
『ATTACK RIDE BLAST!』
空に放った無数の弾丸が敵のサーヴァント達に降り注ぐ。
「さあ、皆さん乗ってくださいな!」
「ジャンヌ、立てるね?」
「はいっ!」
マリー・アントワネット王妃の言葉に僕は近くの二人を小脇に抱え、ジャンヌとともに彼女の馬車に乗り込んだ。
「あそこの二人はいいのかい?」
「あれは僕がカードから呼び出した存在だ、僕がそばを離れれば自動的に消える」
「へぇ、サーヴァントとは違うのか」
「それでは御機嫌よう皆様。オ・ルヴォワール!」
王妃の言葉とともに走り出す馬車に乗り込んだ僕達は戦線を離脱した。
評価もどしどしお願いします。
日間39位となりました。頑張って残り続けられるようにしたいと思います。
ついでに、皆さんのためにちょっとしたネタバラシを。これをもとに皆さん、想像を膨らませてくださいな。
主人公はApocryphaの世界で魔術協会の魔術師からある英霊の触媒を盗みマスターとなりました。しかし、その英霊は天草四郎に賛同し、彼を裏切り天草四郎を新たなマスターとしました。しかし、闇に堕ちたその英霊を元マスターとしてのケジメの為に打ち倒し、その願いを盗みました。
さぁ、彼が呼び出したのはどの英霊なのか? 何が理由で決別したのか。
まっ、ぶっちゃけオルレアンの時点でこの話してる時点でわからないわけ無いっすよね。
この設定どう思いますかね? 意見な聞いてみたいです。何か問題があったら他のネタを使わなきゃいけないので。この作品では事前にこうやってこちらから質問して問題がないか確かめたいと思います。皆さん、ご協力お願いします。