執事をクビになってから2年間。青年は少女の事を蔭から見守り続けていた。

少女も青年が見守ってくれているのは気が付いていた。

その日は青年と少女が出会った日。二人は運命の場所へ向かう。

しかし、その日から少女は青年の気配を感じられなくなっていた。

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久しぶりに「ハヤテのごとく!」を読んで深夜テンションで書き上げた。
ハヤテとこのすばのクロスが全く無いのよね(´・ω・`)
ヒロインはマリアさんとめぐみんを除く紅魔娘達にしたいけど、自分は絶対エタる。


誰かこのクロスで作ってくれ!


プロローグ

一面が真っ暗の中、一部分だけ小さな机を挟んで椅子が2つ置かれている。その周辺はなぜか明るく、椅子には背中に純白な羽を生やした女性と青年が座り向かい合っていた。

 

青年は、羽が生えている女性というと空想上のモノであるが、その女性がいるとされる場所といえば直ぐに思い付くのは1か所だけだった。

 

「ここはいったい、何処でしょうか?ここは天国ですか?」

 

女性は微笑みながら口を開いた。

「いきなりこのような場所に来ては戸惑いますよね。初めまして、綾崎ハヤテさん。私はワーテルと言います。あなたの想像通り天使です。」

 

 

クリスマスの夜、とある公園に向かう途中通り魔から少女を庇ったのだけは覚えている。

 

「綾崎さんの行動は立派でした。犯人に勇敢に立ち向かった御蔭で負傷者は誰一人も出ていません。しかし、傷が深い状態で身体を動かしたので失血死を起こしてしまいました。」

「被害者が他に出なくて良かったですよ。それに天国に来られたのなら救われる思いです。」

ワーテルさんは目を潤ませ僕に近づき頭を下げた。

「まだここは天国ではありません。綾崎さんは天国に行くことが出来るのですが、異世界に行って頂きたいのです。」

 

ワーテルさんの言い分はこうだ。

 

①前任者がこの死後の世界に来た少年と一緒に異世界に向かった為、ワーテルさんがこの仕事を引き継いだ。

②ワーテルさんは真面目な為、その後にやってきた日本人に異世界に行った人達の生存率や末路等を話したところ誰も行きたがらず、誰一人も魔王討伐の為の人材が派遣できていない。

③僕もこの世界での転生や天国に行くことが出来るが、お嬢様との生活を見ていてこの世界に来たら異世界に行くのを頼むつもりでいた。

 

「考える時間を貰えないでしょうか・・・」

「はい。此方としては異世界に行く事へは強制は出来ませんので。」

 

ワーテルさんはお辞儀をして姿を消した。

 

今、ナギさんには千春さん、カユラさんもいる。ルカさんとも交流が続いている。僕達がずっとそばにいなくても生活が出来る様になっている。

あの日、お嬢様と出会い、救って頂いたこの命。同じように僕も誰かを救えるように最善を尽くそう。

 

「ワーテルさん」

「はい。お呼びでしょうか?」

いきなり真正面に出てくるのは吃驚するから止めてほしい。

 

「異世界に行かせて頂きます。」

「有難う御座います、綾崎さん。異世界に行くに当たりどんなものでも一つだけ持って行く権利が有りますが何にされますか?」

 

持って行くもの何も決めていなかった。どうしようかな。

「宜しければ、綾崎さんが今まで使用した事がある武器を召喚する能力は如何でしょうか?使用する場合、召喚し使用出来る時間に制限は有りますが、時間が経って消滅しても再度召喚が出来ますし複数の武器を召喚したり出来ますよ。」

「分かりました。それでお願いします。」

「承知しました。では今から異世界に送りますので、魔法陣の中央から出ないで下さいね。」

すると足元に青く光る幾何学模様みたいのが浮かび上がった。

「綾崎ハヤテさん、異世界に行く前に一つだけ。異世界での魔王討伐をお引き受け頂き、心より御礼申し上げます。魔王討伐後には神々からの贈り物、例えばどんな願いでも一つだけ叶えさせて頂くのですが、これとは別に私からささやか御礼ですが、現世での未練を1つ叶えさせて頂こうかと思います。」

「未練ですか・・・。」

 

思い浮かんだのは初めて見た時から思っていた、自分が見てきた人の中で最も綺麗な人。そして別れの際に笑顔で見送れなかった人。色々と話したい事がいっぱいある。

 

「マリアさんという女性の方と短い間ですが一緒に生活していました。その方とナギさんの近況でもお話したいですね。」

「上からの承認が下りましたら、直ぐに対応させて頂きますね。今から行く世界ですが、困ったことが有れば、アクシズ教団の教会をお尋ね下さい。女神アクア様に取り次いで頂ける筈です。」

 

異世界からこっちの世界にでも電話が繋がっているのだろうか?それよりもアクア様って誰だ?

 

「さあ、勇者よ!願わくは、数多の勇者候補の中から、あなたが魔王を打ち倒す事を願っています。・・・・・・さあ、旅立ちなさい!」

 

僕は色々な疑問を抱えつつも、明るい光に包まれていった。

 



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