ターーーン・・・
何処かの山にある寺の一角で銃声の音が聞こえた。
そしてそのまま縁側に座っている少年は後ろから血を噴き出しながら倒れて行くのが見えた。
「キンジーー!!」
すると髪の長い青年が少年に向かって一直線に走って行った。
そして少年の元に着くや否や自分の服を脱いで血が噴き出している所に巻き付けた。
そして青年が何があったのかを見渡すとそこにある物が見えた。
それは焔が立ち舞う場所で古い拳銃でこちらを見ながら何か言いながら笑う・・・
黒髪から白髪になりかけた男性がそこにいた。
「貴様ーー!!」
青年は懐からリボルバー式の拳銃を出して構えた瞬間・・・それは姿を消した。
すると後ろから人の声が聞こえた。
「どうしたんですか!?」
後ろから巫女のような服装をした女性がそう言うと青年は大急ぎでこう言った。
「救急車と医者をお願いします!キンジが!キンジが!!」
「え・・・キンジ君!」
そして何人かの少女達も駆けつけてきた。
この撃たれた少年こそ多くの事件に巻き込まれながらも成長し、やがて多くの
伝説を残す英雄「遠山キンジ」である。
あれから暫くしてキンジは目覚めたが背中に撃たれた傷は銃創となって残るらしいのだが本人曰く・・・。
「男の勲章だい。」と言ったそうである。
そしてその地方の病院で観察入院することになった。
幸いにも夏休み中であったため学校には一応報告したものの始業式には余裕で
間に合う事から兄でもあり自分の怪我の治療をしてくれた「遠山 金一」により
勉強道具一式が送られた。
キンジははーと溜息つきながら宿題をしている中ある人間がやってきた。
「遠山君!!大丈夫だった!?怪我は!!?」
入ってきた人間は六人。
そのうち四人は老人の男女であるが一人は長い髭を持った老人。
もう一人は目つきは悪いがちょび髭の老人。
そして老婆達の方であるが一人は白髪のキセルを咥えたファンキーな衣装を
身に纏った老婆と。
もう一人は着物を着た白に近い水色の髪の老婆がいた。
そして入るや否やキンジを心配して体中を触っている少女は前半の老人の孫である
「服部 飛鳥」
最後に中学生であろう黒い学生服を身に纏った色白の肌をした水色の髪の少女
「光 雪泉」がそこにいた。
すると雪泉が飛鳥を少し離すとこう言った。
「駄目ですよ飛鳥さん。キンジ君は一応病人ですから少し休ませないと。」
「はーい・・・。」
飛鳥は少ししゅんとしているとキンジは飛鳥の頭を撫でてこう言った。
「ありがとな。飛鳥。」
「・・・・うん////」
「・・・むうう。」
キンジが飛鳥の頭を撫でているのを見て少しむくれている雪泉を見てキンジは雪泉の頭を・・・撫で始めた。
「ふええ。」
「え?こうしたいんだろ?雪泉姉は??」
「・・・い、・・・いえ・・・///」
すると今度は雪泉が真っ赤になり始めていたのだ。
それを見ていた老人達はと言うと・・・。
「やれやれ早くひ孫が見たいものじゃあ。」
「まあその時は雪泉が勝つがな。」
それを聞いた飛鳥の祖父が少し目を細めてこう言い放った。
「何言ってんじゃ黒影。それは飛鳥の方じゃろうが?(# ゚Д゚)」
「そんなわけないだろうがこの色ボケが(# ゚Д゚)」
「「・・・やるかごら!!」」
「「やめなさい。」」
「「ごふう!!」」
二人は懐から何かを出そうとしたようであるがそれを飛鳥の祖母が大きなキセルを。
雪泉の祖母は鉄扇を使って頭を殴りつけた。
それを見た三人はああまたかと思いながらそれを見ていた。
そんな日常こそこの少年の日常であった。
そしてそんな日常に新しく加わる人間が出ることをまだこの時誰も知らなかった。
そして彼は運命の出会いを果たす。