予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 第四巻の始まり。


『第四章 カオスエピソード 黄金のストラトス/白銀のベストマッチ!!』
待ち人。


 「本当にここにいるのう?」

 レティシアはそう言いながらキンジとレスティアと一緒に倉庫に向かっていった。

 理子から貰った情報を半ば(殆ど)疑いながらもそこに向かっていたのだ。

 ・・・兄である遠山金一の手掛かりがあると信じて。

 そしてキンジはその倉庫を見つけた。

 「ここか。」

 そう言うとキンジは万が一に備えて武器を持たせるように二人にそう言うと

扉を開けた。

 そしてそこにいたのは・・・。

 「カナ。」

 嘗て理子が変装していたカナのオリジナルであった。

 然しそれとは全く別物であった。

 時が止まるほどの美しさ。

 周りの物が全て視えなくなる位の美しさだ。

 ロングスカートを着ていたカナは編んだ黒い長髪を揺らすと長い睫毛の下にある瞳がそっと、開いた。

 「「・・・・・」」

 その光景にレスティア達はボーっとしていた。

 あまりの美しさで茫然としてしまっていたのだ。

 然し当のキンジはと言うと・・・。

 「(完全に呆然としているがあれは本物の女じゃねえって言ったら・・・

落ち込むだろうな。)」

 キンジはそう思いながらカナを見ていた。

 

 

 

 

 

 

 遠山家に代々受け継がれているヒステリアモードは性的興奮をトリガーにすることが主である。

 かの遠山の金さんは肌を脱ぐことで性的に興奮・・・・まあ簡単に言えば

露出狂の類であったのであろう。

 だがキンジとは違いいつでもヒステリアモードになれたのだ。

 そして遠山金一もまたそれに倣おうとある工夫を施した。

 それは異性を必要とせず、自らの意志で性的に興奮させられるもの・・・。

 自信を絶世の美女に化けさせる事である。

 つまり・・・女装である。

 酷い嗜好であると思いたいがそのおかげで強くなったという何とも言えない

側面がある。

 「キンジ、ゴメンね。イ・ウーは遠かったわ。」

 「遠かったならさっさとあの時に理子を倒して帰ってくれば良かったろ。」

 キンジは内心激しい怒りを押し殺すかのようにそう言うとこう続けた。

 「それで理子の情報ならここで何か指示を出すと思っていたが何なんだ、カナ・・・いや、兄さん!」

 そう言うとレスティアとレティシア( ゚д゚)ポカーンとした後・・・大声で

こう言った。

 「フェ(;゚Д゚)!!あの人男なんですか!?」

 「ちょっと!あたし達よりも美人て!!」

 ふざけてるわよとレティシアはそう言うが唐突にカナ・・・いや、遠山金一が

こう聞いた。

 「キンジは神崎・H・アリアとーーー仲良し?」

 「何じゃそれ?あいつと仲良しって見えるなら今すぐ眼科と脳外科に行って

医者に診てもらえ。」

 後精神科にもなと言うと金一はこう続けた。

 「・・・好きなの?」

 そう聞くとキンジは二述べもなくこう言った。

 「あいつとは仲良しどころかあっちが一方的にああだこうだ言う始末だよ。」

 何とかして欲しいぜとぶつくさ文句を言うと金一はキンジに向けてこう言った。

 「良かった・・・キンジが肯定したら一人でやろうと思ってたんだけど

丁度良かったわ。」

 そう言うと金一はキンジに向けて手を差し伸べてこう言った。

 「これから一緒に、アリアを殺しましょう。」

 それを聞いたキンジはと言うと・・・。

 「・・・兄さん。マジで精神科行ったら?」

 心配される始末であった。




 それって・・・普通聞くか?

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