「おいで、神崎・H・アリア。もうちょっとだけーあなたを見せて?」
カナは憂いの表情を浮かべながら片膝を付いた状態のアリアを見下ろしながら
そう言った。
そして次の瞬間・・・。
「うっ!」
パアン!という音と共にアリアは短い悲鳴を上げて前のめりで倒れた。
血しぶきが見えないことから恐らく模擬弾か防弾制服に当たったのであろうが衝撃は殺せなかったのであろう。
因みにだがその威力は金属バッドで殴られたかのような痛みであるため当たった
場所によっては内臓破裂で死ぬことだってある。
それを見ていたキンジ達はと言うと・・・。
「おい、あれ・・・見えたか?」
「全然見えないのじゃ。」
「・・・早撃ち、それも的確な。」
「あの銃声・・・何処かで?」
焔と夜桜、紫、華毘がそう言う中飛鳥と雪泉は。
「今のってやっぱり」
「ええ、『インヴィジビレ(不可視の銃弾)』ですね。」
そうなるとやはり彼女はと雪泉が考えている中キンジは未だ動こうとはしていない。
「このお!!」
アリアは逆立ちするかのように跳ね起きながら両足でカナの顎目がけて
蹴ろうとするも・・・カナは殆ど動かずに躱した。
「これで!!」
そして拾ったガバメントを持って今度は至近距離で撃とうとするも・・・。
とんとんと言うかのように左右の手首を軽く押して銃口を逸らした。
「--!!」
トリガーを引く指を止められなかったアリアの銃がスライドした。
恐らく弾切れになったのであろう。
然しアリアは今度こそはと思いながらガバメントを逆さにして持って近接武器として使用しようとした。
然しそれも予定調和の如く銃をひったくるかのように取り上げた。
「やーーーっ!!」
するとアリアは背中から二本の刀を出して斬りかかろうとした。
これならと思っていたアリアであったが・・・相手が悪かった。
ギギン!!という音と共に刀が弾き飛ばされた。
「蠍の緒(スコルピオ)」
キンジはそう呟いた。
不可視の武器。
これこそが遠山金一のもう一つの名、二つ名でもある異名
『不可視(インビジブル)の金一』
これこそがその異名の由来である。
武器どころか格闘術ですら不可視と言うその実力は早業においてなら
ナンバー1と言われている。
よく見たら打撃をあの攻防で喰らったのか口元から血が流れ出ていた。
「ハア・・・はぁ・・・アンタの・・・銃・・・『ピースメーカー』ね!?」
アリアがそう言うとカナはこう答えた。
「正解。見えなかったのによくわかったわね?」
「銃声と・・・マズル・・・フラッシュで・・・骨董品・・・だから・・・
今一・・・思いだ・・・せなかった・・・・けど」
「けど・・・・これで終わり。」
カナがそう言った次の瞬間・・・。
パアン!という音と共にアリアはそのまま真後ろに倒れた。
「今回は様子見と・・・キンジとの約束があったから・・・
ここまでにしておくわね。」
そう言ってコロッセオの出入り口に向かうとキンジを見てニコッと笑った後
飛鳥と雪泉を見て・・・声に出さずにこう言った。
「・・・綺麗になったわね。飛鳥ちゃん、雪泉ちゃん。」
「「!!!!」」それを聞いた二人は泣き出しそうな顔になった。
そしてそのまま彼女は・・・体育館から出て行った。
「・・・後で説明しなきゃな。」
キンジは飛鳥と雪泉を見てそう呟いた。
喪ったと思った人・・それは目の前に存在していた。