予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

11 / 269
 落ち込んだ人間の励まし方は10人十色


いざ外へ。

 半蔵達はカナメの案内の元キンジの部屋の前に着くと半蔵がキンジの扉を叩いてこう言った。

 「おおい、キンジ君や。儂じゃ、半蔵なんじゃが開けてくれんかのう?」

 「・・・・」

 「すいません。キンジはあれから全然出てくれない。」

 カナメが半蔵に謝りながら説明するも半蔵は頭を掻いてこう言った。

 「こりゃ時間がかかりそうじゃな・・・黒影。」

 「分かっとるわい。」

 半蔵は黒影に変わらせると黒影は黒い鉄扇を出すとそれを扉の前目掛けて・・・叩きつけた。

 すると・・・扉がスパッと・・・斬れたのだ。

 「えええええええ!!」

 カナメはそれを見て驚いた。

 まあ・・・普通に考えても無理だろう。

 扇で扉が斬れるなんて・・・ねええ。

 そして扉の先には・・・箱だけの骨壺と遺影、そしてその正面で体育座りしている

キンジを見た。

 そして黒影はキンジの肩を掴んでこう言った。

 「キンジ、顔を見せよ。」

 そう言ってキンジを正面に向かせるとそれは酷いさまであった。

 目は赤く純血しており涙の跡がくっきりと残っていた。

 それは嘗ての・・・雪泉のようであった。

 雪泉の両親も武偵であったがとある任務の際に殉職して雪泉一人だけになって

しまったのだ。

 その時黒影は雪泉を引き取ろうと来た時には・・・キンジと同じような顔に

なっていたのだ。

 だが環境は違っていた。

 未だ幼かった雪泉の周りにはキンジや飛鳥、周りの人間の支えや泣くことが

出来たのだがキンジの場合は違う。

 頼れる友すら入ることが出来ず、周りには兄に暴言を吐く民衆と言った

檻の中である事から泣くときも一人ですすり泣くしなかったのであろう。

 それを察した黒影は少し荒い方法を使った。

 「いい加減に起きないか!この盆暗が!!」

 「ぐは!」

 黒影はキンジを殴り飛ばすとキンジはそのままベッドまで飛んで行った。

 「キンジさん!」

 カナメはそれを見てキンジの所に向おうとすると半蔵がそれを止めた。

 そしてキンジは前を見るとこう言った。

 「黒影・・・じいちゃん?」

 「ほう、眠気眼ではなかったようじゃな。」

 もしそうだったらもう一発だったぞと言うとキンジに向かってこう言った。

 「荷造りしろ。」

 「へ?」

 黒影はキンジに向けてそう言った。

 「早く!!」

 「は、ハイ!」

 そう言ってキンジは服を鞄に詰めながらカナメも荷造りして準備し終えると・・・。

 「良し行くぞ。」

 そう言いながら黒影と半蔵は・・・窓にへと向かった。

 「へ?そっちは河だぞ?」

 「知っとるわい。」

 黒影はキンジの言葉をスパッと斬り捨てると窓からベランダの下を見ていた。

 キンジはそれにつられて下を見ると・・・。

 「キンジさ~~ん。」

 「お~~い、キンジー。」

 「キンジ殿ー。」

 「キンジ。」

 「キンジ~~!」

 「雪泉姉!焔!夜桜!紫!華毘!」

 キンジは下にいる彼女達を見つけた後半蔵がキンジとカナメに向かってこう言った。

 「それじゃキンジ君。・・・飛ぶぞ。」

 「?」

 「・・・あああな。」

 カナメは分からなかったようだがキンジはそれを察してカナメを・・・

お姫様抱っこした。

 「ひゃあ////」

 「悪い。」

 カナメは素っ頓狂な悲鳴を上げるとキンジはそれをわびた。

 「先に行ってるぞ。」

 半蔵はそう言って・・・窓から飛び降りた。

 「!!!」

 「それじゃあ・・・しっかり捕まってろ!!」

 カナメはそれを見て驚くと・・・キンジもそれに続いて飛び出した。

 「きゃああああああ!!」

 カナメは悲鳴を上げながらキンジに掴まっているとキンジは武偵の必需品である細い高硬度のワイヤーをベルトから射出して他の部屋のベランダに引っ掛けた。

 無論半蔵達は懐に入れていた縄を引っ掻けていた。

 そして彼らはそのまま屋形船に移った。




 そして少年は目指す。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。