予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 「イ・ウー」の歴史が分かります。


突入。

造船所は戦場となった。

 周りには『イ・ウー』のメンバーと思しき面々と防人達国連軍と第0課が交じりに混ざって戦っていた。

 地上では銃声と肉と肉、鉄と鉄がぶつかる音、空を向けばISが上空で

戦闘をしていた。

 そんな中で・・・何人かがそこから船内に入ることに成功した。

 そのメンツはと言うと・・・。

 「はあ・・・はあ・・・・何人・・・抜け・・・切った?」

 防人は息切れしながらそう聞くと・・・何故かそこにいる金一がこう言った。

 「・・・俺達入れて・・・7人だ。」

 そう言って周りを見た。

 金一、防人、レスティア、レティシア、キンジ、一夏、獅堂のメンツであった。

 「それで兄さん・・・ここからどうするんだ?」

 キンジがそう聞くと金一はこう答えた。

 「ここからエンジンルームに行こう。そこからだ」

 そう言って金一は全員をエンジンルームにへと連れて行った。

 「ここだ。」

 そう言って金一は扉にあるカードリーダーにカードを差し込み、登録番号を

入力した。

 「こっちだ。」

 そう言って金一は全員を中にいれた。

 そこで目にしたのはエンジンでは・・・なかった。」

 「・・・何もない。」

 キンジはそう言って周りを見た。

 エンジンらしきものなど何処にもなく、あるのは細長いロープのような・・・。

 「キンジ、下を見ろ。」

 「?」

 防人がキンジに向かってそう言ったので下を見てみるとそこで目にした

ものは・・・。

 「・・・潜水艦・・・だと」

 キンジはそう言って顎を大きく開けていた。

 全長300mはあるであろうその大きな黒い塊を見て驚いていたが金一はさらにこう告げた。

 「これが『イ・ウー』の正体。大型原子力潜水艦『ボストーク号』だ。」

 「!!オイオイ待てよ金一、それって確かよ」

 獅堂は驚いた様子で金一に向けてそう言っていた。

 何せこの船は・・・。

 「30年以上前にソ連から姿を消した幻の原子力潜水艦・・・成程、

当時のソ連は強かって事かよ。」

 防人は何やら考えながらそう言うと一夏が何か聞いてきた。

 「どういう事です?防人さん」

 すると防人はこう答えた。

 「良いか、当時のソ連はアメリカと冷戦になった後にお互いスパイを

送り込んでたんだ。情報を手に入れるためにな、そしてその報奨が・・・

あれさ。」

 防人はそう言って『ボストーク号』を指さした。

 詰まる話がソ連に対して何かしらの有益な情報を提供され、その見返りに

貰ったのが『ボストーク号』と言う訳である。

 「行くぞ。」

 金一はそう言って全員を桟橋に連れて行き、そのまま潜水艦内部に通ずる

ハッチに入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「何だこりゃ?」

 「驚きますよね、これを見たら。」

 「私達も初めて見た時にはびっくりしたんだから。」

 キンジが驚いているのを見てレスティアとレティシアも同意していた。

 何せそこは・・・とんでもない内装であったのだ。

 恐らくだが最下層から最上層までのデッキをぶち抜いて作ったと思われる天井とそこに吊り下がっているのは巨大なシャンデリア。

 ご丁寧に天然石も敷き詰められていた。

 それだけでも凄いのに恐竜の全身骨格標本に数多なる動物の・・・

絶滅動物も付随した剥製が所狭しと置かれていた。

 「すげえ、まるで博物館だ。」

 一夏は周りを見渡しながらそう言った。

 ここにある物全てが金に換えられたら1千億や2千億程度では済まない程の

大金があるという事になる。

 「これだけあるとは『レインボー・クルージング』もそれなりに儲けてたん

だろうな。」

 獅堂はそう言って周りを見ていた。

 「未だ続きはあるわよ。」

 レティシアはそう言うと・・・ある扉を見た。

 既に開けられていた扉があったのだ。

 「おちょくってんな、あれ。」

 獅堂はそう言うと金一はこう言った。

 「行くぞ。」

 そう言って全員そこにへと向かった。

 扉の向こうにあった螺旋階段を駆け下りた先にあったのは・・・。

 「・・・水族館?」

 キンジはそう言った。

 周りには数多の魚たちが入った水槽が入っていたのだ。

 更に奥へ進むと・・・

 「植物園?」

 あらゆる鳥類がそこかしらに飛び回っていた。

 

 

 

 

 「鉱石専門店?」

 金、銀、宝石が置かれていた。

 

 

 

 

 

 「図書館」

 長い布のタペストリーや、革表紙の本が並ぶ書庫

 

 

 

 

 

 「音楽ホール?」

 黄金のピアノや幾つもの時代にあった音楽器があった。

 

 

 

 

 

 「武器庫?」

 中世から近代の武器や甲冑が置かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 「銀行?」

 金の延べ棒と各国が使う紙幣が置かれていた。

 

 

 

 

 

 

 そして等々最後の部屋に入るとそこにあったのは・・・。

 「土?」 

 防人はそう言ってその部屋に敷き詰められている土を一掴み掴み取った。

 そして正面にあるのは・・・。

 「肖像画と・・・墓?」

 一夏はそう言ってそれを見ていた。

 「何か書いてますよ!」

 「!!?」

 全員それを聞いてそれを読んだ。

 一番左側に書かれていたのは旧字が入っていたが・・・日本語であった。

 「何々・・・『大日本帝国海軍超人(旧漢字が分からなかったので)師団長

 初代伊・U潜水艦長 昭和拾玖年八月』」

 「その隣は逆卍・・・ヒトラー政権時のマークか?」

 「こいつはアフリカ系の女だな。」

 「こっちは車いすの中国人です。」

 防人が二つ目も見た後に続いて獅堂、キンジもそれを見て言うと防人はまさかと言ってこう答えた。

 「こいつらは恐らく『イ・ウー』の歴代艦長、そして前二つは恐らく

枢機軸関係の組織だから・・・ここは枢機軸の超人兵士研究所か!

そして敗戦後にはそれまでの技術を使って秘密結社となった。」

 「軍団長はそのまま『プロテキシオン』と名を変えて潜水艦を変え乍ら

今に至るってか。」

 獅堂がそう締めくくるとある絵を見た。

 それはキンジがよく知る人間の絵。

 「こいつが『シャーロックホームズ』。」

 キンジはそう言ってその絵を見ると・・・ナニカ違和感に気づいた。

 「・・・兄さん!!」

 キンジは金一を読んで絵にバタフライナイフを差し込んで引き裂くと・・・。

 「隠し通路か・・・!!」

 「ここに向かえって事だよな。」

 金一とキンジがそう言うと全員武器を構えた。

 「・・・・・・・」コク

 金一は何も言わずに突撃し、防人達も其れに続いた。

 ・・・その先にあるのは一体何か・・・彼らはまだ知らない。

 

 

 

 

 




 諸事情により旧漢字の一部は現代漢字に変えました。

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