予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 諸事情に伴い前後編にします。


混ざり合うソウル/奇跡と思いのブラザーズ 前編

「兄さん!!」

 キンジはその光景を見て猛ダッシュしてシャーロックホームズに

殴りかかろうとした。

 「手前!!」

 「おっと。」

 然しシャーロックホームズはひらりと躱して金一を手放した。

 「ゴホゴホ!」

 「大丈夫か兄さん!!」

 キンジはシャーロックホームズから金一を離すように下がっていった。

 「・・・アリアは?」

 シャーロックホームズは何やらきょろきょろして周りを見るかのようにそう聞くとキンジはこう答えた。

 「あいつなら今頃聖堂でおねんねだろうさ。」

 手錠付きでだがなと言うとシャーロックホームズは懐に手を入れた。

 「「!!!」」

 キンジと金一は何か出すと思って身構えると出てきたのは・・・。

 「ああ、すまない。考え事する際にはこれを何時も使ってるんだ」

 そう言ってシャーロックホームズはマッチ箱からマッチを出して

それを懐から出した・・・古風なパイプにマッチの火を入れた。

 「・・・ふうう。」

 シャーロックホームズは何やら考え事するかのようにこう言った。

 「矢張り違うな。」

 「何がだ」

 キンジはシャーロックホームズの言葉に対してそう聞くとシャーロックホームズはこう答えた。

 「今ここにいるのは金一君とそこの男性二人に、ジャンヌダルク姉妹、そして・・君だ。本来なら・・・君とアリアだけのはずなんだがねえ。」

 「・・・どういう事だ。」

 金一はその言葉に眉をひそめるとシャーロックホームズはこう続けた。

 「それだけじゃない。本来『ロイミュード』技術に『トランスフォーマー』、『IS』、そして『仮面ライダー』、どれも私が推理した世界にはなかったんだ。」

 「何故こうも私の推理が外れるのか疑問してたんだよ。まるで・・・世界が私の推理を拒むかのようにね。」

 「だから私は出来れば今日までの状況を完璧にしようと色々とシナリオを

変えたんだよ。」

 ふううと煙を吹かしながらシャーロックホームズは金一の言葉を聞かずに

続けていた。

 まるで・・・視界に入っていないかのように。

 「先ずは『ブラド』の末裔から『ロイミュード』技術を奪った。」

 「彼を仲間にすることは必須事項だったからねえ。」

 「その為に私は『理子』を脱走させたんだ。」

 「アンタが理子を逃がしたって事か。」

 キンジは初めて理子が脱出した真実を聞いて驚いていたが

シャーロックホームズは更にこう続けた。

 「そして私は幾つもの組織や人間に声をかけたのだが一つトラブルが

あったんだ。」

 「・・・何だ。」

 キンジは何事だと思って聞いていると・・・意外な言葉が出てきた。

 「レスティア・ジャンヌダルクとレティシア・ジャンヌダルクの事だ。」

 「「「!!!」」」

 キンジ、レスティア、レティシアはそれを聞いて驚いていた。

 特にレスティアとレティシアは自分の名前が出たので何事だと思った。

 「私が見たジャンヌダルクは銀髪の女性だけだったのだが二人もいたことに

驚いていてね、どうしようかと思っていたんだよ。」

 「何せ君とアリアの仲を取りまとめるには必要な存在なのに二人もいては

厄介なことになりかねないと思ってね、そこで修正させようと考えたのさ。」

 「・・・まさか」

 「そう、キンジ君。君の推理通りさ、私はレスティアをこの世から消そうと

考えたのさ。」

 「「「!!!」」」

 「彼女たちよりも強い超偵をターゲットに仕立て上げてレスティアが死ぬように仕立て上げたのだがね、どういう因果なのか分からないが君の下に

来てしまったのだよ。」

 やれやれだよとシャーロックホームズは手をひらひらさせながら

そう言っていた。

 それを聞いていたキンジはと言うと・・・。

 「・・・手前。」

 右手から血が滴り落ちるぐらいい握りこぶしを作りながら

シャーロックホームズを睨みつけていた。

 彼のやっていることはまるでゲームの様に人を殺す快楽殺人者のようだと

思っているからだ。

 「・・・・そう」

 「レティシア!!」

 レティシアの声が聞こえてキンジは彼女のいる方向に視線を変えると

そこにいたのは・・・。

 「あんたが・・・・アンタが・・・・アンタガ・・・・・」

 「アンタが姉さんをーーーーーーー!!!!!!」

 レティシアは親に殺された子供が仇を見つけたかのような表情をして

シャーロックホームズに飛び掛かった。

 「もう少し待って欲しいのだがね。」

 そう言ってシャーロックホームズは飛び掛かってきたレティシアの剣を・・・

指1本で止め切った。

 「なあ!!」

 「少し下がってくれないかね?」

 そう言ってシャーロックホームズはレティシアをひゅっと・・・吹き飛ばした。

 「きゃああああ!!」

 「レティシア!!」

 レスティアは飛ばされたレティシアを助けようと抱きかかえようとしたが

そのまま二人は向こうに飛ばされていった。

 「レスティア!!大丈夫か!!?」

 「はい!大丈夫です!!」

 レスティアはキンジの言葉を聞いてそう答えた。

 「さてと何処まで話した・・・ああ、レスティアらへんだったね。

何故こんなことをしたのか?だよね、簡単さ」

 「・・・君とアリアがパートナーになるように仕向けるためさ。」

 「何?」

 キンジはそれを聞いて驚いていた。

 自分とアリアがパートナー?

 笑わせるなら大概ものだなと思っていたがシャーロックホームズはこう続けた。

 「その前に君は兄の死をきっかけに『アサルト』から『インケスタ』に入り、

通常学校に編入しようとするぐらいに武偵を拒んでいたからね。」

 「・・・そう言う未来もありそうっつうたらありそうだな。」

 確かにそうであろうな。

 飛鳥達がいなければそう言う未来があっても想像でき易いからな。

 「そして傷心中の君を理子の爆弾でアリアが気づいて君を無理やりにでもパートナーにしてある事件で解散し、彼女は帰りの飛行機で理子と戦うことになるのだがここでトラブルが幾つか起きたんだ。」

 「・・・トラブル?」

 「そうだ、第1に君はレスティアを助けて家に匿った。そしてアリアを

追い出した。第2にあのバスジャックの際にその蜂型ロボット君が爆弾を外し、

理子の正体を見破った。そして最後にこれが重要、理子がロイミュードになれる

ことだ。」

 「それにより本来なら共闘であるところをアリアは負けて君が代わりに戦って勝った。」

 「そしてジャンヌダルク戦においては君は本来ならアリアと白雪君の三人で

挑んで勝つというところをレティシアは白雪君を使ってレスティアを誘拐させ、

君は他に作った仲間と共に勝利を収めた。」

 「さらに言うならばブラドの時には彼は自身の狼をロイミュードに作り替えた

挙句に理子と、君とアリアの共闘で倒すところを実質合切に君はたった一人で

ブラドを・・・殺し、理子君は自分の仲間を作っていた。」

 「この時点で私の推理は最早機能出来なくなってしまったのに更に最悪な状況が起きてしまったんだ。」

 「・・・兄さんか」

 「そうだ、本来なら金一君は『パトラ』と恋仲になるところを君はそうにも

ならなかったどころか『パトラ』を殺した。」

 「最早私が見た推理が意味をなさなくなってしまったのだが・・・

未だ時間がある。」

 「どうだね、ここでアリアを呼んで私と戦ってもらう」

 シャーロックホームズが何か言いかけた瞬間に・・・キンジは銃を向けた。

「何かなキンジ」

 「それ以上言うな、シャーロックホームズ」

 キンジはシャーロックホームズに銃を向けたままこう言った。

 「アンタはアリアそっくりだな。その思考も、行動もな。」

 「ハハハ、私達は血が繋がっているからね。当然だよ。」

 「だからこそ、俺はアンタを許せない」

 「?」

 シャーロックホームズはキンジの言葉を聞いて何故だと思っているとキンジはシャーロックホームズに向かってこう言った。

 「アンタはそうやって多くの人間を不幸にしてきた。そして多くの人間を泣かせた。」

 「アンタは武偵の祖としてだけじゃなく人間としても最低だよ。」

 「ならば・・・どうするんだい?」

 シャーロックホームズはそう聞くとキンジはこう答えた。

 「決まっている。・・・アンタをぶっ飛ばす!!」

 そう言うとザビーがキンジのブレスレットに装着した。

 すると・・・。

 「俺も行きます。」

 「・・・一夏」

 一夏がキンジの右隣に立ってこう言った。

 「あいつのあの言動・・・今まで見た中で大っ嫌い4な奴なんでね。」

 「俺もだ。」

 「兄さん!!」

 そう言いながら金一はキンジの左隣に立ってこう言った。

 「俺達武偵は悪を倒し、正義を執行する存在。そして何よりお前は・・・姉妹を・・・家族を

引き離すという外道を行った。」

 「シャーロックホームズ。お前に実刑を与える。」

 そう言った後に一夏、金一はベルトを装着した。

 「行くぞ、キンジ!」

 「・・・ああ!!」

 金一の言葉を聞いてキンジはそう答えた後に・・・ザビーのシステムを起動させた。

  「『HENSIN』」

 そして一夏はフルボトルを、金一はガシャットを挿入した。

 『コウモリ!』

 『ギアーズ!』

 『ビルドオン!!』

 「『ガシャット!』

 「変身。」

 「『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!

アイムアカメンライダー!』

 すると一夏の前後に映像が付いたファクトリーが、金一の後ろに何やら幾つもの墓と鎌を振り回す

二頭身キャラが出てきた。

 そして金一はそのキャラになった。

 『ARE YOU READY?』

 「変身!!」

 「・・・レベルアップ。」

 『レベルアップ!デッドセット!デッドバック!死を運ぶデッドクエスト!』

 『Cast Off』

 『ガッチリ交わるダークヒーロー!!バットギアーズ!!YEAAAA!!』

 『Channge Wasp ”Thebee"』

 そして、キンジはザビーに、金一はグレイブに、一夏はバットギアーズに姿を変えた。

 するとシャーロックホームズはと言うと・・・。

 「言っただろう?私には時間がないからね、アリアと共闘させるためには・・・致し方がないね。」

 そう言うとシャーロックホームズの胸から『248』の数字が出てくるとその姿を・・・変えた。

 鋼の体。

 頭部には剣のような角。

 体はまるで細マッチョのような体系であった。

 「気を付けろキンジ、一夏君。俺達はあの姿で・・・やられたんだ。」

 そう言うとキンジはこう答えた。

 「任せろよ兄さん。それなら俺が何とかして見せるさ。」

 そう言ってキンジはザビーを触っているとシャーロックホームズは更に何かを取り出した。

 『ナヅケルナラ《ファイター》トイウナマエナノダガキンジクンタイサクトシテコレモダソウ。』

 そう言うと更にシャーロックホームズは目玉のような・・・何かを出すとそこから音声が

流れ出てきた。

 『ア~~~イ!バッチリミナー!チャチャチャバッチリミナー!チャチャチャバッチリミロー!!!チャチャチャ』

 「そいつは!!」

 一夏はそれを見て奴を思い出した。

 最初に『仮面ライダー』になって初めて倒した敵を・・・『パトラ』を。

 すると何やらコードのような物が目玉から出てくると目玉の音声はこう言った。

 『ジャック・ザ・リッパー!!』

 『霧の中!闇の中!!不可思議な悪意~~~!!』

 すると『ファイター』の体も変わった。

 両手に幾つもの・・・刃物が生えていたのだ。

 『ナヅケルナラ『リッパー・ザ・ファイター』ダネ。』

 そう言うとシャーロックホームズは3人に向かってこう言った。

 『サア、ワタシノモクテキノタメニモハヤメニオワラセヨウ』

 「「「上等だ!!」」」

 シャーロックホームズの言葉を聞いて3人はそう言って突撃した。




 ロイミュード№248『ファイター』
 見た目は『アナザーカブト』を金属兵器風にしたやつ。
 元々は試作段階のロイミュードをシャーロックホームズが完成させた奴。
 主に格闘戦型であり武器はない。
  
 『リッパー・ザ・ファイター』
 ファイターにジャック・ザ・リッパー眼玉を使用した携帯。
 両手に刃物が付いたことにより近接格闘戦が出来るようになった。

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