「すう~。すう~。」
キンジは泣き疲れたのか眠っていた。
飛鳥の膝枕で・・・。
「眠っちゃったね。」
飛鳥はキンジの頭を優しく擦りながらそう言うと他の人間もそれを見ながら
こう言った。
「当たり前だろ。兄貴を・・・たった一人の家族を失っちまったからな。」
「それに世間の事で泣く暇と言うか、ここ迄声を上げることすらなかったの
じゃろう。」
「私も・・・姉に何かあったら・・・どうしようもないかも。」
「うちも同じっス。妹や姉期に何かあったと考えたら・・・悲しいじゃ
すまないっす。」
焔、夜桜、紫、華毘がそれぞれ、特に紫や華毘は他人ごとではないと思っている
ようだ。
「・・・私、何も出来ませんでした。」
「カナメさん?」
雪泉の隣でカナメが少し寂しそうな面持ちでこう言った。
「キンジさんが苦しい時、私が出来たのは扉越しからの声掛けとご飯だけでした。
あの時、無理やりでもあの扉を開けていれば皆様にここまでの事を」
「そこまでです。」
「痛。」
カナメが何か言いかけた瞬間雪泉がカナメの頭に手刀を軽く叩いたあとこう続けた。
「カナメさん。確かにそうかもしれませんがあってもなくても私達は行動して
いました。それに・・・遠くで考えているよりも何かできることはないかと近くで
精一杯頑張ってたあなただからこそ最悪の状況にならずに済んだんですよ。そう思えば貴方もキンジさんを立ち上がらせようと頑張った一人で私達の仲間です。」
だから自分を責めないでくださいと雪泉がカナメを慰めたら雪泉は少しうるっと涙を流しながらも「ありがとうございます。」と答えた。
「着いたぞ。」
半蔵は屋形船をある河原に停泊させた。
「・・・う~~ん。」
丁度良くキンジが目を覚めると最初に見たものは・・・。
「何だ?・・・大きな・・・饅頭か?」
そう言ってそれを手で・・・揉んだ。
「ふひゃあ!」
「?」
キンジは眠気眼の状態から目が覚めると目にしたのは・・・。
「・・・遠山君。////」
顔を真っ赤にしている飛鳥の胸を・・・揉んでいた。
「xzんcmgmんm・ん¥m¥・!!」
キンジはどひゅんと言う音が出る程後ろに下がった瞬間・・・船の角っこに後頭部をぶつけた。
「っくぇyrwyてうりゅといyぽう!!」
キンジはあまりの痛さに悶絶していた。
血の周りが早くもなっていた。
「えっと・・・おはよう遠山君。////」
飛鳥は胸を抑えながらそう言った。
「えっと・・・大丈夫////」
それを聞くとキンジはそっぽを向きながらこう答えた。
「おお・・・ありがとうな・・・眠らせてくれたことに////」
「う・・・ううん/////」
何やら周りが甘酸っぱい空気になりかけている所に後ろから声が聞こえた。
「・・・キンジさん~~~。」
「・・・キンジ」
「ふぁわわわわわわ。」
後ろを向くとそこにいたのは顔をふくれっ面にしている雪泉と少し不機嫌そうな顔をしている紫、顔を赤くしているカナメを見かけた。
「いや・・・あのお・・・これには・・・。」
キンジはどうしたら良いのかと迷っている中焔たちを見てみると・・・。
「修羅場だぜ。夜桜。」
「こりゃどうしようもないのう。」
助ける気零であった。
その後自分もと雪泉と紫から胸を押し付けられHSSになりかけるという惨事になった。
「それでどうするんだ?これから?」
その様子を見ていた黒影が半蔵にそう聞いた。
「奴の実家もここじゃがマスコミが黙っているわけではあるまい?」
「それなら大丈夫じゃ。儂の元でかつキンジ君の修行が出来るといえば?」
「成程そう言う事か。それなら良いが只でとはいくまい?」
「当たり前じゃろう・・・馬車馬の如く鍛えて働かせるわい。」
そして時は過ぎる。