始業式。
8月31日、羽田空港。
多くの人間が賑わうその中にある一団がそこにいた。
男性が3人、女性が1人である。
5人ともそれぞれ色々な衣服を着ているが何かが・・・違う。
すると一人の少女が男性に向けてこう言った。
「若、明日は始業式ですので早めに部屋の準備を。」
すると男性がこう答えた。
「ああ、そうだな。色々と厄介なことが起こりそうだからな。」
そう言うと男性が懐から何やら写真を出すと・・・ニヤリと笑ってこう言った。
「さてと・・・お前は俺のお眼鏡に敵うかな?・・・」
「『遠山キンジ』」
そう、写真に写っていたのは・・・キンジであったのだ。
そして彼らは人ごみに紛れて姿を消した。
・・・何かが起きそうな予感のみを残して。
次の日。
この日は学園島全体で始業式が行われた。
無論キンジ達もそうである。
キンジ達武偵校では世界初の武偵校・ローマ武偵校の制服を模して作られた
『防護制服・黒(ヂィブィーザ・ネロ)』と呼ばれる全身黒ずくめの・・・
制服を着て方陣状に並べられたパイプ椅子に座っていた。
・・・見た感じ軍隊か・・・極道が着るようなそんな感じになっていた。
そして各国においてはランクごとにそれぞれ違う色のネクタイを付けるという
儀礼もあった。
国によって違うが日本ではそうやっていた。
先ずEランク=黒
Dランク=白
Cランク=黄色
Bランク=赤
Aランク=青
Sランク=紫と決められていたのだが何事にも例外は存在する。
それは・・・。
「げえ!!『遠山キンジ』!!」
「お前か・・・アリア。」
キンジを見てイヤな顔をしたアリアを見てキンジは興味なさげにそう言うと
アリアはキンジを見ると・・・。
「ガルルルルルルルルルルル」
まるで猫の威嚇みたいな感じで睨みつけていたがキンジはある所を見て・・・
こう言った。
「俺を睨むな。自業自得だろう?」
「・・・・・」フン
アリアはキンジのその言葉を聞くも耳にも入らないような目つきでキンジから
目を逸らした。
因みにキンジが見ていたのは首に付いてある・・・チョーカーと両手首に
付いてある黄色のリストバンドであった。
チョーカーを白雪が付けている者と同じものであるのだがもう一つの
リストバンドはと言うと・・・現在のアリアのランクである。
『イ・ウー』に加担しようとしただけではなくシャーロックホームズの
手を取って何かしようとしたことが分かり以下の罰則が付いた。
①今回の世界的犯罪組織の加入に伴い武偵校に情報を提供せず剰え独断で事に
当たったためアリアのランクを3つ下げる。
②実弾及び遠山キンジに対して殺害する意思があったため遠山キンジに対する
攻撃をした場合、チョーカーから電流が流れるようにすること。
然し①を公でやった場合、武偵校所か武偵局としての信用失墜に関わるために
彼女の武偵における今までの活躍を内々的に取り消すことで表向きとしては
Sランクであるのだが受けられる依頼はCランクまでとした。
それだけだと意外に軽そうに思うだろうがこれは今のアリアからすれば
最悪な状況なのだ。
武偵校生はランクによって依頼だけではなく移動も限られているのだ。
例えばEランクならば武偵校周辺
Dランクなら学園島一帯
Cランクならば東京一帯
Bランクなら関東一帯
Aランクならば日本一帯
最後にSランクならば世界と言った感じで分けられておりこれは武偵としての
当人の実力を評価しての物である。
そんな事になってしまった為、アリアは母親の裁判の際に使われる証拠を
手に入れることが出来ないという現実とシャーロックホームズがキンジに
倒されたという二重の現実の重さに一時は自暴自棄になってしまったのも
言うまでもない。
現在は大人しくなったがそれと同時にキンジに対しては嫉妬と同時に対抗心と
憎しみが積み重なりキンジを正に不俱戴天の仇と言う風に見ていた。
そんな中で武偵校校長でもある「緑松 武尊」が全員に向けてこう言った。
「それとですね、ここ最近における治安悪化を考慮し、海外から
中国武偵校の生徒さんも来られてますのでまず一層の働きを期待しています。」
それを聞いたキンジはそっちの方を向くと・・・。
「なあ・・・・!!」
ある一人の男性を見て驚いていた。
服は違うがあれは間違いなかった。
黒の短髪
切れ目。
そして何よりもあの姿。
一瞬でしか見たことがなかったが間違いないと思った。
「あいつは・・・『イ・ウー』の・・・・!!」
キンジはそう思いながら彼を見ていた。
また厄介なことになりそうだなと思いながら。
「や、遠山君。久しぶりだね」
「ようキンジ、ダブらねえとは相変わらず優等生だな。」
始業式が終わり外に出ろうとすると不知火と武藤がキンジを訪ねてきた。
この二人、態度も・・・見た目も正反対だ。
不知火は清潔感を醸し出しておりちゃんと正装していたが武藤は違っていた。
何せ無精ひげが生えまくりで夏休みボケなのかどうか分からないが服装も
酷いものであった。
「おう、二人とも。つうか武藤お前、ちゃんと髭ぐらい剃れよな。
そんなんだからお前モテないんじゃないのか?」
そう言うと武藤は・・・怒り狂いながらこう言った。
「ウルセエヨ!!お前は良いよなあ、レスティアちゃんのご飯を毎日食べてさ!どうせ一緒に夏祭りにも行ったんだろうよーー!!」
そう言うと不知火は何やら思い出したかのようにこう聞いた。
「ああ、そう言えば遠山君。聞きたいことがあるんだけどいい?」
「?」
キンジは何だろうと思っていると不知火は一呼吸おいて・・・こう言った。
「この間『東京ウオーターアイランド』で超乳美少女とデートしてタって
本当?」
「ぶふぉォォォォ!!」
キンジはそれを聞いて唾を思いっきり吐くが不知火はこう続けた。
「中等部で『架橋生(アクロス)』している子から聞いたんだけどね、遠山君の隣で凄い綺麗で胸が大きい女性と腕組んで歩いてるのを見かけたって聞いたけど
どうなの?」
「え・・・いや・・・・その・・・・な・・・。」
キンジはそれを聞いてしどろもどろになっているが武藤がキンジの肩を
叩くと・・・般若真っ青の表情でこう言った。
「手前キンジ!!俺が寂しく家で過ごしている間にお前は超乳美人と
プールでってお前どんだけ胸のでけえ女の子と親しいんじゃあーー!!」
「知るかよ!俺だって気づいたらって言うかそいつは前の潜入護衛任務で
転校した学校でよく勉強を教えてもらったんだよ。決してそいつとは・・・
その・・・」
キンジは言い返そうと思い出すときにあれを思い出して・・・しまった。
『私は貴方の事が好き。』
そしてあの時のキスと・・・胸の・・・感触。
「・・・・・・・///////」
「うん、黒だね。」
不知火はキンジの表情を真実だなと確信したが武藤はと言うと・・・。
「畜生がアアアアアアア!!何で何時も何時も何時も
こいつだけがアアアアアアア!!」
武藤は頭を抱えてム〇ク宜しくの表情になっていた。
すると不知火はキンジに向けてこう言った。
「まあ、君の事なら『修学旅行Ⅰ(キャラバン1)』でも大丈夫だと思うけど
出来るだけ女の子関係の整理はした方が良いよ?これ以上何かあったら
僕助けられそうにないからね。」
不知火の言葉を聞いてキンジはそうだなと思っていた。
実は武偵校では2学期に2回修学旅行があるのだがこれは生徒間での
チーム編成の最終確認と同時にチェックなのである。
手ごろな武偵がいればイタリアにある国際武偵局からの引き抜きが
行われるからだ。
現に幾つもの武偵校でも同じようにイタリア武偵局に就職した生徒も
少なくない。
キンジは今後のチームの事を考え乍ら・・・学校から出て行った。
次回はあの・・・出来事だったよな?