予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 矢張り京都と言えばお寺ですね。
 (出来るだけディープな)


お寺を見よう。

 そして来る9月14日。

 修学旅行が始まった。

 キンジ達は学校から配られた旅程表を見てみると・・・・。

 「おい・・・これって・・・・」

 「完全に思考放棄だね。」

 キンジと飛鳥はそれを見て遠い目をしていた。

 その内容は・・・薄い。

 場所  京阪神(現地集合・解散)

 1日目  京都にて社寺見学(最低3か所見学し、後日レポートにまとめるべし)

 2日目・3日目  自由行動(大阪か神戸の都市部を見学すること)

 最早旅程表じゃねえよとツッコミをしたいほどである。

 そんな中でキンジは携帯のメールを読んでいた。

 「?どうしたの遠山君」

 飛鳥がそう聞くとキンジはこう答えた。

 「ああ、男友達にこれを貰った後助言を出してもらってな。何処が良いのかを

ピックアップしてもらったんだ。」

 「・・・遠山君って・・・京都知っている友達っていたっけ?」

 「・・・まあ・・・な。」

 キンジは飛鳥の言葉に少しよどむような形で答えた。

 何せアドバイスしてくれているのが・・・・一夏なのだから。

 するとピロ~~ンと携帯からメールが来た。

 それを開いたキンジが見たのはと言うと・・・。

 『まず訪れるんでしたら静かな『蘆山寺』ですかね。俺も前に夏に訪れましたが

風情が良くて落ち着きますよ♪次に『蓮華寺』。ここで抹茶を飲んで一休みするのも良いですよ。そして何よりおすすめが『仁和寺』。綺麗な絵とかが

展示されてますから心が落ち着きますので行って見て下さい!!』

 内容はそう言うのであった。

 何はともあれ参考になりそうだし落ち着きそうだからと言う理由でキンジ達は

そっちにへと向かった。

 先ずは蘆山寺。

 「へえ・・・こいつは中々だなあ。」

 キンジはその光景を見て穏やかな表情をしていた。

 綺麗な桔梗の花が力強く咲き誇り、周りの緑の木々の影がそれを更に

映えさせていた。

 「落ち着きますねえ。」

 「ああ・・・色々あった疲れがきれいさっぱりとなくなりそうだぜ。」

 キンジはレスティアの言葉にそう答えた。

 特にこれまでは気を張り詰めるような戦いが多かったこともありその疲れが

なくなりそうな感じであった。

 「『紫式部』さんもここで句を詠んでたのかなあ?」

 飛鳥はそう言いながらぽやーとしていた。

 無論全員同じ気持であった。

 因みに少し離れた場所には桔梗の花で作った香水が売られており女性陣の殆どが買った。

 次に蓮華寺。

 「こっちもこっちで風情があるなあ。」

 「確かにな、何だか・・・眠くなりそうだ~~~。」

 キンジの言葉を聞いて焔は眠くなりそうな顔でそう言った。

 ここは色んな意味で時間が止まったかのような場所であり、然も涼しい風が

入りこむため眠気が出そうになっていた。

 「確かにね、ここで寝てたら最高だろうねえ。」

 「うん・・・・寝ていたい。」

 「こう言うところが人間落ち着くんじゃろうなあ。」

 飛鳥の言葉に紫、夜桜がそう答え乍ら・・・抹茶を嗜んでいた。

 レスティア達は初めての抹茶に少し怖そうな感じがしていたがキンジが

こう言って飲ませた。

 「お前ら乗って日本人が初めて紅茶を飲む時と同じ感じだろうが?」

 それを聞いて確かにと皆そう思っていた。

 抹茶と出てきたお茶菓子も全員ご満悦であった。

 そして最後に仁和寺。 

 「ほう、こっちは中々気が引き締まりそうだな。」

 「確かに、何でしょうか?ここの雰囲気がそうさせてるんでしょうか。」

 こっちはどちらかと言えばちゃんとした寺であり仏門関係で言えば厳格である。

 そんな中で全員は中にあるであろう絵を見に行くとそこには・・・。

 『ウワアああ~~~~。』

 綺麗なほど美しい絵が幾つもあった。

正に日本が誇る芸術であると分かるほどであった。

 その圧倒的な絵を全員は見入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 「いやあ、それにしてもいい旅だったなあ。」

 キンジ達は現在猫のマークがついたカフェで一息ついていた。

 「うん!あ、紹介してくれた人には何かお礼をしなきゃいけないね!!」

 「確かにな、それじゃあ何か土産でも買うか?」

 飛鳥の言葉に焔もそうだなと答えるもキンジは慌てふためながらこう言った。

 「イヤやめとけよ!そいつ京都出身だからさ、自分がよく見るものとか

買わねえよ!!」

 「うむ、確かにのう。」

 「それじゃあ・・・私達の依頼・・・1回タダは・・・どうかな?」

 夜桜が確かにというと紫がそう提案してきた。

 「それだったら良いっすね!それじゃあキンジ!そう言って欲しいっす!!!」

 「アハハハ・・・分かった。」

 まああるのかどうか分からねえけどなとキンジは華毘の言葉を聞いて

そう思っていた。

 するとキンジは周りを見てこう言った。

 「そういやあ、何か企画があるのか分からねえがこの店の隣の店で

何か買ってる客が多いな?」

 そう言えばと全員それを見ていた。

 するとレスティアが何かを見つけた。

 「もしかしたらあれじゃないんでしょうか?」

 そう言って指さしたのはチラシでこう書かれていた。

 『大好評!本日15時よりシャトンb&シャトン・カフェ合同イベント 

☆シャトン・コール☆

  優勝者には当日お買い上げのシャトンbの商品全品半額キャッシュバック!』

 『・・・これかあ。』

 全員それを見て納得するがそれぞれこう言った。

 「カップル限定って書いてるけどねえ。」

 「キンジって確か動物に避けられるんだったよな?」

 「そう言えばそうじゃったな。」

 「多分・・・無理。」

 「キンジは動物からしたら天敵っすからねえ。」

 飛鳥、焔、夜桜、紫、華毘が思い思いそう言った。

 そう、キンジは動物に嫌われるのだ。

 それも重度の・・・・。

 それは本人も知ってはいるが矢張り傷つくものだ。

 するとレスティアが手を引いてこう言った。

 「ですけど・・・もしかしたら記念にはなるかもしれませんから行きましょ、

キンジさん。」

 「「「アアアアアアア!!!」」」

 飛鳥、夜桜、紫が大声を上げてキンジが引っ張られるのを見入ってしまった。

 それを見ていた焔と華毘は面白そうな様子でコーヒーを飲んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 然し彼女たちは知らなかった。

 その猫カフェの中にいる1匹の黒猫。

 それが・・・粉雪が言った猫とは未だキンジですら・・・知らなかった。




 はてさて・・・この黒猫は一体何なのやら・・・。

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