予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 今回はあそこでお泊りです。


泊まる場所は自分で見つけろ。

武偵憲章第4条、武偵は自立せよ。

 これは武偵はたった一人で行動する際に己のみで思考しなければならないため、

今のうちに自分の考えを持てという意味であるのだがこの場合は・・・どうだろう?

 キンジは達は今日泊まる宿に向けて・・・リムジンで向かっていた。

 「ねえ、遠山君。これって・・・・」

 「俺に聞くな。」

 キンジは飛鳥の言葉に対してそう答えたが本人も少し驚いていた。

 「(防人さんが紹介してくれたって言ってたけど何でリムジン!?)」

 少し驚いていた。

 無論全員居心地が悪い様子であった。

 「あたし初めてだぜ、こいつに乗るの。」

 「儂もじゃ。」

 「・・・私も。」

 「何でしょうね・・・・。」

 「凄い緊張するわよ姉さん。」

 全員そう言っていた。

 そして暫くすると・・・。

 「着きましたよ。」

 運転手がそう言って着いた場所は・・・。

 「『篁』・・・・何処かで聞いたなあ。」

 キンジはそう言いながら扉にあるインターホンを鳴らすと・・・自動的に

扉が開くとそこには一組の夫婦がそこにいた。

 「君が『遠山キンジ』君だね」

 「あ、はい!」

 「私がここの主『篁 佑唯』だ。今日は気兼ねなく使ってくれたまえ。」

 「あ、はい!ありがとうございま・・・・待てよ?」

 キンジはそう思って記憶を掘り返すとある人間に辿り着いた。

 だがそれは・・・ありえないのだ。

 「(おいおいおい、まさかこの人って・・・・!!)」

 そう思っているとキンジはこう聞いた。

 「あのう、つかぬ事をお聞きしますが・・・・」

 「?どうしたんだい」

 「貴方ってもしかして・・・『戦術機の父』と呼ばれている・・・」

 「ああ、世間じゃそう呼ばれてるのかい?私は只社長の指示の通りに作っただけなんだけどねえ。」

 そう言うと全員驚いていた。

 目の前にいるのは女尊男卑しかけた日本に数穴を開け、今の日本を作った

兵器関係の大企業『篁技研』の社長なのだから。

 『ええええええええ!!!』

 絶叫が屋敷に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 「今日はここで泊まってもらうけど良かったよね?」

 「いえ!ありがとうございます!!」

 「ハハハ、ゆっくり寛いでね。」

 佑唯はそう言って部屋から出て行った。

 正にTHE・和室と呼べれる部屋であり 正直場違いも良い所であった。

 すると飛鳥はキンジにこう聞いた。

 「遠山君・・・ここ紹介した人ってどんな人なの?」

 そう聞くとキンジはこう答えた。

 「ええとな・・・少し・・・訳アリ。」

 「もうその時点で怖いんだけど!!」

 飛鳥はその言葉を聞いて顔を真っ青にしていた。

 まあ、キンジがザビーを受け取った後の会社がここの下部組織と言う

設定だけだと思っていたようであるが。

 「まさかこことは・・・防人さ~~ん。」

 キンジはそう言いながら紹介した人間に怒りを覚えていた。

 そう、ここを紹介したのは防人なのだ。

 何故そうなったのかと言うと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 数日前

 

 

 

 

 

 

 

 

 「え、宿探し?」

 「そうなんですよ、何せ俺を含めて7人も泊まりますからそれなりに

広い所じゃないと。」

 この時キンジは襲ってきた中国武偵校生について報告する傍ら

そう愚痴っていたのだが防人はこう言った。

 「それなら俺が良い所紹介しようか?場所は静かで落ち着くし俺達国連軍の事も知っているところだから。」

 「え、良いんですか!?」

 「まあな。」

 「ありがとうございます!!」

 「宿賃も何とか工面しとくから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして現在

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あの時に浮かれていた自分を今すぐ殴りたい。」

 キンジはそう思いながら頭を抱えていると外から声が聞こえた。

 「皆~~。ご飯ですよ~~。」

 そう声が聞こえたので取り合えず腹ごなしも兼ねて行くこととなった。

 そして食事する場所に着くとそこにあったのは・・・。

 「さあ、遠慮しないでねえ。」

 そう金髪の女性が緩やかな声で机の前にいた。

 机の上にあるのは魚、野菜の天婦羅と刺身、肉じゃが、そして薄味の味噌汁が

そこにあった。

 すると畳の上にはもう一つの皿があった。

 「そっちは猫ちゃん用にしたのよ、お魚と山菜の煮込んだのを入れてるから

大丈夫よ~~。」

 そう言うとキンジの足元にいた猫は急ぎ足するかのようにその皿目掛けて

走った。

 そしてお座りしてからキンジ達の方を見ると早く早くという風な目をしていた。

 そしてキンジ達は少し緊張する様子で座ると女性はこう言った。

 「大丈夫よ、少しリラックスしてね。ここは今は貴方達の家だと思ってね。」

 「あ・・・・はい。」

 キンジはそう言いながらも矢張り緊張する。

 そしてご飯を食べ始めると結構美味しかった。

 特に肉じゃがは絶品だった。

 するとレスティアがこう聞いた。

 「あのう、一つ宜しいでしょうか?」

 「?」

 「この肉じゃがはどうやって?」

 「ああ、それはね・・・。」

 その言葉を聞く中で飛鳥も聞き入っていた。

 ご飯が食べ終わるころには全員和らいでいた。

 『ごちそうさまでした。』

 「はい、お粗末でした。」

 いや、むしろ御馳走だよと全員そう思っていた。

 「あ、そうそう。家って偶に研究員が泊まり込む時があるから

温泉を引いてるの。ゆっくり寛いでね。」

 男女別よと聞いてやったーーと女性陣はそう言っていた。

 キンジは今回の泊りに対して・・・。

 「頼んで結果的に良かったかもな。」

 そう思っていた。




 そして次回へと続く。
 因みに佑弥は一人暮らししています。

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