予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 今回は前後編に分けます。


決戦 前編。

「・・・ここは?」

 あの光が消えた後にキンジが目を開けるとその目に映っていたのは・・・。

 「同じ場所・・・じゃねえな。」

 キンジはそういって周りを見渡していた。

 その場所は電車と同じ内装であったが何かが気になっていると・・・鞄から

声が聞こえた。

 「それはここは異世界だからよ。」

 「!・・・黒歌!!」

 キンジはそう言って鞄を見ると鞄から・・・黒歌が人型になって出てきたのだ。

 「だ・・・誰ですか貴方は!?」

 レスティアは黒歌に向かってそう言うと黒歌はこう答えた。

 「アハハハ、まあ良いじゃないの?細かい事は?」

 そう言うと黒歌は周りを見渡すとこう答えた。

 「これって電車の中にも同じものを忍び込ませてるんでしょ?」

 「何だって!!」

 キンジはそれを聞いて驚いているが黒歌はこう続けた。

 「そして結界が発生するとここの部屋にいる人間以外は来ないようにするどころか認知も出来ない様に工夫しているわね。」

 「使っているのは中国の『八卦』。そこに悪魔が使う『レーティング・ゲーム』で使う魔術を組み込ませて日本にある『五行占星術』を混ぜ合わせているから

悪魔側からも感知出来にくくしていて質が悪いわね。」

 そう言うと『曹 蒙匿』は驚いたようで黒歌を見てこう言った。

 「こいつは驚いた。まさか妖怪で然もアンタみたいなお尋ね者に出会うとはな。」

 そう言いながら素の顔に戻すとキンジに向けてこう言った。

 「まあ良い。邪魔しなけりゃあそれで良し、それじゃあ・・・ヤルカ?」

 そう言いながら『曹 蒙匿』は槍を構えるとキンジも日本刀と脇差を抜いて

構えた。

 すると『曹 蒙匿』は後ろにいる仲間に向けてこう言った。

 「お前らも武器を取れ。好きに暴れな」

 そう言うと全員は各々の武器を構えた。

 李は槍を、高は剣を、楊は拳法の構えをするとレスティア達も武器を取り出したら黒歌もこう言って混ざった。

 「私も混ぜて欲しいわね。少し遊びたいし。」

 そう言って黒歌は何やら黒い霧のようなものを出した。

 そして暫くすると電車が少しずつ減速し・・・少しガタンと物音立てた

その時に・・・。

 「「!!!」」

 曹とキンジはお互いの武器がぶつかり合った。

 そして他のメンバーも・・・ぶつかった。

 李はレティシア。

 高はレスティア。

 楊は黒歌。

 それぞれ戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 「ウォォォォ!!」

 「このお!!」

 李対レティシアは槍対決。

 お互いに自分の武器を叩きあったり穿ちあいをしたりしていた。

 「はあ!!」

 「はっ!」

 高対レスティアでは剣対決。

 レスティアは剣に自分の焔を付与させているのに対して高は純粋な剣技でそれと相対していた。

 そして楊対黒歌では。

 「はあ!!」

 「おっと」

 楊の拳法に対して黒歌はするりと返しながら霧を放っていた。

 「当たらなければ!!」

 楊はそう言いながら黒歌と戦っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてキンジと曹はと言うと・・・。

 「こいつは中々だな、槍とはし合った・・・レティシアでやってたな。」

 「まあな!!」

 そう軽口言いながら戦っていた。

 無論曹もキンジも拳法の応酬をしていた。

 曹は槍を使って変幻自在な型を使いつつ拳法も織り交ぜていたのだがそれは

キンジも同じだったようでお互い一進一退の攻防が繰り広げられていた。

 そんな中でキンジは二刀流で槍を弾き乍ら曹の目的を聞こうとしていた。

 「曹!手前の目的は何だ!?」

 そう聞くと曹はこう言った。

 「さっきも言ったろ?戦争が起きるから戦力がいるんだよ」

 「だったら俺じゃなくて他の奴にしろよ!!」

 アリアとかと言うと曹は少し嫌な顔でこう言った。

 「おいおい、俺はあんな我儘娘を加えたくないな。」

 仲間が綻ぶというとキンジを見てこう言った。

 「だがお前は別だ。あのシャーロックホームズを倒しただけじゃなく

ここまで腕利きの人間を敵味方問わず仲間に出来るって言うのは1種の才能だ。」

 「だからお前を手に入れたいのさ。まあ、俺だけじゃないがな」

 人気者だよなお前と言って曹はキンジに向けて蹴りをくらわして下がった。

 するとキンジはそれを聞いてこう答えた。

 「俺は只普通の武偵校生でいたいのになあ。」

 そう言うと曹は呆れた様子でこう言った。

 「いや、お前みたいな人間いて堪るかよ。」

 それを聞いたキンジはあ、そうかよと言うと脇差を・・・振りかぶって投げた。

 「!!そいつは御免だな。」

 曹はひらりと避けて下を見た。

 然し・・・。

 「!!いない・・・まさか?!」

 曹はそう言いながら右左を見ると・・・上に何かを感じた。

 「うおらあああ!」

 キンジは大声を上げながら曹目掛けて・・・剣を振るった。

 「くっ!」

 曹はやばいと悟って槍を刀の軌跡に合わせて防御しようとすると・・・ある物を見た。

 それは・・・。

 「鞘!?」

 そう、脇差を持っていた方の手に鞘を持っていたのだ。

 そして刀は槍によって阻まれるも鞘の方はそのまま・・・刀にぶち当てるように叩いた。

 「しまった!!」

 曹はキンジの目的に気づいて手を離したその時に・・・槍が壊れた。

 するとキンジは曹に向けて剣を構えてこう言った。

 「降伏しろ。」

 そう言うと曹はこう言った。

 「生憎・・・諦めが悪いんでな。」

 そう言いながら曹は槍から・・・煙幕玉を落とした。

 「くそ!」

 キンジはそれに気づいて後退すると曹はこう言った。

 「天井に来な。遠山キンジ」

 そしてそれを聞いたキンジは・・・天井が開いているのに気づいてそこに

続いた。

 「キンジさん!!」

 「ここは頼む!」

 「はい!」

 キンジはレスティアにそう言って上に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 「もう逃げ場はねえぞ。」

 キンジはそう言って曹に剣を向けると曹はこう言った。

 「おいおい、未だ戦いは・・・終わってねえぞ。」

 そう言うと曹の胸から・・・槍が出てきた。

 「何だ・・・そいつは?」

 キンジはあまりの事に驚いていた。

 種も仕掛けも何もないとはまさにこのことである。

 すると曹はそれについて紹介をした。

 「ああ、こいつは『神器(セイクリッド・ギア)』だよ。」

 「セイクリッド・・・ギア?」

 「ああ、不思議な力を持つレアアイテムでな。」

 「こいつはその中でも上等の代物『神滅具(ロンギヌス)』シリーズさ。」

 「おいおいそれってまさかそいつは・・・」

 キンジはそれを聞いてまさかと聞くと曹は喜びながらこう言った。

 「そうさ、こいつは嘗て『イエスキリスト』を刺殺した曰く付きの槍『黄昏の槍(トゥルー・ロンギヌス)』だよ。」

 そう言いながらキンジはその槍を観察していた。

 確かに聖なる武器だけあって何か嫌な感じがしたのだ。

 すると曹は『トゥルー・ロンギヌス』を構えるとこう言った。

 「さてと・・仕切り直しと行こうぜ?キンジ!!」

 曹はそう言いながらキンジ目掛けて突撃した。

 

 

 

 

 

 

 そんな中である空間があった。

 全てが黒で覆われた世界。

 その中である1匹の・・・ナニカが感づいたのか雄たけびを上げた。

 ぎゃおおオオォォォォオオ!!

 その時はすぐそこまで・・・迫っていた。




 後編に続く。

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