予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 これで6・7巻目はお終い。


新しい始まり。

 「いやあ、負けた負けた。こんなに清々しいのは久しぶりだぜ。」

 曹はそう言いながらも東京駅で笑っていた。

 結界を解除した後、キンジ達は着くまでの間、どこの神社に行ったとか、

流派とかを語り合っていたのだ。

 そして勿論黒歌の事も話してくれた。

 「・・・成程な、そいつは確かに裏切るわなあ。」

 曹はそう言いながら呆れていた。

 黒歌は主殺しで『SS級逸れ悪魔』に認定され、莫大な賞金がかかっているのだが

本人曰く、未だ小さい妹を無理やり強化させようとして殺したようだ。

 それを聞いた曹はインド神話の『須弥山』に相談しておこうと言ったのだ。

 ま、向こうからすれば悪魔側の弱みを政治的に握れると思えば嬉しい事だと

言っていた。

 そしてキンジにある相談を持ち掛けた。

 それは・・・。

 「はあ!?俺と『義兄弟の盃』を」

 「ああ、交わして欲しいんだ。」

 曹はキンジに向けてそう言ったのだ。

 「正直お前さんの力は欲しいんだが俺の下に着いたとしても

『藍幇(ランパン)』に来れば勢力争いになってあっという間に内乱に

なっちまう。」

 「そうなるなら今後起きる戦争に備えてお前さんらと武偵関係の

『同盟』組みがてら義兄弟の盃を交わして公私ともに協力関係を結びたいと

思ってんだがどうだ?」

 曹はそう言ってキンジを見るとキンジは少し考えていた。

 そしてこう聞いた。

 「何で『イ・ウー』に入ってたんだ?」

 そう聞くとこう答えた。

 「ああ、簡単さ。組織の為だよ。」

 上客だからなと言って肩を浮かせてそう言った。

 用はお互い利害関係であったのようだ。

 それを聞いたキンジは嘘じゃないなと考えこう決めた。

 「分かった。お前と『義兄弟の盃』を交わそう。」

 「それでこそだ。あ、それとお前が7、俺が3な」

 それを聞いてキンジは驚いてこう言った。

 「はあ、何でだよ!お前が兄じゃねえのかよ!?」

 そう聞くと曹はこう返した。

 「あのな、俺はアンタに負けたんだぜ?そうなると強いお前が兄、

俺が弟になるんだよ。」

 それを聞いてキンジはマジかよと思っていると曹はこう続けた。

 「それとだが、もし中国に行くなら俺を頼れよ。精一杯の持成しを

してやるよ。」

 そう締めくくったのだ。

 

 

 

 

 

 

 キンジと曹の盃は駅の外で執り行われた。

 未だ人でごった返すがキンジと曹はお互い注がれた水の入った盃を見ていた。

 先ずは曹が飲み、そしてキンジが最後に飲み干した後に楊はこう言った。

 「これをもって、我らの同盟は締結したとします。」

 日本と中国、二つの国の武偵が協力関係を結んだ瞬間であった。

 それを見ていたレスティア達は拍手していた。

 これをもって修学旅行Ⅰは終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして暫くして・・・・。

 「遠山君!早く早く!!」

 屋上にテ飛鳥がキンジを急かしていた。 

 飛鳥は防弾制服・黒を着ていた。

 これこそ、チーム編成の写真撮影するのに使うのだ。

 よく見たら全員同じ服だった。

 無論髪留めもリボンも全部黒。

 これが仕来りなのだ。

 そんな中でキンジは蘭豹に渡すチーム申請用紙を見た。

 

 

 

 

 

 チーム名『黒桜』

 メンバー名

 ◎遠山キンジ(アサルト)

 〇服部飛鳥(レザド)

  伊達 焔(アサルト)

  豊川 夜桜(アサルト)

  式凪 紫(インフォルマ)

  巫神楽 華毘(アムド)

  レスティア・J・ダルク(アンビキュラム)

  レティシア・J・ダルク(コネクト)

 

 

 

 

 

 

 となっていた。

 何で自分がリーダー何だと言うと全員口を揃えてこう言った。

 「「「「「「え、遠山君(キンジ)(さん〉以外に

考えられないから」」」」」」

 詰る所押し付けたという事だ。

 そして全員配置に着いた。

 キンジは少し斜めに。

 レスティアとレティシアはお互い顔を向くように。

 飛鳥は少し上向きに。

 焔はニヤリと下向きに

 夜桜は斜め右向きに

 華毘は上に

 紫は下側。

 そしてキンジは蘭豹に向けてこう宣言した。

 「チーム『黒桜』!遠山キンジが申請します!!」

 そしてカメラ越しで見ていた蘭豹は少し笑顔になってこう言った。

 「9月23日10時00分チーム・『黒桜』・・・承認・登録!」

 腕時計を見ていた蘭豹はカメラを振り上げてシャッターを押すとバシャっと

ストロボが閃光を弾いた。

 だが彼女たちとキンジは知らなかった。

 ・・・この写真から数日後に新たに仲間が増えることなど予想だに

しなかったからだ。

 そして写真が終わったと思って着替えようとするとメールが届いた。

 メールの相手は・・・。

 「曹か、何のようだ?」 

 曹であった。

 あの後、お互いメールアドレス交換をしたのだ。

 そしてキンジはメールを開くと内容はこうであった。

 『よう、兄弟。撮影は終わったかい?美女に囲まれて幸せだねえ』

 「・・・何だこれは?」

 何が言いたいのかと思ってスクロールさせるとしたにこう書かれていた。

 『10月1日夜0時ホテル『テレシア』の大ホールにて待つ。レスティア姉妹と

黒歌も出席させるように』

 「ホテル『テレシア』・・・・一体何が起こるんだ?」

 そう思いながらキンジは携帯を切った。

 

 

 

 

 

 

 

 一方、曹はと言うと・・・。

 「分かったよ、ああ・・・先生も来るのか・・・・それじゃあ・・・」

 何やら誰かと電話していたようで切ると高がこう聞いた。

 「主、矢張り・・・。」

 「ああ、始まるそうだ。」

 そう言いながら曹は武偵校から見る空を見てこう言った。

 「この日本で始まるようだ・・・。」

 「『宣戦会議(バンディーレ)がな。」




 次回予告
 「はあい、黒歌よ。これから宜しくねえ。それじゃあまた休むようだけど次回予告行くわよ~~~♡」
 「何やら始まろうとしているバンディーレ。右も左も殆どが敵の中、キンジはどう決意するのか?そして押し込んだアリアに災難が!」
 「更にイギリスから現れる謎の転入生、その正体と謎のメイドは何者か!?」
 次回 予測不可能者 遠山キンジ
 「第7章 螺旋のメイドの過去(バック)」
 「新たな戦いに要チェックにゃ~~。」

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