予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 続きをどうぞ。


倉庫の中で  その2

「さっ、さささっ、サイッテー!!」

 意識を取り戻したアリアは如何やらキンジが自分のブラウスを捲り上げたのだと

勘違いしたようだ。

 「この恩知らず!痴漢!!人でなし!!!」

 「ち、違うぞ、これは俺がやったんじゃって痛!!」

 キンジは殴られながらも事の真相を話そうとするも当の本人は殴りまくって聞いていなかった。

 すると・・・

 ガガガガガガと銃声が聞こえた。

 「うっ!まだいたのね!」

 アリアは跳び箱の外を睨むとスカートの中からさっき見せた銀と黒の二丁拳銃を

取り出した。

 「いたって何がだ!?」

 「あの変な二輪!『武偵殺し』の玩具よ!」

 「さっきのセグウェイか!」

 キンジはアリアの言葉を聞いてまだあるのかよと思っていた。

 因みに蛇足だがこの跳び箱、無駄にも防弾性で他にも幾つかの体育道具が

それに該当されるのだ。

 ・・・何という無駄遣い。

 「あんたも戦いなさいよ!仮にも武偵校の生徒でしょ!?」

 「阿保言うな!ここ狭くて出るに出れねえんだよ!!」

 そう、キンジは現在体育座りをするのがやっとなスペースなのだ。

 「ああもう!向こうには七台もいるのに!」

 どうやらさっきのが七台いるようだ。

 然しその時予想外の出来事が起きた。

 アリアは銃を撃つのに集中しているのかキンジの顔に自分の胸を・・・押し付けて

いるのに気付かなかった。

 「(ああ・・・こりゃアウトだ。)」

 何せ小さいからそんなにないだろうと思っていたがちゃんと柔らかい

水饅頭みたいなものが押し付けられていた。

 然しキンジはそれを冷静に分析していた。

 小さいからではない。

 ・・・来てしまったのだ。

 ・・・あの力が・・・

 

 

 

 

 

 暫くして銃声が鳴りやんだ。

 「・・・やったか?」

 キンジはそう聞くとアリアはこう返した。

 「まだよ。射程圏外に追い払っただけだからすぐ又来るわよ。」

 「それだけできれば・・・上出来だよ。」

 「は?」

 アリアはいきなりクールになったキンジを見て眉を寄せるとキンジはこう返した。

 「ご褒美にちょっとだけ」

 「きゃっ!」

 「お姫様にしてあげよう。」

 キンジはアリアをお姫様抱っこにして跳び箱の縁に足をかけて、倉庫の端まで一足で跳んだ。

 そして積み上げられていたマットの上にアリアを座らせるとキンジは自身の銃

「ベレッタ・M92」を持ってこう言った。

 「アリア、君は俺が守るから」

 すると外から銃声が聞こえてきた。

 如何やらさっきのセグウェイが戻ってきたようだ。

 そしてキンジはアリアに向けてこう言った。

 「君は俺を見守っていてくれ。」

 そう言って銃声のある方向にへと向かった。

 「さあ・・・お仕置きの時間だよ。」




 次回、初戦闘です。

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