予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 これが運命の始まり。


倉庫での死闘

 「さあ・・・お仕置きの時間だよ。」

 そう言いながらキンジはヒステリアモードになって七台のセグウェイの真正面に

立った。

 するとそれを感知してかセグウェイに搭載されているUZIが一斉発射された。

 然も全弾頭部に集中されているため本来なら回避できずに頭が柘榴の様に

吹き飛ぶのだ。

 そう・・・普通なら

 この時のキンジはヒステリアモードになっているため全ての神経が鋭敏化されて

いるためUZIから射出された弾丸が・・・スローモーションのように全て視えてしまっているのだ。

 そしてその弾丸を上体を大きく逸らして回避すると同時にベレッタをフルオートで

七発応射された。

 全てUZIの銃口に飛び込んだ次の瞬間・・・UZIが全て内部爆発した。

 あの時キンジはUZIの銃口に弾丸を撃ち込んで中の弾丸と衝突させて爆発させたのだ。

 普通確実に出来ないことであろう。

 そう・・・普通なら。

 そしてキンジはセグウェイが全機沈黙するのを確認した後アリアの方を見た。

 本人はその光景を見てポカーンと見ていたがキンジを見るや否やギロっと睨み

つけながらキンジに対してこう言った。

 「お・・・恩になんか着ないわよ。あんな玩具ぐらい、あたし一人でも何とか

出来たのよ。」

 本当よと言いながらゴソゴソと何かをしていた。

 「(・・・ああ、スカートを直してんのか。あれってもう壊れているん

だけどなあ。)」

 そう、キンジはアリアをお姫様抱っこした時にホックが壊れていることに

気づいたのだ。

 「そ、それにあんた・・・あ、あたしが失神している間にふ、服を、んうぬぬ、脱がせようとして!!」

 アリアは地団駄を踏みながらこう続けた。

 「胸、見てたああ!!これは事実!!あんたは強制強猥の現行犯よ!!!」

 そう言いがキンジはアリアに向けてこう言った。

 「・・・アリア。それは悲しい誤解なんだ。」

 「誤解ですってえ!!あんた責任取れるのお!!」

 アリアは地団駄踏みながらそう言うとキンジはこう続けた。

 「冷静に考えよう。俺は高校生でしかも二年生だから中学生を脱がす趣味は

ないから・・・大丈夫だよ。」

 キンジは優しくそう言うもアリアは更に地団駄を踏んでこう怒鳴った。

 「あたしは中学生じゃない!」

 等々床が弾けて木片が散った。

 そしてキンジは更にこう言った。

 「・・・悪かったね。インターン制度で入ってきた小学生なんだね。

凄いねアリアちゃんは。」

 そう言うもそれを聞いたアリアは顔を伏せるとこう言った。

 「こんな変態・・・助けるんじゃなかった。」

 そして二丁拳銃をキンジに向けてこう言った。

 「あたしは高2ダアアアアアアア!!!!」

 そう言ってキンジ目掛けて撃ち込み始めた。

 「うおおおっ!!」

 キンジはそれを避けていた。

 「逃げられないわよ!あたしは逃走する犯人を逃したことは!一度も!!

ない!!!」

 アリアはそう言ってマガジンを抜いて再装填しようとすると・・・何かがアリアの

拳銃に当たった。

 「うみゃあ!」

 変な悲鳴を上げるとマガジンと拳銃が地面に落ちた。

 そして拳銃の方を見ると少し近くで・・・苦無が落ちていた。

 そう、この苦無はキンジの物なのだ。

 「よくもやったわねぇ!!」

 そう言うと今度はセーラー服の背中に手を突っ込むと・・・二本の刀が出てきた。

 そしてアリアは人間離れした瞬発力で飛び掛かってキンジの両肩目掛けて

日本刀で斬りかかろうとするも・・・ぎぃんと言う音が鳴り響いた。

 それはキンジも背中に隠し持っている「飛鳥」と同じタイプの脇差である。

 「強猥男は神妙に・・・・。」

 アリアはそう言いながら足元に何かが当たったような感触がして下を見ると・・・

玉があった。

 するとそれは・・・ボフンと爆発した。

 「うわきゃ!」

 アリアは素っ頓狂な悲鳴を上げて周りが白い煙で覆われた。

 そう、これはキンジが作った煙玉である。

 そしてキンジは颯爽と離れてセグウエイを再起動させた。

 「じゃあな。」

 そう言ってキンジはそれに乗って走り去っていった。

 「この卑怯者ゲホゲホ。でっかい風穴ーーー開けてやるんだからあ!!」

 これが俺「予測不可能者」こと「遠山キンジ」と世界に幾つもの厄災を引き起こした

 「独唱のアリア」との硝煙に塗れ正に未来の光景ともいえる最低最悪な出会いで

あった。




 あの時彼女を止めていれば・・・あんなことにならなかったのかもしれない。

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