予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 アリアから始まります。


屋上でのひと時。

 「先生、あたしはアイツの隣に座りたい」

 二年A組、キンジがクラス分けされた教室の最初のホームルームにてその言葉が

聞こえた。

 何事だと思ってキンジは前を見ると・・・あのピンクのツインテール

「神崎・H・アリア」がキンジの方に指をさしてそう言った。

 『『『『『はあ?』』』』』

 クラス全員が茫然とした様子でそう言った。

 始めにこのクラスの担任でもある「高天原 ゆとり」が「自己紹介は去年の三学期に転校してきたカワイ子ちゃんからねえ。」と言った事から始まり今に至るのだ。

 「な・・・何でだよ。」

 キンジは眩暈がしそうだなと思いながらアリアの方を見た。

 「(もしかしたら俺のヒステリアモードを知って!いやそれだったら武器を出すわけじゃねえし・・・・もしかしたら冷静になってヒステリアモードを感づいたって

線も。)」

 キンジはそう思いながらぶつぶつと考えている中ゆとりはアリアにこう言った。

 「ねえアリアさん。キンジ君の席はもう他の人が座っているからねえ。」

 「いやよ、あたしはアイツの隣が良い」

 ゆとりの言葉にアリアは聞く耳も持っていなかった。

 「なあよキンジ。あの子お前の知り合いか?」

 「な訳あるか。あいつがさっき言った女だよ。」

 「あああの子がねえ。」

 武藤の質問にキンジが返すとそれを聞いて納得したのか武藤はこう言った。

 「先生、俺変わりますよ。これじゃあ何時まで経っても終わらねえだろうし。」

 「なあ!!」

 武藤の言葉にキンジは待ったをかけようとするも・・・。

 「ごめんね武藤君。席は先生の扉の方だから。」

 それを聞いて分かりましたと武藤は「悪い」と言って立ち去り代わりにアリアが

座ってこっちを睨みつけていた。

 「・・・まだ諦めてねえのかよ。」

 

 

 

 

 

 そしてお昼休み・・・。

 「アハハハハハハハハ!そりゃ災難だなキンジ!!」

 「まあ目覚めていたら目の前に男がいればその恰好でどう言う事か分かって

しまうから無理もないのじゃ。」

 キンジの今回の災難に焔は終盤の所で笑い夜桜は状況証拠での判断についてを

話した。

 「それにしても大胆すねぇその子。『キンジの隣』って聞かなかったんすよね?」

 華毘はホームルームでの事を話している中約三名は・・・不機嫌であった。

 「いいなア・・・。」

 「私もそれが良い・・・。」

 「はああ。何で私一年上なんでしょう。」

 飛鳥、紫、雪泉がそう呟いていた。

 「それにしても未だ疑ってんなら何とか解決しねえとなあ。」

 キンジは弁当(カナメ作)を食べながらそう言っていた。

 「それにしてもアリア・・・結構有名。」

 「「「「「「え?」」」」」」

 紫の言葉に全員が耳を傾けた。

 「三学期入ってすぐにファンクラブが出来て盗撮した写真が万単位だとか。」

 「いやそれいらねえよ。」

 紫の言葉にキンジがツッコミを入れた。

 「二つ名を持っていたり。」

 「二つ名って・・・それ結構腕利きって事かよ!!」

 焔はそれを聞いて驚いていた。

 武偵で二つ名を持っている人間は一流の武偵なのだ。

 それを同い年(見た目年下)が持っていることに驚いていたのだ。

 「他にもあるのかどうか調べてみる・・・。」

 「ああ分かった。頼むよ紫」

 「報酬・・・。」

 キンジが紫に頼むと紫がそう返した。

 「へ?」

 すると紫が近寄りながら繰り返した。

 「報酬・・・。」

 「「アアアアア!!」」

 紫がキンジの顔に近寄りながらそう言う所を見て飛鳥と雪泉が大声を上げた。

 「ちょ、ちょっと待てって紫!当たってるって・・・!!」

 血が逆流してくるのを感じ始めた。

 紫の体つきはむっちりしているがメリハリはしっかりとしていてこの面子の中で最も胸がでかいのでキンジの胸板に自分の胸が変形しながら押しつぶされて行った。

 それを見たキンジはヤバいと思いながらもこう言った。

 「分かった!分かった!!資料を提供してくれたらどっかで映画でも見るぞ!!」

 「・・・ナイトショーで。」

 「ああ何でも良いから了承してくれ!!」

 「うん。・・・分かった。」

 そう言って少し離れようとすると・・・。

 (*´з`)

 キンジの頬にキスをした。

 「・・・・へ?」

 キンジはその出来事に呆然とすると紫は顔を真っ赤にしてこう言った。

 「・・・前払い」

 そう言って食事を再開した。

 そして・・・。

 「遠山く~~~ん。」

 「キンジさ~~~ん。」

 飛鳥と雪泉が怒り心頭でキンジを睨みつけた。

 目をウルウル状態にして・・・。

 「いやその・・・あのなあ・・・。」

 詰め寄ってくる二人にキンジは後ずさりも出来ずどうしようもできなかった。

 因みに残り三人はそれをニヤニヤと見ていた。




 暫くの間飛鳥と雪泉はキンジにくっ付いていたがキンジはヒステリアモードに
ならない為に踏ん張ることで精一杯であった。

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