「・・・やっと学校が終わった。飛鳥と雪泉姉め、俺の体の事二の次で抱きしめ
やがって~~。」
夕方、キンジは学校から家に向かって帰宅途中であった。
その姿は・・・最早ボロボロと言っていいほどであろう。
紫によるキス事件と飛鳥と雪泉による抱き着け騒動とその前に起こった
チャリジャックにより精神、肉体的に疲労が頂点に達している。
そのチャリジャック事件だがセグウェイと残った残骸は武偵校にある鑑識科
(レピア)が回収し、探偵科(インケスタ)によって調査されている。
因みにだが武偵校には幾つもの専門科が存在し上記以外にもキンジ、焔、夜桜が
所属している強襲科(アサルト)、狙撃科(スナイプ)、飛鳥、雪泉が所属している
諜報科(レザド)、尋問科(ダキュラ)、華毘が所属している装備科(アムド)、
武藤が所属している車両科(ロジ)、通信科(コネクト)、情報科(インフォルマ)、衛生科(メディカ)、救護科(アンビキュラス)、超能力捜査研究科(SSR)、
特殊捜査研究科(CVR)と言った専門学科があるが他の国では違う学科があるとも
いわれている。
「ただいま~~。」
「キンジさん!」
キンジが家に帰るとカナメが心配した表情で抱き着いてきた。
「カ、・・・カナメ!?」
キンジは突然の状況にびっくりしている中カナメがキンジの目の前でこう言った。
「飛鳥さんから聞きましたけど狙われたって本当なんですか!?怪我は!
何処か痛むところはないですか!?何だったら直ぐに救急箱を」
「カナメ・・・大丈夫だよ。何処も怪我してねえよ。お前を一人にさせるわけ
ねえだろ。」
キンジはカナメを掴んで安心させるようにそう言った。
「・・・本当ですか?」
カナメは目を潤ませながらそう聞くとキンジはカナメにこう返した。
「ああ大丈夫だ。・・・だから泣くなって、俺はカナメが笑ってくれるなら
それでいい。」
キンジはカナメに対してそう言うとカナメは少し離れると小さな声でこう言った。
「・・・どうしてそう言う言葉を素で言えるんでしょうねぇ。」
「ん?どうした?」
「何でもありません。」
カナメの言葉にキンジは何だと聞くも当の本人は秘密にした。
「それと着替えて下さいね。今日は朝作った『海老の醤油漬け』と『鶏の甘辛焼き』デザートは『シュークリーム』ですよ。」
「おおそれは楽しみだな。」
そう言ってキンジは自室に戻った。
それと同時刻
キンジの住んでいるアパートに一人の少女がトランプ柄のトランクを持って
向かっていた。
そしてキンジが住んでいるアパートの前に着くとその少女・・・神崎・H・アリアが
犬歯を剥かせてこう言った。
「待ってなさいよーー!!!遠山キンジ!!」
平穏はぽっきりと折られる。