鎌倉の山中、そこには巨大な日本庭園が立っていた。
然しそこから放たれる雰囲気は厳かではなく・・・悪意のようであった。
まるでそこにいるのは鬼ではないかと言っても可笑しくない程の濃密な殺気の中でアークはレイドライザー部隊に向けてこう言った。
『これより風鳴機関の制圧作業に取り掛かる、生存者は一人として出すなよ。』
「了解。」
その言葉に淡々と答えたレイドライザー部隊は四方八方に散らばって行った。
『さあ・・・全ての清算を付けようではないか・・・
・・・・・風鳴 訃堂。』
「風鳴 訃堂・・・まさか爺ちゃんを殺そうとしてたのって!?」
「ああ間違いなくだ、あの男は自分の理想に反する人間を排除すると言う
前時代的思想が強くあってな。100を超えているのにもかかわらず
未だに現役だ。」
『100!?」
或人はそれを聞いて驚いていた、間違いなく祖父よりも長生きしていると見て
間違いないと思っていると八紘はこう続けた。
「あの男は国家主義者・・・つまる話がこの国だけしか考えない男で恐らく
是之介氏が描く理想とはかけ離れているんだ。」
「この国だけって・・・他の国に住んでいる人達を何だと思って」
「ああいや違うぞ或人君、奴が見ているのは国民ではない。」
「?」
「・・・この国の土地以外は考えてねえって事か?」
キンジがそう聞くと八紘は力なくそうだと答えてこう続けた。
「そうだ、あの人にとってこの国にいる人間ではなく土地だけしか
見ていないのだ。」
「そんな・・・何だよそれって・・・!!」
或人にとって理解できないものであった、国とは人がいてその人たちが国を
創っているんじゃないかと思っていると八紘はこう続けた。
「或人君、君が何を考えているのかは理解できるが奴にとっては理解すら
出来ていない奴は戦前日本の負の遺産・・・いや、国と人との繋がりを全く持って理解しようともしない老害だ。だからこそ人とAIの共存とそれを世界中に広げて
『和を以て貴しとなす』是之介氏の考えとは相容れなかったのだ、人を道具としか見ていない奴にとって父は・・・あの男は酷く恐怖したのだろう。」
「恐怖って・・・何で爺ちゃんに?」
或人は何故だと思うとイズはこう答えた。
「恐らくですが先代の思想は訃堂氏にとって自分よりも高く
光り輝いていたからではないでしょうか?」
そう言うとそうだと八紘はこう答えた。
「是之介氏の思想は私だけじゃない、多くの人間が彼の言葉を聞いて共感を抱き繋がりを最も大切にしこの国を繁栄させた彼に対して父は嫉妬して・・・
超えることが出来ない存在だと認識した奴は殺すことにしたそうだが
それを止めてくれたのが弦だ。」
「そういやあいたな、あの紅いスーツ着た大男か。」
不破がそう言うと八紘はこう続けた。
「元々公安にいたアイツは父の計略に気づいて食い止めてくれたからこそ
デイブレイク事件で是之介氏を守れたのだが今あいつは敵としている・・・
頼む或人君!弦を・・・弟の目を覚まさせてくれ!!」
頼むと言って頭を下げると翼もこう言って頭を下げた。
「私からもお頼み申す、叔父上を止める為にも協力してくれないだろうか!」
この通りだと言うと或人はこう答えた。
「当たり前でしょ?翼ちゃんに八紘さんにとって家族なんだから助けたいって
気持ちは俺でもわかりますし皆は如何かな?」
そう聞くと全員がこう答えた。
不破
「当たり前だろうが、家族を想ってるんなら答えなきゃな。」
刃
「頼まれた以上は任務として遂行する。」
キンジ
「俺さ・・・両親全員死んじまって兄貴も死んじまったけど家族の絆って
そう簡単に消えねえって事くらい知っているし生きているならやり直せれるって
分かってるから手伝うぜ。」
ベル
「私も両親の事は覚えておりますわ、心で繋がっているこのきずなは
消させはしません。」
クリス
「まあ、暇だし付き合ってやるか!」
響
「私にとって父さんしかいない、家族がまた出会えたのならばやり直せれるんじゃないかと思ってる。」
雷
「こうなったらとことん付き合ってやるさ。」
亡
「私は滅の夢を叶えるためにいます。」
それで滅はと聞くと滅はこう答えた。
「アークを倒す、そしてこいつらの絆を取り戻す。それが俺達がやる事だ。」
そう言いながら滅は迅が使っていたスラッシュライザーを握りしめていた。
それを聞いて八紘はこう思っていた。
「(是之介さん、貴方が願ったヒューマギアと人間との共存がこの様な形で
実現しようとしています。私もやらなければいけないのですね。)」
そう思っていると八紘はこうも言った。
「それとフィーネと『カ・ディンギル』・・・塔ともなると思いつくのは
特機の基地がある街にある大きな複合ビルだがあれで何かするとしても人が多いし何よりもあれには我々は関わっていないからフィーネが手出ししたとは
到底思えん、何か我々が見落としている所があるとするならば・・・
待てよフィーネは櫻井女史が憑依して・・・櫻井・・・・まさか!!」
「お父様、一体何を思いついたのですか!?」
翼がそう聞くと八紘はまさかと思ってこう言った。
「櫻井女史が関わっていて尚且つ巨大な塔が造れるところで
それを隠せれる場所となると一つしかない!!」
八紘はそう言うと翼は・・・顔を蒼白してこう言った。
「まさか我々の基地!」
「ああそうだ!正確には二課の地下秘密基地!!あそこその物が
『カ・ディンギル』だ!?」
そして特機基地。
「クククク、まさかこれ程の事態になっているとはこれは好都合だな。」
そう言ってフィーネは血だまりの廊下を伝ってある場所に向かって行った。
それは何かを納める場所であったがフィーネは懐からある物を取り出したのだ。
それは・・・紅い金属のナニカであった。
「この膨大なエネルギーを使えば私の夢は成し遂げられる・・・さあ起動しろ『カ・ディンギル』!!」
そう言ってそれを納めた瞬間に・・・紅い光が周りを覆ってその力が・・・
システムを起動してしまったのだ。
アーク、フィーネ、そして或人達、三者三様の戦いがクライマックスに
差し掛かってきたことにまだ誰も気づいていない。
続く。