予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 アリアファンの皆さん。
 ゴメンナサイ。


人の話はちゃんと聞けよ。

「コーヒー淹れるならエスプレッソ・ルンゴ・ドッピオ!砂糖はカンナ!一分以内!」

 「・・・お前それ人に頼む時の態度とは思えねえぞ。」

 キンジは呆れながらそう言うも呪文みたいな名前な為インスタントコーヒーにした(と言うかそう言うのないし一般家庭に)。

 

 

 

 「?これホントにコーヒー??」

 「お前インスタントコーヒーも知らねえのかよ?取り敢えずそれで我慢しろ。」

 キンジはそう言いながら棚から雪泉が持ってきてくれたカステラを取り出して

アリアに上げた後キンジはアリアに向かい合ってこう言った。

 「今朝助けてくれたことに感謝しているけど『ドレイ』って何だよ一体?」

 キンジはそう聞くとアリアは口をへの字に曲げてこう言った。

 「分かんないの?」

 「さっぱりだ。」

 アリアの言葉にキンジはすっぱり言うとアリアはこう返した。

 「あんたならとっくに分かってると思ったのに。んー。まあその内思い当たるから

まあ良いわ。」

 「(よくねえよ。)」

 宇宙人かよと言うくらい意思疎通が出来ていないことに呆れを覚えていた。

 「お腹空いた」

 アリアがいきなりそう言うので台所に立っていたカナメはこう返した。

 「ああもうちょっと待ってくださいね。もう少しでアリアさんの分が

出来上がりますから。」

 そう聞くとアリアはこう返した。

 「あたしは『ももまん』で」

 「そう言うな。折角あいつが作ってくれてるんだからちょっと待ってろ。」

 アリアの言葉を遮るようにキンジがそう言った。

 

 

 

 

 「それでは皆さん」

 「「いただきます。」」

 「い・・・いただきます。」

 アリアの前には特別に作った『かしわの照り焼き』と小鉢に盛られた

「海老の醤油漬け」、赤味噌で作った味噌汁とご飯。

 それを見たアリアは恐る恐るとかしわに箸を伸ばして口に入れると・・・。

 「!!!」

 アリアは目をかっと開いてそのままご飯を食べ進めた。

 「「・・・・。」」

 あまりの速さに二人が茫然していると・・・。

 「!!!」ドンドン

 ご飯を喉に詰まらせたようだ。

 「ああいけない!大丈夫ですか!?」

 カナメがそう言ってお茶を差し出すと・・・。

 「!・・・!・・・!」

 ごくごくと飲み干して何とか助かった。

 

 

 

 

 「ごちそうさまでした。」

 「はい、こちらも。」

 アリアは皿に入っていたモノを全て完食した後カナメがお茶を二人に差しだした後

アリアはキンジにこう言った。

 「それじゃあ本題だけど・・・あたしのパーティーに入ってくれない?」

 パーティーとは言わばチームのことであり二人のチームをパーティーと呼ぶ。

 「生憎だが断る。俺にはもうチームが」

 「そんな連中解散しなさい。」

 「はあ!」

 キンジの言葉にアリアはとんでもないことを言ってくるもさらにこう続けた。

 「あんたのポジションはアタシと一緒のフロント。つまり前衛ね。これで決定。」

 「おい、何でそんなに自分勝手に決めやがる。それにそもそも何で俺」

 「太陽は何故昇り、月は輝くか?」

 「はあ?」

 キンジはアリアに抗議しようとするも突如話が別の方向に飛んで行った。

 「キンジは質問ばっかりの子供みたい。仮にも武偵なら、自分で情報を集めて

推理しなさい。」

 「(子供なのはおめえだろうが!!)」

 どちらかと言えばアリアの言動こそ子供っぽいのだ。

 自分の要求だけを伝え、相手の事を聞こうともしないその態度はまるでガキ大将

そのままである。

 それにキンジは彼女達と解散したくないのだ。

 「(お前には分からねえだろうがあいつらがいたからこそ俺は今でも『アサルト』にいるんだぞ!あいつらがいなかったら俺は・・・。)」

 キンジはIFの事を考えながらも冷静になってアリアに向けてこう言った。

 「とにかく俺は今のチームで満足してんだ。さっさと帰ったらどうだ?」

 「ええその内ね。」

 「それって何時まで?」

 「キンジがあたしのパーティーに入るって言うまで。」

 「そんなこと言うか!さっさと帰ってくれ!」

 キンジは最後に言葉を荒げながらもアリアに向かって毅然とした態度を取ると

アリアは目を大きく開けてぎょろっと睨むとこう返した。

 「言わないなら泊ってくわ!」

 「はあ!?」

 キンジは大声を上げた後アリアに向かってこう言った。

 「おいちょっと待てよ!何でそうなるんだ!?」

 「うるさい!うるさい!泊ってくったら泊ってくから!長期戦になるのも」

 そう言いながらずびしっと音が出るような感じで玄関の・・・扉を指さしていた。

 「あれ?あたしのトランクは??」

 そう言いながら探していると・・・。

 「よいしょっと。」

 カナメがトランクを外に出していた。

 「ちょっとあんた何やってるのよ!?」

 アリアがそう言うとカナメはアリアを見てこう言った。

 「アリアさん、貴方の言葉を聞いて何となくわかりました。」

 「な・・・何よ。」

 アリアはカナメの目を見てそう聞くとカナメはこう返した。

 「貴方はまるで駄々っ子です。」

 「だ・・・駄々っ子!」

 「ええそうです。相手の事を考えずに自分の考えを押し付けてそれでも駄目なら

無理やりでも従わそうとするその態度そのものが子供なんです。」

 「!!!!」

 アリアはそれを聞いて顔を真っ赤にすると顔を俯かせてこう言った。

 「そう・・・それなら・・・あんたなんか出てケ!!」

 アリアはそう言うとスカートの下から二丁拳銃を出そうとした。

 「カナメ!!」

 キンジはそれを見て驚くとキンジは拳銃を・・・アリアの足元目掛けて撃った。

 「!!」

 アリアは銃声を聞いて後ろに飛び移ってキンジの方を向いてこう言った。

 「何するのよ!あんた!!」

 するとキンジは恐ろしい感じでアリアに向けてこう言った。

 「おい手前、俺の事ならまだ良いとして・・・一般人でもあるカナメに銃を向けるのはどう言う理屈だごらあ!!」

 「はあ!?一般人ってそんなことある訳」

 「一つ忠告するがな!俺は仲間が危機に瀕していたり大切な奴等に弓ひくのなら」

 そしてキンジは怒りの表情でこう怒鳴った。

 「例え『武偵憲章』を破ってでも仲間を守って見せる覚悟があるんだよ!!」

 「ひぃ!!」

 その言葉にアリアは体を強張らすとキンジはアリアに向けてこう言った。

 「だからさっさと帰れ。・・・俺が手前をぶちのめさない内になア!!」

 「!!!!」

 そしてアリアはトランクを持ってそのまま走り去っていった。

 「はあ・・・はあ・・はあ」

 キンジは怒りながらも肩で息をしているとカナメがキンジに近づくとこう言った。

 「大丈夫です。私は何処にもいきませんから・・・大丈夫ですよ。」

 そう言いながらキンジを抱きしめるとキンジは流されるままこう言った。

 「ああ・・・ああ。」

 それはまるで怖い夢を見た子供を抱きしめる母親の様であった。




 この作品でのキンジは女だろうが仲間を傷つける奴は誰でも許しません。

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