予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 ちゃんと作戦建てようね。


作戦・・・会議?

「然しまさか武藤を助けるとはな。」

 キンジはそう言いながら防弾ベストを着用していた。

 更に強化プラスチック製のフェイスガードヘルメットとフィンガーレスグローブ、武偵校の校章が入った無線のインカムを持って外に出ると・・・。

 「遅いってあんたのなのね『遠山キンジ』!!」

 「げ、神崎。」

 屋上でアリアがキンジを見て苦虫を嚙み潰したような顔をするも自分も

そうであった。

 「おや、遠山キンジも参っていたか。」

 そこにいたのは長い翡翠色の髪をポニーテールにし、ヘッドホンを付けた少年のような顔立ちをした少女、「里奈者 レキ」(本名かどうかは不明)が本を読みながら

キンジに対してそう言った。

 その細い体に似合わずスナイパーとしての腕は一流でありキンジとは何度かコンビを組んだ事がある。

 「(あれこいつって確か高いところ)」

 そう思って足元を見ると・・・足が震えていた。

 そう、彼女は高所恐怖症でスナイパーライフル越しでしか景色を見ることが

出来ないのだ。

 強がりだなアと思いながらもキンジは隣に座って暫くすると・・・。

 「あと一人ぐらいはSランクが欲しかったけど仕方ないわ。火力不足は私が補うわ。」

 さあ、行くわよと言うとヘリは空高く飛んで行った。

 

 

 

 

 

 『キンジ、気を付けて。今バスは学園島を一周した後地下の輸送道路を使って街に

向かっているからバスが出たところを狙って。』

 「ああ分かったぜ。紫、道案内を引き続き頼む。」

 『O,K。・・・気を付けてね。』

 「ああ。」

 キンジは紫と通信した後アリアの方を見てこう聞いた。

 「そういや警視庁と東京武偵局は動いてないのか?」

 そう聞くとアリアはこう返した。

 「一応はね、でも相手はバスで走行中よ。それなりの準備がいるはずよ。」

 「あれって『トランスフォーマー型』じゃないのかよ?」

 「いや、今学園島で使っている奴の大半は旧式だから引っ掛からないようだ。」

 キンジの問いに隣にいたレキがそう答えた。

 「見えたわよ。」

 アリアが窓を見てそう言うと猛スピードで走っているバスを見つけた。

 「それじゃあ作戦だけどあたしとキンジがバスに乗り込んで調べるわ。

あたしが外側、あんたが内側から調べるけど見つけたら連絡するように!」

 以上と言うとキンジはこう反論した。

 「おい、お前犯人を決めつけているようだが中にいたらどうする気だ?」

 「それは無いわ。『武偵殺し』はターゲットにいないことが常だから。」

 「模倣犯かもしれねえだろ。」

 「それだったらあんたが何とかしなさい。どうにか出来るはずだわ。」

 キンジはアリアの答えにこいつはチームリーダーに向いていないことを痛感した。

 これまで一人で解決していただけに協力することを忘れ、猪突猛進で突き進んできたのであろう。

 そしてアリアとキンジは強襲用のパラシュートを着けるとアリアはこう言った。

 「作戦開始よ!」




 この作品でのレキは「FATE]に出てくる「牛若丸」がモチーフになっています。

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