キンジとアリアはパラシュートを使ってバスの屋根に着地するとアリアはキンジに
こう言った。
「それじゃあ後は個々の判断で対処!」
そう言うとアリアは下へと、キンジは窓を見下ろすような形でノックした。
最初はその行動に中の生徒が慌てていたがある声が聞こえた。
「キンジ!」
「よう、武藤!一時間目以内に会えたな。」
キンジはそう冗談交じりで言うとキンジは武藤にこう聞いた。
「それで現状は?」
「近くに眼鏡付けた中等部いるだろ?」
そう聞くとキンジはその少女を見て頷くとこう続けた。
「本人曰く携帯がすり替わっていてよ、いきなり喋りだしたそうだぜ。」
「何て?」
「『速度を落とすと 爆発しやがります』って。」
「それ俺のチャリジャックと同じじゃねえか。」
キンジはそれを聞いて同一犯と確信するとアリアにこの事を知らせようと連絡した。
『何?』
「如何やら同一人物の様だ。そっちはどうだ?」
『有ったわ。カジンスキーβ型のプラスチック爆弾、『武偵殺し』の十八番よ。見えるだけでもーー炸薬の容積は3500立方センチはあるわ!』
「それだけありゃこんなバス俺達まとめて炭に出来る程だぞ。」
『潜り込んで解体を試みーあっ!』
「うお!」
アリアの叫び声と共に一台のオープンカーが横から体当たりしてきた。
『『『『『ウワアアアアア!!!!!』』』』』
全員が悲鳴を上げる中キンジはある事を思い出していた。
「(待てよ・・・これが『武偵殺し』と同じなら!!)」
キンジはある考えを思い出して全員に向かってこう言った。
「全員伏せろーー!!」
すると真っ赤なオープンカーの座席にいたのは人ではなく・・・。
またもやUZIが乗っていた。
そしてバリバリと音を立ててバスの窓が全部粉々になった。
「くそが!」
キンジはそう言って伏せながら外に出ようとした瞬間・・・
ガシャンと言う音と共にバスがガードレールに接触した。
「な、何だ!?」
キンジはそう言いながら周りを見渡すと・・・。
「運転手!!」
バスの運転手がハンドルにもたれかかるように倒れていた。
「畜生!運転の為に躱せなかったのかよ!武藤!!俺と来い!」
「分かった!!」
キンジは武藤にそう言うとヘルメットを渡してこう言った。
「良いか?俺は爆弾処理をするからお前が運転しろ!この中で運転の上手い
お前だからこそ頼みたい。」
「おいおい、俺この間改造車がバレてあと一点で免停だぜ。」
武藤がそう言うとキンジはこう続けた。
「大丈夫だ。俺が先生と話しつけるから・・・頼むぞ。」
そう言うと武藤はヘルメットを着けてこう言った。
「全く・・・ダチが信用してるのに答えないほど・・・俺は男捨ててねえぞ。」
「頼んだぜ。」
「おう!」
そしてキンジはバスの窓の前から出ると海が見えるのがわかりその先にある
有明コロシアムが見えた。
「このままいけば街中でドカンかヨ!」
そうはいくかとキンジはバスの天井に上っていくとアリアを見つけた。
「おい神崎!大丈夫だかってヘルメットは如何した!?」
「さっきのオープンカーに追突された時にぶち割れたわよ!あんたのは!?」
「俺のは武藤に貸した!運転手が被弾しちまってな!!」
「あんたバカ!如何して無防備に出てくるのよ!?」
「その言葉そっくりそのまま返すぞ!!」
キンジはアリアの言葉を返す口で文句を言うと・・・さっきのオープンカーがこちらを捕らえるのを見てキンジは・・・。
「避けろ!!」
そう言ってキンジはアリアを押しのけるとそれが自分の顔に当たる事を確信した。
「(あ・・・これ死んだわ。)」
キンジはそう思って弾丸を見た瞬間・・・弾丸の動きが遅くなっていることに
気づいた。
「(何だこれ?・・・弾丸の軌道が・・・見える!!)」
キンジはそう確信するとその弾丸を避けきり・・・返す弾丸でオープンカーにある
UZIを破壊した。
「避けろ!」
「へ?」
アリアはキンジが押しのけた瞬間オープンカーがキンジに狙いを合わせているのに
気づくも発射されているのに気づいた。
「キンジ!」
アリアは間に合わないと確信し、目を瞑って暫くすると・・・何かが壊れる音が
聞こえた。
「?」
アリアはその音を聞いて目を開けるとそこで目にしたのは・・・。
「嘘。」
まだ生きているキンジと破壊されたUZIを乗せているオープンカーであった。
「あんた・・・。」
アリアはキンジに何か言いたげな雰囲気であったがすると・・・。
パアンと言う破裂音が響いた瞬間・・・オープンカーが何やらおかしな軌道を
取り始めた。
更にもう一発音がするとオープンカーはそのままスピンしてガードレールに
激突した。
上空を見ると武偵校のヘリに乗っているレキが狙撃銃で狙っている姿が僅かに
見えた。
「いやあ、間に合った~~。そしてやっぱ怖いよ~~!!」
レキはどうやら怖いことからさっさと終わらせようとオープンカーを狙ったようだ。
「さてと・・・爆弾はと。」
レキはそう言いながら爆弾のある場所を探すと・・・。
「こりゃあ難問だけど!」
そう言いながらもレキは一発、二発とも当てて三発目に入ろうとした瞬間・・・何かがあるのを見た。
「!!」
そしてそれはそのまま中に入ると爆弾が落ちて行くのが見えた。
「そこだ!!」
レキはそのままそれを射撃で破壊するとキンジに連絡した。
「遠山キンジ!今なら大丈夫だ!!」
そう言うとバスは少しずつ速度を落とすのを見て完全停止すると・・・うわっと
歓声が響き渡った。
そしてそれを聞いている中レキはある事を思い出した。
「・・・あれがやったのか?」
そしてそれはレキの死角になるようにバスの壁に潜んでいる中キンジを見ていた。
それは巨大な鉄の「スズメバチ」のような印章を持つロボットであった。
そしてキンジを見た後それは再び跳び上がって姿を消した。
それは運命の崩れを知らせるようにブブブと音を鳴らして。
その機械の正体は一体・・・。