「何でしょうこれ?」
あのバスジャック事件から数日が過ぎたある日カナメはキンジが武偵校に言った後
キンジあてに少し大きな段ボールが届いた。
「『遠山キンジ様より 『ZEX』電子機器株式会社から』・・・聞いたことない
会社ですね?」
カナメはそう言いながら段ボールを開けてみるとそこに入っていたのは・・・。
「ブレスレットですかね?」
カナメはそれを見ながらそう言うともう一つ何かが入っているのに気付いて
取り出すと・・・。
「・・・携帯電話?」
それを取りだすとメールの音が聞こえた。
「な、何ですか一体!?」
そこに書かれていたのは・・・。
「!!!大変です!!」
この時、時刻は午後三時ごろでキンジは紫からあるチケットを貰っていた。
「それじゃあ8時ごろに学園島のシネコンで。」
「うん、・・・じゃあね。」
キンジと紫はそう言って別れると家路に向かっていった。
「さてと・・・先ずは着替えてその後時計屋で時計を買って軽く夕飯済ませたら
映画館っと・・・内容は・・・『桜舞う金縛り大名~この桜吹雪に恨み有り』って
俺の一族に恨みあるのか監督はよ。」
そして家に近づいていくと・・・カナメが走ってくるのが見えた。
「おお、どうしたカナメ?そんなに慌ててよ。」
「はあ、はああ。キンジさん!これ!!」
キンジは何事だと思いカナメに聞くとカナメは持っていた携帯電話をキンジに
見せた。
「?お前こんな携帯電話だったっけ??」
キンジは見せた携帯電話を見て疑問に思っていた。
「そこじゃなくてその中のメールです!!」
カナメはキンジにそう言うとキンジは何事だと思い開いてみると・・・。
「・・・何だよこれ。」
『遠山キンジ様へ ≪武偵殺し≫において重要な証言がありますので五時ごろにもう一度このメールを見て下さい』
「これって一体。」
「これ、届いた段ボールに入っていてそれで!!」
カナメは慌てながらもそう言うとキンジはそれを制してこう言った。
「待てカナメ!落ち着いて家で説明しろ!!!」
「は、はい!」
キンジの言葉にカナメは落ち着かせようとした後二人は家に帰っていった。
「つまりこれの中に入ってたんだな?」
「は・・・はい。」
キンジはカナメに確認させた後入っていたモノを確認した。
「ブレスレット・・・以外は何もなし。」
何が目的なんだと思っている中ピンポーン!と音がした。
「・・・キンジいる?」
「紫さん。」
「俺が読んだんだ。」
紫の声が聞こえたので何でとカナメが思っていることにキンジが答えた。
「キンジ・・・持って来たヨ。」
紫が部屋に入ると何やら仰々しいような機械があった。
「それって?」
「インフォルマが使う『電波探知機』。これでメールの発信源を追える。」
カナメの問いに紫が答えるとキンジは紫に手を合わせてこう言った。
「悪い紫!!この埋め合わせは必ず!!」
「うん・・・倍で返してね。」
キンジの謝罪に対して紫はジト目でそう言うとキンジは力なく「はい」と答えた。
そして5時になったその時・・・携帯電話からメールの音が聞こえた。
「「「!!!」」」
キンジは繫げられている携帯電話を取ってそれを見ながら紫は高速で位置情報を
追おうとした。
『遠山キンジ様 今回の≪武偵殺し≫においてですが貴方のお兄様にも関係がある事が分かり、それをお伝えします。次のメール先においては同封のブレスレットを着用の上、7時までに羽田空港のイギリス行きチャーター便で伝えます。』
「!!紫!!情報は!!??」
「・・・駄目。ネットワークを幾つか経由されているし特殊なアルゴリズムで
特定できなかった。」
「くそお!!」
キンジは壁を思い切り殴りつけた。
何せメールの内容によればキンジの兄、「遠山 金一」も≪武偵殺し≫に関わっていたのではないかと思いに心の余裕がなかったのだ。
そしてキンジは時計を見てこう聞いた。
「紫!イギリス行きのチャーター便って誰が乗っているか分かるか!?」
「・・・それなら余裕。」
紫はキンジの問いに対してパソコンを打ちまくっていた。
「如何したんですかキンジさん。」
カナメはキンジの壁を殴った方の腕を擦りながら聞くとキンジは言いにくそうな顔をしていた。
すると紫がキンジに対してこう言った。
「・・・今日乗る乗客名簿、手に入れたけど知っている名前がいた。」
「誰だ!?」
キンジは紫のパソコンを見るとある名前が出ていた。
それは・・・。
『神崎・H・アリア』
それを見た瞬間、キンジの中である仮説をたてた。
これまで武偵殺しを追っていたアリアが何故兄の豪華客船の時にいなかったのか?
如何して電波を発せなかったのか?
そして二人の関係性で一つ心当たりが浮かんだ。
それは・・・。
「『武偵殺し』は名のある武偵で且つ単独を主にする武偵のみを狙った腕っぷしが
強くて頭のキレる奴だ。」
キンジはそう考えると紫にこう伝えた。
「紫!この事みんなに伝えて万が一に備えて救助艇をスタンバってくれ!!」
「分かった。」
「カナメはここで待ってくれ!・・・ちゃんと戻ってくる!!」
「・・・はい、気を付けて下さい。」
キンジは紫とカナメにそう言った後キンジは急いで新しく買った自転車に乗り込んで思いっきり漕いだ。
相手はあの兄ですら敵わない敵に猪突猛進を素でいくアリアでは敵わないと分かっているからだ。
そしてもし爆発すれば飛行機は破壊され今度はアリアの家族が避難の対象になる恐れがあるからだ。
そしてその恐怖を知っているキンジにとって自分の二の舞にさせたくないという
気持ちが最も強い理由である。
「・・・馬鹿するんじゃねえぞ。」
キンジは自転車を漕ぎながらそう言った。
そしてその様子を鉄製の「スズメバチ」がじっと見ていた。
そしてそれはキンジを見てみるとブレスレットをちゃんと付けているのを確認した後それはまた飛んで行った。
・・・キンジが向かおうとしている羽田空港に向けて。
もう二度と自分と同じ悲劇を繰り返さない為に。