「『武偵殺し』があたしをって・・・どう言う意味よ!?」
アリアはキンジの言葉を聞いて問い詰めようとするとキンジはすっと避けて
こう言った。
「お前自分の立ち位置と言うか・・・これ迄の襲撃から考えられないのかよ。
それで『ホームズ』の末裔なんて嗤える冗談だぜ。」
「!!どうしてそれを!?」
アリアはキンジが自分の家系の真実を聞いて驚くもキンジはこう続けた。
「俺の仲間の中にはこういうのが得意な奴がいるんでな。んでお前には腹違いの妹がいることも留置場で服役中にされている母親についても調べたぜ。」
「!!!!」
アリアはキンジの言葉に愕然するも更にキンジはこう続けた。
「それで如何してお前が『武偵殺し』にそこ迄拘るのか考えてみたが・・・
母親の罪状がでっち上げだという事を証明したいってことしか浮かばなかったな。」
「・・・・・。」
アリアはキンジの言葉に最早驚くことも出来なくなってしまった。
「・・・沈黙はYESととるが間違いなさそうだな。」
キンジはそう言うとアリアにこう警告した。
「アリア、お前は爆弾を探して解除させろ。お前の体格なら大抵の場所は
潜り込めるだろ?それともし『武偵殺し』と会ったら直ぐに逃げろ。これ迄も一流と
言えるほどの武偵を屠った頭のキレる強者だからな。」
それだけだと言ってキンジは今の内に携帯電話を使って帰りのチケットを
予約しようと取り出した。
するとアナウンスが鳴った。
『お客様に、お詫び申し上げます。当機は台風に伴う乱気流を回避するため、到着が30分程度遅れることを誠に申し訳なく』
すると・・・。
ガガンと雷が鳴るのを聞いた。
「うみゃ!!」
アリアは悲鳴を上げながらきゅっと首を縮めた。
それを見たキンジは・・・。
「お前雷が怖いのか?」
「こ、怖いわけない。バッカみたい」
すると今度はピシャアアアア!!という音が鳴り響くと・・・。
「きゃああ!!」
そう叫びながらアリアはベッドの中に潜り込んでいった。
それを見てキンジはアリアに笑いながらこう言った。
「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ。お前後でトイレ行っとけよ。」
キンジのその言葉を聞いてアリアは布団の中でガルルルルと
睨みつけていると・・・。
パアン!と銃声が聞こえた。
キンジと少し遅れてアリアは部屋から出ると乗客乗務員が不安げな顔で騒いでいる中コックピットの扉から誰かが出てきた。
「「!!」」
キンジとアリアはすぐさま構えるとそこから出てきたのは・・・。
さっきのフライトアテンダントの女性と機長が副操縦士の男二人を引きずり
出してきた。
そして二人を通路の床に無造作に投げ捨てるとキンジとアリアが拳銃を引き抜いた。
「動くな!」
「あんたに勝ち目はないわよ!!」
そう言うとフライトアテンダントは胸元から・・・缶を取り出してこう言った。
「ATTENTION PLEASEでやがります。」
「その口調!!」
キンジはその口ぶりを聞くや否やピンと音を立てて、放り投げた。
それを見たキンジは全員に向かってこう言った。
「全員部屋に入れーー!!」
キンジが乗客全員にそう言って扉を閉めた。
そしてアリアは部屋の中からある物を出した。
「これは?」
「携帯用の酸素マスクよ。こう言う機体にはこれが常備されてるのよ。テロリストに備えてご丁寧にその部屋の人間しか開けれないようにしてね。」
今時そんなものもあるのかよと思いながらキンジはそれを口に着けて防護用の
ゴーグルを付けて外に出た。
そして外に出てみると・・・。
「何もない?」
キンジはそう言いながら武偵校の生徒手帳を出してそこからコードを出した。
因みにこれは電子式でありレーダーやセンサー、小型パソコンとしても
使われている。
「どうやらこいつはフェイクの様だな。」
すると部屋の電気が消えて非常灯に切り替わった。
そして外に出ていたベルト着用サインが点滅し始めた。
「・・・和文モールス信号ね。」
アリアはそれを見て呟きながらこう解読した。
「オイデ オイデ イ・ウー ハ テンゴク ダヨ オイデ オイデ ワタシ ハ イッカイ ノ バー 二 イルヨ」
「誘っているって言うより馬鹿にしてるなあれ。」
キンジはそう言いながら拳銃を構えるとアリアはこう言った。
「上等よ・・・風穴開けてやるわ!!」
着いてきなさいと言って颯爽と走ろうとすると・・・
ゴロゴロと言う雷の音にヒィイ!!と叫ぶとキンジはそれを見てアリアに
こう言った。
「着いていこうか?」
「・・・勝手にすれば。」
どうにも締まらないなと思うキンジであった。
次回は正体と戦い・・・かもしれない。