予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 やっと・・・ここまで来たぜェ。


薬を飲むときは自分の体質も確認しろ。

 「糞ったれが!何だよあの化け物は!?反則じゃねえか!!」

 キンジはアリアをお姫様抱っこしながらそう言っていた。

 「(今の神崎は頭に怪我してる!頭は今俺の制服を包帯代わりにして

血を沁み込ませてるがこの出血量だと失血死しかねねえぞ!!)」

 キンジはそう思いながらアリアを部屋に連れて行って血まみれになった顔面を

備え付けのタオルで拭いた後シーツを破って包帯代わりにして巻こうとするとある事に

気づいた。

 「側頭動脈がやられてやがる!このままじゃあ!!」

 キンジはそう言いながら電子手帳の中にある止血テープを取り出して傷を塞いだ。

 然しこのテープはワセリンで無理やり血を止めるその場しのぎ程度の物である。

 そしてキンジをアリアの表情が芳しくないことに気づいてタッチペンの

ペンホルダーに指を突っ込んである物を出した。

 それは『RAZZO』と書かれた小型の注射器である。

 「神崎、ラッツォ打つがアレルギーとかあるか?」

 「・・・・な・・・い。」

 ラッツオとはアドレナリンとモルヒネを組み合わせて凝縮させた復活薬である。

 「こいつは心臓に直接打たなきゃいけねえ薬だから服脱がすぞ、良いな?」

 「へ・・・変な事・・・したら、風、穴」

 「するか阿保か?」

 アリアの言葉にキンジはそう言い返してブラウスのジッパーを開けた。

 「う・・・。」

 アリアは小さく震えていたがキンジは胸骨を探していた。

 「確か・・・指二本・・・ここだ!」

 キンジはフロントホックの辺りで見つけると注射器のキャップを外して心臓目掛けて準備した。

 「行くぞ!神崎!!」

 そして・・・ぐさっと刺して、薬剤をアリアの心臓目掛けて注入した。

 「---!!」

 その後アリアは痙攣したと思ったら目を思いっきり見開いてこう言った。

 「う・・・っはあ!!な、何これ!どうなってって胸!」

 「キンジ!あんたの仕業ね!こ、こんな胸なんで見たがるのよ!!嫌味のつもり!?カナメとかいう奴よりも・・ちょっと小さいぐらいで!!どうせ身長だって

万年142㎝よ!!!」

 混乱状態であったアリアは茹蛸のように真っ赤になりながらマシンガンのように

喋っていると自分の胸に注射器が刺さっているのを見て・・・こう叫んだ。

 「ぎゃああ!!何よこれ!!?」

 それを見た後キンジはアリアにこう説明した。

 「お前はあの時理子?にやられたから俺がラッツオで生き返らせたんだ。」

 「りこ・・・理子ーー!!」

 アリアは全てを思い出したのか服を整えるとバランスが取れない足取りで両手に

拳銃を持って部屋に出て行こうとしていた。

 ラッツオとは復活薬であると同時興奮剤でもあるのだ。

 恐らくアリアは薬が効きやすい体質なのだろう。

 自分と理子?の戦力の優劣すら判断できないほど興奮しているのだ。

 キンジはドアの前に立ちふさがった後アリアの両手を掴んでこう言った。

 「待て神崎!まともにやり合ってもあの化け物に勝てるかどうか分からねえぞ!?」

 「そんなの関係ない!!あたしがやるんだ!あたしがああ!!」

 「落ち着け!!一流の武偵は相手の戦力分析をしたうえで凶悪犯罪者と渡り合うのが鉄則だろ!?それぐらいお前だって」

 「あたしは独唱曲(アリア)よ!!いつだって一人で戦ってきたんだからこれからもだって!!」

 アリアは興奮状態が収まっていないどころか増々強くなっているような感じ

であった。

 そしてキンジは兄に対してこう謝罪した。

 「(悪い兄さん。約束破るわ。)」

 そう思いながらキンジは顔を天井に向けるとそのまま・・・アリア目掛けて頭を

落とした。

 「いい加減にしろ!!この猪突猛進馬鹿娘が!!」

 ゴスッと言う鈍い音と同時にキンジの頭はアリアの頭に直撃した。

 「ウニャアアアア!!!!!!」

 アリアは変わった悲鳴を上げるとそのまま・・・失神した。

 「うにゃああ~~~。」

 アリアが失神したのを確認した後キンジはアリアを布団のシーツで簀巻きにして

そのまま荷物入れにボッシュートした。

 「・・・兄さん。これは応急処置だから大目に見てくれよ。」

 キンジはアリアを入れた後にそう呟いた。

 金一曰く「女性は丁寧に接しろ」と常日頃から言われていたのだが今回は特例としてもらいたいと思っているようだ。(序に御先祖様にも)

 「さてと・・・あいつをどうするべきか?」

 キンジはあの理子?らしきものとどう戦おうと思っているようだがこれまで

あんな犯罪者は見たことなかったので如何すれば良いのか分からなかったのだ。

 そして暫く考えていると・・・。

 「?」

 上に何かいると思って天井を見るとそこにいたのは・・・。

 「・・・・・・」 

 「・・・・・・・」

 ・・・・デッカイスズメバチだった。

 「うおおおお!!」

 キンジはそれを見て驚くとそのスズメバチはキンジの周りを飛び回り始めた。

 「・・・・(動いたら刺される)」

 キンジはそう思いながらじっとしていた。

 スズメバチは黒い物に反応して複数回も指すことのできる凶暴性の高い蜂なのだ。

 そしてそのスズメバチはキンジの肩に乗るとそのまま・・・下に下にへと下がって行った。

 「・・・・・(-_-;)」

 キンジは脂汗を掻きながらもじっとしているとスズメバチはそのままブレスレットにまで向かうとそのまま・・・そこに座った。

 その時にカチッと音がしたのに気づいたキンジはそれを見てこう思っていた。

 「な・・・何だ!?」

 『HENSIN』

 ブレスレットから音声が鳴るとキンジはそれを見て驚いていた。

 「な、何だよって何だよーー!!」

 するとキンジの周りに緑色の粒子が集まるとそれは装甲になってキンジの周りを

纏うように展開していった。

 そして光が収まるとそこにいたのは・・・上半身が分厚い装甲で覆われた自分が

鏡の前に立っていた。

 「な・・・な・・・・何じゃこりゃアアア!!」




 キンジ!初変身!!(まだ第一段階だけどね。)

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