予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

40 / 269
 やっと第一巻が終わったぜェ。


ようこそ、国連軍へ。

「おい、そっちはどうなっている!?」

 『現在乗客を救助していまして・・・』

 「馬鹿者が!!乗客の中に仲間がいたらどうする気だ!?」

 『そっちについてはこちらにいる武偵校生が大丈夫だと』

 「阿保か!!他人の言葉に、餓鬼の言葉を信じる馬鹿がいるか!!そっちに

プロの奴を送るからそれまで乗客は飛行機内で待機させろ!!」

 そう言いながら現場指示をする国防軍の隊員が怒鳴っていた。

 本来なら飛行場を封鎖したのちにIS部隊が爆弾を設置して飛行機を安全な海の上で

爆発させるという計画だったのだがあるイレギュラーが発生してしまったのだ。

 その原因をその指揮官が忌々しそうに見ていた。

 「何で国連軍が介入してくるんだ。」

 本来国連軍は各国の下部組織でありこう言うのには介入しないはずだと

思っていたのだ。

 するとそこにある電話がかかってきた。

 「はい!こちら国防軍!!・・・何国連軍が!?放り出させてやれ!!」

 『然し・・・特務隊の権限で入れるようになっているらしく』

 「何だと!!そんなの聞いたことないぞ!?」

 『然し現に如何やら国防軍陸上戦隊総司令官のお墨付きのサインを持っている

らしく』

 「はあ!!陸上戦隊総司令官のだと!?・・・入れてやれ。」

 『・・・はあ?』

 「入れてやれと言ってんだ!!さっさと入れろ!!」

 『りょ、了解!!』

 向こうの隊員が電話を切ったのを確認すると指揮官は席に座るや否や頭を

悩ませていた。

 「・・・何で陸上戦隊総司令官のがあるんだ?」

 

 

 

 

 

 「ではどうぞ。飛行機は今も待機させてますんで。」

 「ああ、ご苦労さん。」

 隊員が挨拶していたのは全身を目深な帽子と襟の長いコートを身に纏い、

アルファベットのAを逆さまにしたような記号の付いた手袋とブーツを履いた男性と

学生服(それぞれ違うタイプ)を着た少年少女が中に入った。

 彼らはそのまま飛行機に向かった後コートを着た男性が全員を見てこう言った。

 「それじゃあ俺は会いに行くから皆はここで待っててくれ。」

 「「「「「了解!!」」」」」

 少年少女達は敬礼すると男性はそのまま飛行機に入っていった。

 周りではお互い抱き合う老夫婦や何やら軍と話している家族連れや仕事ごとなのかスーツを着た男性が目に映った。

 そして彼はそのまま通り過ぎて行くとある所にへと向かった。

 そこはキンジがいる操縦室である。

 そして彼は扉を開けるとその人間にこう聞いた。

 「君が『遠山キンジ』か?」

 

 

 

 

 

 「君が『遠山キンジ』か?」

 「?」

 その声にキンジは振り向くとその時見た第一印象が・・・。

 「(何だこいつ?変態か?)」

 そう思ったのだ。

 何せ服装がそうなのだから。

 「おいお前、人を見て変態って思うなら一発殴るぞ?」

 如何やら気にしているようであった。

 「ああ違ったな。こう呼べばいいかな?『ザビ―』。」

 「!!」

 それを聞くや否やキンジは懐に入れているベレッタを引き抜こうとするとその男は

キンジに向かってこう言った。

 「まあ待てって。俺は戦う気はないしそれに情報を与えてやったろ?」

 「じゃああの情報って!!」

 「『ザビ―』が見つけた情報を分かりやすくするためにはな。それにそのおかげで

お前は生きてるんだからな。」

 男はそう言いながら後ろに潜んでいる『ザビ―』を見つけてそう言った。

 「それじゃあ話と行こうか?『遠山キンジ』君。」

 

 

 

 

 「能力者?」

 「ああ俺達みたいな人間をそう呼ぶ。」

 男は自身の名前が「防人 衛」である事を告げると防人は能力者についてこう

説明した。

 「能力者は『脳』、『神経』関係の技が多く存在してな。内容は様々だが

共通していることはただ一つ『感覚』が鋭いって事だ。」

 「例えば俺なら『身体強化』。体の感覚も鋭くなるんだ。君にもあるだろ?

感覚が他よりも違っているという現象があったかい?」

 キンジはそれを聞いて思い出すと確かにあった。

 時間が凝縮されるという感覚が。

 それを言うと防人はキンジにこう聞いた。

 「遠山君。君、国連軍に入らないかい?」

 「は?」

 「俺達は君みたいな人間を集めて力をコントロールさせる術を教えたり世界を裏から守る暗部関係の仕事をしてるんだ。」

 「君さえよければ歓迎するしそれに『イ・ウー』に関する情報を掴めるかも

しれん。」

 「!!!」

 キンジはそれを聞いて少し魅力的だと思った。

 兄の仇である『イ・ウー』に関する情報が手に入れられる場所でもあり

それに・・・。

 「(世界を裏から守るねぇ。まるで飛鳥のじっちゃんと同じことを言うな。)」

 「≪良いかキンジ君。この世は表があれば裏もある。正義と悪、愛と憎しみ、

全てにおいてそれらは存在しており逮捕すべき悪と葬るべき悪もまたしかり。それらの矛盾を孕もうとも己の信じた正義を貫く覚悟を持たなければいかんのじゃ。そして儂もそう思い裏からこの国を守っておった。それは今でも変わらんつもりじゃ。≫」

 そのことを思い出すとキンジは防人を見てこう言った。

 「あんたの話正直言えば疑う事が山ほどある。どうして俺なのか?異能だとか理子が化け物に変身した事とかな。けれどそれでも俺は自分の守れる人間を守りてえし

その為に強くなりてえ。武偵として、一人の人間としてな。」

 「それでもいいなら・・・仲間になってやるよ。」

 そう言ってキンジは手を差し伸ばすと防人はそれを掴み取ってこう言った。

 「ようこそ、国連軍第0特務隊へ。」

 

 

 

 

 

 そしてキンジはその後軍が貸してもらったホテルの部屋で(アリアは病院)

一泊した後キンジは家路に着いた。

 昨日の事はカナメに幾つか省いた感じで話しているためそこは理解してるようだ。

 そしてキンジは部屋の鍵を開けてこう言った。

 「ただい」

 「キンジさん!!」

 キンジは言いかけた瞬間カナメがキンジに抱き着いて来たのだ。

 「カ、カナメ!!」

 キンジは如何したのだと思っているとキンジの胸の中でカナメはこう言っていた。

 「よかった・・・キンジさんが無事で・・・良かったです!!」

 涙ながらにそう言っているとキンジはカナメの頭を撫でてこう言った。

 「言ったろ。必ず帰ってくるって・・・俺は大丈夫だからさ、何時ものように

頼むぜ。カナメ。」

 キンジの声を聞いてカナメはキンジから少し離れた後目元を拭ってこう言った。

 「お帰りなさい、キンジさん。」

 「ああ・・・ただいま。」

 そう言ってキンジとカナメは家に入っていった。

 キンジの帰り場所には待っている人がいるという事を告げるように太陽は

煌めいていた。




 キンジ「次回予告?ああ言うんだったな。帰ってきた遠山キンジは穏やかな日常を
過ごせると思ったら大間違い。『アドシアード』のメンバーに組み込まれたり
幼馴染でもある白雪が『魔剣(デュランダル)』に狙われてるからアリアと一緒に
護衛しろと言われたりとハチャメチャな事が起きていたら突如カナメが攫われただ!!何故カナメが攫われたか?それは彼女の失われた記憶にある真実があった!!」
 次回 予測不可能者 遠山キンジ
 第二章『炎と氷のシスターズ(姉妹)/ジェミニの剣』
 次回も見ないと『ライダースティング』!!だからな!
 キンジ「それ脅迫!!」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。