「これはまた・・・。」
「凄いですねぇ。」
その日の夜、キンジとカナメはボケーっと見ていた。
その理由は・・・。
「た、食べて食べて。『キンちゃん』の為に作ったんだよ。」
食卓にはカニチャーハンにエビチリ、酢豚、ギョーザ、ミニラーメン、何処で
買ったんだという鮑のオイスターソース和えまであった。
これらは全てキンジの好物ばかりである。
てんでばらばらなら何回かあったがここ迄出されると逆に良いのかと思いたくなる
ほどである。
その中で白雪はジャスミンティーを人数分・・・入れていた。
流石にキンジの目の前ではちゃんとするようだ。
するとキンジはあれっと思いカナメにある事を聞いた。
「そういやよカナメ、お前今日に備えて準備していなかったか?」
それを聞くとカナメは少し声のトーンを落としてこう答えた。
「実は・・・これだけあるとなと思って・・・未だ冷蔵庫の中です。」
あ、でも朝には出しますよとカナメがそう言うとキンジは白雪にこう聞いた。
「なあ、白雪。・・・カナメのも良いか?こいつ今日に備えて色々と
準備してたから。」
キンジは白雪にそう頼むと少し考えて・・・こう答えた。
「キンちゃんが良いなら良いけど。」
白雪はそう答えるとカナメは冷蔵庫から色々と出してきた。
「へぇええ。」
「ウワア。」
アリアと白雪はそれを見て驚いていた。
蒸した海老にさらっとソースを付けた物や、肉と野菜がたっぷり入った野菜炒め、
昼の蕎麦の残りで作った吸い物、サザエや魚の刺身もあった。
「ええと・・・どうぞ。」
カナメがそう言うとキンジは手を合わせてこう言った。
「いただきます。」
「「「「いただきます。」」」」
そしてカナメ達も同じようにした。
「ふう、食った食った。」
キンジはそう言いながらジャスミンティーを飲みながらそう言った。
目の前ではアリアが「動物奇○天外」の2時間スペシャルを食い入るように見ていた。
そう言えばと思い、キンジはアリアにある事を聞いた。
「そう言えばよ、アリア。お前どうして今回の任務受けるって決めたんだ。」
お袋さんはと聞くとアリアはキンジの方に顔を向いてこう言った。
「あんたも知ってるでしょうけど、アタシのママは『イ・ウー』によって冤罪を
掛けられてるの。その中に奴がいたから乗ったのよ。」
なるほどなとキンジはそう言うと疑問が解けてスッキリしたと思った。
だがアリアはこう続けた。
「だからあたしは奴を捕まえるの!ママを冤罪に掛けた『デュランダル』
だけは!!」
すると・・・
パリィーンと言う音が台所に響いた。
「カナメ!どうした?」
キンジはそう聞くとカナメは落として割れた皿を片付けていた。
「すいませんキンジさん。直ぐに直しますから!」
そう言いながらカナメは皿を片付けようとすると・・・キンジも手伝ってきた。
「俺が拾っとくからカナメは掃除機を持ってきてくれよ。」
「わ、分かりました!!」
それを聞いてバタバタとカナメは掃除機を取りに行っている中ある映像が脳内から
流れて行く様子が見えた。
「何だったんです?あれは・・・」
そこに映っていたのは・・・。
「あの人は一体?」
自分ともう一人の誰かがそこにいた。
その記憶は・・・何を意味するか??