あの後アリアに事の次第を説明した後アリアが発したのはこの一言。
「・・・あんた保護対象なんだから面倒な事するなあ!!」
これである。
その後は白雪の携帯にキンジの連絡先を勝手に登録させられた。
まあ『アドシアード』が終わるまでと協議の末に決められた。
そして時を経て梅雨開けの情報と同時にある企画が持ち上がった。
「『梅雨明け花火大会』?」
キンジは部屋でアリア達とうどんを啜りながらそれを聞いた。
「はい。今日の夜に臨海公園から花火が見れるから座敷船に乗って見に行かないかとと飛鳥さんから電話で報告してくれたので誘われたのでキンジさんもどうかと
聞かれましたけど?」
勿論白雪さんも良いですよと言ってますのでと付け加えた後白雪の方を見ると
少しオドオドしてこう言った。
「え、えとね。私、星伽の許可なしに外に出ないようにって言われてね。
その・・・。」
キンジはそれを見いてある事を思い出した。
星伽の人間、特に女の子は本来神社から出ることも許されない家系なのだ。
キンジは嘗て兄の金一と共にそこに行ったときに少女達が丁度「かごめかごめ」を歌っていた時にそれを見ていた金一はこう呟いたのだ。
「まるで籠の中の鳥だ。」
それが今だ耳に残っていた。
まるで哀れな動物を見るかのように。
そしてキンジはカナメにある事を聞いた。
「なあ、カナメ。それって誰が来るんだ?」
それを聞いたカナメはこう答えた。
「あ、はい。飛鳥さんと焔さん、夜桜さん、紫さん、華毘さん、雪泉さんですね。」
それを聞いたキンジは白雪にこう提案した。
「白雪、行くぞ。アリアもだ。」
「え!」
それを聞いた白雪は驚く中アリアはこう言った。
「あんた本気?人が多くってガード出来ないわよ。」
「それなら心配ねえよ。座敷船なら周りに人はいねえし俺達しか乗ってねえし恐らく半蔵さんも乗るから大丈夫だ。」
キンジはアリアに自信たっぷりにそう言った。
アリアは暫く考えるとこう返した。
「良いわ。でも責任はあんた持ちよ。」
そう言うと白雪は慌てながらこう言った。
「え・え・・でも。」
「ほら何時までぐずぐずしてるの!さっさと準備するわよ!!」
アリアは白雪を引きづって何処かへと向かった。
それを着ていたキンジとカナメはお互いに顔を見て苦笑いをした。
そして夜、キンジ達は河に集まっていた。
白雪は白の、アリアはピンク色の浴衣を着ていた。
そしてキンジは黒の浴衣を羽織っていた。
暫くすると少し向こうで声が聞こえた。
「遠山く~~ん。」
飛鳥達も浴衣を着ていた。
飛鳥は緑、焔は黒、夜桜は青、華毘はオレンジ、紫は紫陽花の華が彩られた紫、
雪泉は青と白と着ていた。
「?・・カナメは?」
キンジは全員を見てカナメはと聞くと雪泉が後ろ向きでこう言った。
「さあどうぞ。」
そこにいたのは・・・白百合の華が彩られた黄色の浴衣を着ていたカナメが
そこにいた。
髪は少し結わえた後ポニーテールみたいにして纏めていた。
「ど・・・どうでしょうか?」
カナメはキンジを見てそう聞くと当の本人は・・・。
「・・・・・・。」
ポカーンと見惚れていた。
「あの・・・キンジさん?」
カナメはキンジを見てどうしたのかと聞くと焔がキンジの背中を叩いてこう言った。
「ほらキンジ!!何とか言って見なって!!」
「あ・・・ああ。」
キンジは意識を取り戻してもう一度カナメを見てこう言った。
「その・・・綺麗だなっておもって。」
「ふぇええ!!」
キンジの言葉にカナメは顔を赤くして慌てている所を焔たちは生暖かい目で
見ている中座敷船がやってきた。
「じっちゃん!!」
「おお、飛鳥来たぞ。皆も乗りなさい。」
「「「「「お世話になります!!!!!」」」」」
キンジ達は半蔵を見てそう言うと半蔵はうんうんと言って全員が乗り込んだところでこう言った。
「それじゃあ・・・出航じゃあ!!」
いざ花火大会へ!!