予測不可能者  遠山キンジ   作:caose

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 貴方にはいますか?
 かけがえのない大切な人が。


大切な人の為に。

 「ごめんね。キンちゃん。」

 トラックを運転しながら白雪はそう呟いた。

 トラックの荷台には失神したカナメが寝ていた。

 正直言えばこんな事したくなかったのだがせざるをえない理由があるのだ。

 そして白雪はある場所にへと向かった。

 「ここだね。」

 そこは「関係者以外立ち入り禁止」と書かれた看板が立てられていたが白雪は

そのままトラック毎入っていった。

 そこは学園島の武器、弾薬が収められている通称「地下倉庫(ジャンクション)」

である。

 

 

 

 

 

 「ここだな。」

 キンジはそう言ってバイクから降りようとすると・・・何かが上空からやってきた。

 「ザビ―!」 

 それはキンジの変身ツールでもあるザビ―であった。

 ザビ―は何かを訴えるかのようにキンジの周りを飛んでいた。

 「お前も来たいのか?」

 それに対してザビ―はこくこくと首を振っていた。

 そしてキンジはザビ―を連れて排水溝に向かった。

 そこで目にしたのは・・・。

 「一度開けられたな。それも無理やりに。」

 キンジはそう言いながら排水溝の蓋を開けて中に入った。

 「ここから何処に向かうんだ?」

 キンジはそう思いながら武偵手帳にある液晶画面を操作して調べると出てきたのは。

 「・・・ジャンクションじゃねえか。」

 キンジはそう言いながら冷や汗を掻いていた。

 もしここで何かを起こせば大惨事になると分かっているのだ。

 キンジは何があったんだと思いながら直進で進んだ。

 

 

 

 

 学園島の地下は船のデッキみたいな多層構造になっており、キンジは排水溝の

出入り口にある三重の鉄の扉を開けて中に入った。

 そこには階段がありキンジはそのまま駆け下りて立ち入り禁止区域に繋がる

エレベーターに向かった。

 そしてエレベーターに入って緊急用のパスワードを打ち込むが・・・。

 「くそっ!動かねえのかよ!!」

 キンジはふざけるなと思い扉を叩くとザビ―がエレベーターにある配線板の扉を

開けた。

 そして配線をザビ―は口で加えると・・・。

 ピーンとエレベーターが動き出した。

 「これって・・・そういやお前、理子の時も調べてたって防人さんが言ってたな。」

 キンジはありがとうなと言うとザビ―は只ブーンと羽音で答えた。

 

 

 

 

 

 そしてそのままエレベーターで最深部に向かった。

 キンジはエレベーターから降りて先ず資料室を調べてみると・・・暗かった。

 あるのは非常用の赤い電灯だけであった。

 次に地下駐車場に入った。

 大抵の武器輸送車はここで待機しているのだ。

 そしてその中に・・・白雪が使ったと思われるトラックがあった。

 キンジはそれを見つけると周りの車を壁代わりにしながら近づいて・・・

ザビ―が初めに窓をぶち破った。

 そしてそれに続くかのようにキンジも突撃するも・・・。

 「いない。」

 運転席には白雪の姿が無かった。

 そして荷台を開けるも・・・カナメもいなかった。

 キンジはさらに奥に進むことにした。

 ここから何が起こるのかも知らずに。




 必ず助ける。

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